2023年以前から多くの方が利用しているNISAは2024年から、以前の制度と比べてより自分に合う投資を行えるようになりました。
新NISAの口座開設後は制度のルールを確認する必要があります。非課税投資の対象範囲や上限額、他の口座との関係などをしっかり把握しておくことで、非課税期間中も自分に合う運用を行えます。
今回は、新NISAを始めるにあたってチェックすべきポイントをまとめました。投資初心者の方でも安心してNISAを利用できるように解説しています。
新NISA 口座開設手順の確認
新NISAの口座開設は、旧NISAの口座を持っているか否かで手順が変わります。
旧NISA口座を持っている場合、口座を開設している金融機関で新NISA口座が自動的に開設されるため、すでに新NISA口座を所有しています。金融機関を変更したい場合は、変更を希望する年の前年の10月1日から変更手続きを行うことが可能です。手続きの詳細は、各金融機関へご確認ください。
旧NISAの口座を持っていない場合は、所定の申し込みへの手続きを完了次第新NISA口座が開設されます。口座開設の流れや具体的な手続き方法は下記で解説していきます。
新NISA 口座開設の基本ステップ
新NISAは各証券口座のWebサイトもしくは郵送で申し込みが可能です。
また、郵送よりもWebサイトからの申込みの方が早く口座開設を行えます。スムーズに口座を開設したい方は、Webサイトで申し込みをするのがおすすめです。
申し込みに必要な書類と情報
NISAの申し込みに必要な書類や情報は、金融機関によって異なることがありますが、一般的に、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)や口座開設に関する情報が必要です。申込前に開設する金融機関に確認すると良いでしょう。
新NISAで投資を始める前に必ずチェックしておきたいこと
投資を始める前に、投資の目的やリスクについて理解しておくことで、理想に近い運用がしやすくなります。押さえておきたいポイントは下記の通りです。
投資目的を明確にする
はじめに、投資の目的(資産形成、将来の教育資金、老後資金など)を明確にしましょう。目的を明確にすることで、必要な資金や期間から逆算することが可能になり、理想に近い投資を行いやすくなります。
投資対象のリスク特性を理解しているか
NISAは税制上、長期運用が基本です。そのため、短期的な値動きに惑わされず、長期的な成長を目指す必要があります。
NISAではETF(上場投資信託)や投資信託、株式などさまざまな金融商品に投資できます。各商材、リスクとリターンは異なりますが、自分のリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。
投資が未経験で運用方法が分からずにいる方には多数の個人や機関から資金を集めて運用する、投資信託から始めるのがおすすめです。投資信託は運用をプロに任せられるため、初めての方でも長期目線で投資をすることができます。特に、インデックス型ファンドは手軽でリスクも比較的低い選択肢です。
ETFもインデックスに追随する投資商品で、手数料や運用コストが低いというメリットがあります。
また、投資する金融商品を選ぶときは短期運用に特化した金融商品やひとつの商品に偏らないよう、バランスよく分散投資することを心がけtましょう。リスクを軽減する上で重要なポイントです。
そして、市場環境の変化に合わせて、ポートフォリオの見直しをすることも重要です。自身のリスク許容度に合致しているか定期的に確認しましょう。
投資初心者が知っておきたい基本知識
投資はリスクとリターンのトレードオフと言われており、高い利益を得られるチャンスがある一方で、金銭を失う危険性があります。一般的に、リスクが高い投資は高いリターンが期待されますが、損失も大きくなる傾向にあります。投資する前に、対象となる資産や金融商品について十分に理解しましょう。企業や市場の動向を把握することが大切です。
まず、資産を異なるクラスや産業に分散することで、リスクを軽減しやすくなり、ポートフォリオの安定性を高めることができます。
また投資は時間とともに成果を上げることが期待されます。短期の価格変動に振り回されず、長期的な視点を持つことが重要です。
長期運用で収益向上を目指す方、手数料や費用などのコストを最小限に抑えることを意識しましょう。
そして、金融情報サイトで株価指数をチェックすることや、為替や商品市況の動きの確認も大切です。円安や原油高など為替や商品市況の動向も株式市場に影響するため、マクロ環境を総合的に捉えることで売買のタイミングを掴みやすくなります。
市場状況をマクロに把握したい方は、代表的な日経平均やTOPIXの推移を把握することがおすすめです。また、チャートからも長期トレンドも確認できます。経済指標に注目 GDPや消費者物価指数などのマクロデータも市場に大きな影響を与えるため、経済動向を把握したい場合は確認するようにしましょう。
投資の判断が難しい場合や、プロの見解を聞きながら運用を行いたい方は、プロの市場アナリストや金融アドバイザーや投資家の見方を参考にすることもおすすめです。上記のように複数の視点で市場を捉えながら運用を行ってください。
新NISAの申込時に意識したいセキュリティ対策と注意事項
NISAなどで投資を始める際は、個人情報を保護し、資産の不正利用を防ぐためにセキュリティ対策を行うことも大切です。おすすめのセキュリティ対策は以下の点が挙げられます。
強固なパスワードを設定する
ログインパスワードなどを設定する時は数字や文字の組み合わせだけでなく、記号やアルファベットの大文字小文字を使用しましょう。
また、2段階認証を設定する パスワードにくわえ、ランダムに生成される認証コードを入力する2段階認証を活用することで、セキュリティが向上します。
