2024年1月から新NISAが開始され、旧制度の積立NISAや一般NISAは2023年12月末をもって新規投資の申込みが終了しました。
すでに旧NISAで口座を保有している場合は新NISAへの切り替え手続きは不要ですが、NISA口座を開設している金融機関で自動的に新NISA口座が開設されます。
では、旧制度の積立NISAはどうなるのでしょうか。また、積立NISAと新NISAは併用できるのでしょうか。
この記事では併用のメリットや注意点・クレカ積立におすすめのクレジットカードを紹介します。
積立NISA・新NISAの違い
新NISAと旧NISA(積立NISA・一般NISA)では、1年間で投資できる金額(年間投資枠)や非課税で商品を運用できる期間(非課税保有期間)などが異なります。
新NISAでは、積立NISAの役割はつみたて投資枠へ、一般NISAは成長投資枠へと名称が変わりました。新NISAの特徴は主に以下4点です。
- 成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能
旧NISAでは、一般NISAと積立NISAのどちらかを選択する方式でした。自分の投資スタイルに合わせて選択できるメリットがある反面、切り替える場合は1年に1度しか変更できないというデメリットもありました。新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能となり、より柔軟に投資をすることができます。 - 年間投資上限額は最大360万円
旧NISAでの年間投資上限額は、一般NISAでは120万円、積立NISAでは40万円でしたが、新NISAでは360万円と大幅に拡大しました。 - 生涯非課税限度額が最大1,800万円
積立NISAの非課税保有限度額は「40万円×20年間=800万円」でしたが、新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて1,800万円になりました。(うち成長投資枠は1,200万円)。 - 非課税保有期間が無期限
旧NISAでは一般NISAで5年間、積立NISAで20年間と、非課税保有期間が限られていました。新NISAでは、非課税保有期間が成長投資枠・つみたて投資枠ともに無期限となり、より計画的に投資をすることができます。
表は横にスクロールできます→
旧NISA | 新NISA | |||
普通NISA | 積立NISA | 成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
年間投資枠 | 120万 | 40万円 | 240万円 | 120万円 |
非課税限度額 | 600万円 | 800万円 | 1800万円 | |
(内1200万円) | ||||
非課税保有期間 | 5年間 | 20年間 | 恒久 | |
対象投資商品 | 上場株式・投資信託等 | 長期の積立・分散投資に適した金融商品(金融庁の基準あり) | 上場株式・投資信託等 | |
積立方式 | なし | 月次 |
積立NISAと新NISAは併用することができる
積立NISAと新NISAは別枠の制度です。積立NISAは旧NISA口座内で非課税期間が終了するまで最長20年間にわたって運用することができることにくわえて、非課税保有期間中保有や、非課税保有期間が終わる前の売却もできます。
積立NISA口座で商品を保有していても、その分新NISAでの新規投資額が減るということはありません。
また、新NISAは積立NISAと違う金融会社で口座を開設できます。新NISAの口座も旧NISAと同様1人1口座しか作れないので、自分に合ったところで作成しましょう。
積立NISAと新NISAを併用するメリット
上記で説明したように積立NISAと新NISAは併用することができます。ここからは積立NISAと新NISAのメリットを説明します。
税制で得られるメリットを活かせる
新NISAの非課税上限金額である1,800万と、積立NISAの非課税上限金額である年間40万円、一般NISAで非課税上限金額である年間120万円が合算でき、非課税枠の上限は合計1,960万円となります。
積立NISAと新NISAを併用することで、年間の非課税枠を最大限に活用できます。
リスクを分散できる
積立NISAと新NISAでは選べる商品が異なる場合がありますが、上手に商品を選ぶことでリスクを分散できます。
また、新NISAは積立NISAと別の金融機関で口座を開設することができますので、リスクヘッジにつながります。
ニーズに合わせた資産運用ができる
積立NISAと新NISAを併用することで、将来の目標やライフステージに応じた柔軟な資産運用ができます。
積立NISAでは将来の老後資金の準備や資産形成を重視し、新NISAでは安定した年金収入の確保を重視するなど、ニーズや目標に合わせてそれぞれのNISAを活用しましょう。
積立NISAと新NISAを併用する際の注意点
積立NISAにある資産は新NISAに移管(ロールオーバー)することはできません。積立NISAにある資産を使って新NISAを始めたい時には、タイミングを見極めて売却のうえ現金化し、新NISAで運用を開始することが必要です。
積立NISAは非課税期間終了後は課税口座へ移管されます。NISAの最大の魅力は非課税で資産を受け取れることにあるため、積立NISAの非課税期間がいつまでなのか、しっかりと把握する必要があります。
また、積立NISAや新NISAを利用する際には、運用会社や金融機関から手数料やコストが発生する場合がありますので調べておくことも大切です。
新NISAはクレカ積立がおすすめ
新NISAはクレカ積立で行うのがおすすめです。多くのクレジットカードでは、利用額に応じてポイントが貯まります。新NISAは長期にわたって積み立てますのでクレカ積立は多くのポイントを貯めることが可能です。
金融庁は上限額を5万円から10万円に引き上げる内閣府令の改正を進めており(※) 、クレカ積立を利用することでのポイント獲得等のメリットが期待されています。
ここからはクレカ積立におすすめの金融会社とクレジットカードをご紹介します。
(※)2023年10月3日 金融庁 金融審議会「事務局説明資料」
SBI証券
SBI証券では積立投資が毎月100円から始められます。また、投資信託など豊富な商品が手数料0円で利用可能で、取扱い本数は2,600本以上と充実しています。オンライン取引が中心なので、自分で取引をしたい方にも最適です。新NISA特典もあるのも魅力の一つです。
SBI証券でのクレカ積立は三井住友カードがおすすめ
三井住友カードで決済して投資を行うと、投資をしながらVポイントを貯められます。年会費永年無料で、手間いらずの自動引き落としなのも魅力です。さらに、貯めたVポイントは1ポイント=1円分として、投資信託の購入に利用できます。
三井住友カード
楽天証券
楽天証券は、楽天市場などで貯めた楽天ポイントを投資に利用できます(1ポイント=1円)。また、積立時や残高が増えた時には、ポイントが二重に貯まります。投資金額は100円から。手軽に始められるのが魅力です。
楽天市場などで買い物した時に貯めたポイントも新NISAの金融商品の投資に使えるため、楽天ユーザーにはおすすめです。(国内株は手数料0円ですが、手数料が発生するものもあります。)
楽天証券でのクレカ積立には楽天カードがおすすめ
楽天カードから投資を行えば、全額キャッシュレスで行えます。
決済額に応じて最大1%の楽天ポイントが付与されることにくわえて、対象ファンドの残高に応じて毎月楽天ポイントがもらえます。条件達成で楽天市場のお買い物でもらえるポイントが+0.5倍にUPする特典もあります。
楽天カード
tsumiki証券
tsumiki証券のクレカつみたては、つみたて投資枠の年間投資枠の拡大に伴い、月5万円の上限を、業界初で月10万円まで拡大しました。また、エポスポイントでの投資もNISA口座(成長投資枠)が使用可能です。
tsumiki証券のクレカ積立にはエポスカードがおすすめ
2024年1月からつみたてできる上限金額と非課税枠の上限金額が10万円に拡大しました。エポスゴールドカードおよびエポスプラチナカードでは年間利用ボーナスポイントという制度があります。クレカ積立で積み立てた金額も年間利用額の加算対象になるため、よりお得です。
エポスカード
積立NISAと新NISAを併用して賢く資産を運用しよう
新NISAと旧NISAは別枠で利用できるため併用ができます。積立NISAと新NISAを併用することで、資産形成の幅が広がり、リスク分散が可能となります。
併用のメリットを最大限に活用し、またクレカ積立でお得にポイントを貯めながら、賢く資産を運用していきましょう。
※価格および特典はいずれも2024年2月時点のものです。