さらに、最新のセキュリティパッチを適用し、セキュリティソフトでスキャンするなど、デバイスのセキュリティも高めましょう。公共のWi-Fiを使用する際は、VPNを使うことで通信を暗号化するとセキュリティを確保できます。
取引履歴を定期的にチェックする
投資を行うときはなりすましによる不正取引が行われていないか、通帳やメールから定期的に取引履歴を確認しましょう。サイトに注文内容などが反映されない場合は、速やかに問い合わせるのがおすすめです。
NISAを利用していると、不審なメールやリンクが送られてくる可能性があります。心当たりのないメールを受信した時は以下の点を参考に対応してください。
まず、メールの送信元を確認して、金融機関など公式の組織からの正規のメールかどうか、送信元のメールアドレスが正規のドメインか確認しましょう。
URLリンクには十分注意して不用意にクリックしないことを心がけてください。メール内のリンクをクリックする前に、リンク先のURLを確認し、不審な点がないかチェックしましょう。
近年は各金融機関と酷似したリンク先を設置し、メール内でアカウントやパスワードの入力を求めて情報を得る手法も横行しています。個人情報を求めるサイトは典型的なフィッシング詐欺の可能性が高いため、むやみにアクセスしないようにしてください。
また、メールに添付されたファイルは、ウイルスに感染する可能性があるため基本的に開かないようにしましょう。
少しでも不審な点を感じた場合は、一度サポートに相談することをおすすめします。不審メールには十分注意し、安易なクリックは避けることが大切です。
知っておくと安心!税金に対する基本情報
NISAに対応した金融商品を購入したあとの税処理などが気になる方も多いのではないでしょうか。NISAの運用益に関する確定申告のポイントは以下の通りです。運用後に把握して効率良く税処理を行いましょう。
NISAの運用益は非課税のため申告不要
NISAで生じた配当や売買益は非課税となるため、確定申告は不要です。
NISA口座内の取引に関する記録は5年間保存
NISAの取引記録は5年間保存しておきましょう。この期間内に調査が入った場合に提出が求められた場合は、適宜対応してください。
口座開設届出書の控えは保存しておく
口座開設時に証券会社等に提出した非課税口座開設届出書控えは保存しておきましょう。
NISA初心者向けサポート機能の利用
NISAを初めて利用する方向けに券会社などが提供している主なサポート機能は以下の通りです。
- 無料のセミナー
NISAの概要や投資の方法を解説する無料セミナーを開催しています。初心者におすすめです。
- サポートデスク
電話やチャット、メールでNISAの利用方法や手続き、投資に関する質問に答えてくれます。
- 取引シミュレーション
実際に取引をすることなく、購入から売却までの手順を模擬的に体験できる機能です。
- 資産診断サービス
質問に答えることで、あなたに合った資産配分や投資商品が提案されます。
- 書籍や雑誌の無料提供
NISAに関する入門書籍や月刊誌を無料で提供するサービスもあります。
投資を上手く始めるには、多角的な観点で見ることが大切です。これらのサポートを上手に活用してNISAについて学びましょう。
新NISA口座開設におすすめのネット証券4選
新NISA口座を開設するにあたって、おすすめのネット証券会社を紹介します。自身のスタイルに合った条件の証券会社を選ぶ参考にしてください。
SBI証券
SBI証券はNISA取引では国内の証券取引所の4取引所全てに対応しており、外国株は9ヶ国にくわえて実績のあるIPOも対象となっています。つみたて投資枠も取扱銘柄数も豊富で、三井住友カードでクレカ積立を設定するとVポイントが貯まります。
SBI証券の新NISAは国内株式や米国株式、海外ETFの売買手数料が無料化されました。また、円をドルに両替する際の為替手数料も無料化されているため、SBI証券でNISA口座を開設すれば米国株式を手数料無料で取引できます。
楽天証券
楽天証券は取り扱い商品も豊富で、楽天ポイントが貯まる&使えるので非常に人気です。つみたて投資枠の銘柄数も200本を超えており、楽天カードでクレカ積立を設定すれば楽天ポイントが貯まります。そのため、楽天のサービスを利用している方は楽天証券でのNISA口座を開設するのがおすすめです。
楽天証券の新NISAも、SBI証券と同様に、国内株式や米国株式、海外ETFの売買手数料が無料化されました。また、円をドルに両替する際の為替手数料も無料のため、楽天証券でNISA口座を開設すれば米国株式を手数料無料で取引できます。
松井証券
松井証券のつみたて投資枠は取扱銘柄数も多く、シンプルで使いやすい松井証券投信アプリがおすすめポイントです。ロボアドバイザーの機能を使うと、自身に適したな資産の組み合わせを提案してもらえます。
また自動でリバランスを設定することも可能です。松井証券は商品の内容から画面操作方法、パソコントラブルまで専門のスタッフに電話でじっくり相談できる点も魅力です。NISAは国内4取引所の銘柄、IPO、投資信託のほか、外国株式もNISAの対象となっています。
マネックス証券
NISA口座で米国株式を買うならマネックス証券がおすすめです。マネックス証券の米国株式は取扱銘柄数も非常に豊富で、分析ツールの銘柄スカウターも多くの投資家に愛用されています。つみたて投資枠でもマネックスカードでクレカ積立をすると1.1%のポイントが還元される点もメリットです。
新NISA 口座開設後はリスク管理と目的の明確化が大切
今回は新NISAを活用して、上手く投資する方法について開設しました。投資の目的やリスクなど、自身の目的に合ったものを選んで新NISAを活用してください。
※制度の内容等はいずれも2024年2月時点のものです。