ポイ活とは何か?
ポイ活とは、買い物やサイトでポイントを貯めたり、ポイントで買い物をしたりする活動の総称です。クレジットカードを利用して貯まるものや、特定のお店を利用した際に貯まるものだけでなく、ポイントを貯める専用のサイトもあります。
カードやポイントサイトで収入を得る仕組み
ポイントカードやポイントサイトで得られるポイントの原資は基本的に加盟店が負担しています。ポイント2倍キャンペーンなどの期間には、ポイント事業者側が負担するケースも少なくありません。店舗だけのポイントだけではなく、クレジットカードのポイントも消費者側がポイントを負担することはなく、安心して貯めることができます。
ポイントを現金や商品と交換する方法
ポイントサイトから直接現金や商品と交換できます。現金化する場合は直接振り込みができる銀行口座や電子マネーを選択できます。
ポイントサイトで希望の交換先が無い場合はポイント交換サイトを利用するのもいいでしょう。ポイントサイトのポイントを一旦ポイント交換サイトに移してから希望の変更先を選択できます。ポイント交換サイトには複数のポイントを合算できるメリットがあります。
ポイ活による収入と住民税と所得税の関係
貯まったポイントは現金や金券に変えたり、値引きに使えたりできます。それらはすべて課税対象となる収入として計算されるのでしょうか。
ポイント交換による金銭収入が住民税と所得税の課税対象になる
買い物の金額に応じてもらえるお店ごとの独自ポイントは店舗からの値引きとして処理されるため、買い物代金の決済時に利用した場合は課税対象となりません。
ただし、ポイントを株式や投資に利用した場合は金融商品を店舗からプレゼントされたと見なされるため、一時所得となり、課税対象になります。さらに、生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金や遺失物拾得者の受ける報労金、懸賞や福引きの賞金品、競馬や競輪の払戻金なども一時所得に該当します。
ポイントサイトで得たポイントは雑所得となり、課税対象になります。労務や役務に対する対価と判断されるからです。歩数計やレシート投稿などアプリコンテンツの利用、アンケートや口コミ投稿、広告視聴も雑所得に該当します。
ポイントサイト経由の買い物で得たポイントは、お店ごとの独自ポイントと同様に扱われます。
住民税と所得税の計算方法とポイ活収入の申告方法
住民税は前年の所得に基づいて計算されます。まず、給与所得や不動産所得などすべての収入を合算した所得金額と、社会保険料や医療費などの各種控除額を算出します。所得金額から各種控除額を差し引いたものが課税所得となります。
課税所得に住民税率を掛け合わせて住民税額を計算します。所得や家族構成によっては、特例控除が適用される場合があります。
所得税も同じで、所得金額から各種控除額を差し引いたものが課税所得となります。課税所得に所得税率を掛け合わせて年間の所得税額を計算しましょう。そこから配偶者控除、扶養控除などの控除を差し引いた金額が最終的な納税額になります。
ポイ活の収入が一定額を超えた場合、確定申告することになるため、上記の計算を行えるようにするための準備や、会計ソフトの導入を検討するのがおすすめです。
ポイ活の収入を確定申告する必要があるケース
ポイ活が所得に該当する場合、課税義務が発生します。課税申告の義務が発生する金額は給与所得者か非給与所得者かによって異なります。
給与所得者の場合
会社から給与をもらっている場合、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。給与所得以外の所得の算出方法は、それが一時所得か雑所得かによって計算式が異なります。
一時所得の場合、年間の所得金額から必要経費と特別控除を差し引き、残額を2分の1にした金額が課税対象になります。特別控除は上限50万円で、特別な条件もなく誰でも同じ額の控除が受けられます。
一時所得が50万円以下であれば計算上課税金額は0円になります。この計算式より、給与所得者の一時所得は必要経費が掛からなかった場合、年間90万円を超えた場合に確定申告が必要です。
- 給与所得者の一時所得の課税金額を算出する計算式
- (所得-必要経費-特別控除50万円)×2分の1=一時所得の課税金額
雑所得の場合は特別控除がありませんので、年間20万円を超えた場合に確定申告が必要です。必要経費は差し引くことができます。年間の雑所得は、ポイ活以外の雑所得、例えば非営業用貸金の利子や公的年金等の額も合算しなければなりません。
- 給与所得者の雑所得の課税金額を算出する計算式
- (ポイ活所得-必要経費)+(非営業用賃金の利子-必要経費)+公的年金等=雑所得の課税金額
非給与所得者の場合
専業主婦などの会社から給与をもらっていない場合、所得控除を差し引いてもなお所得が出ている場合は確定申告が必要になります。算出方法は一時所得か雑所得かによって計算式が異なります。
一時所得の場合、年間の所得金額から必要経費と特別控除を差し引き、残額を2分の1にした金額が課税対象になります。ここからさらに基礎控除が差し引かれた金額が課税金額です。
特別控除は上限50万円で、特別な条件もなく誰でも同じ額の控除が受けられます。基礎控除は合計所得金額が年間2,400万円以下の人に対して48万円と定められています。この計算式より、給与所得者の一時所得は必要経費が掛からなかった場合、年間146万円を超えた場合に確定申告が必要です。
- 非給与所得者の一時所得の課税金額を算出する計算式
- (所得-必要経費-特別控除50万円)×2分の1-基礎控除48万円=一時所得の課税金額
雑所得の場合は特別控除がありませんので、年間48万円を超えた場合に確定申告が必要です。必要経費は差し引くことができます。年間の雑所得は、ポイ活以外の雑所得、例えば非営業用貸金の利子や公的年金等の額も合算しなければなりません。
- 非給与所得者の雑所得の課税金額を算出する計算式
- (ポイ活所得-必要経費)+(非営業用賃金の利子-必要経費)+公的年金等-基礎控除48万円=雑所得の課税金額
ポイ活初心者が確定申告をスムーズに行うコツ
ポイ活先が複数ある場合は、ポイントサイトやクレジットカードなどすべてのポイントを合算して所得を算出する必要があります。確定申告の時期に1年分をまとめて計算するのではなく、毎月家計簿などで還元されたポイント数を整理しておくとスムーズです。
書類をまとめるのが大変な場合は会計ソフトを利用してみましょう。
収入の種類ごとに分類する
一時所得と雑所得のポイントを分けて合算します。確定申告の際にはポイ活以外の副収入の申告も必要になりますので、それらも含めて種類ごとに分類しておきましょう。
必要な書類や必要事項の確認
確定申告書の他に、源泉徴収票(本業分・副業分)やマイナンバーカードが必要です。
ポイントサイトやアプリの利用履歴や収支明細などが必要になる場合がありますのでまとめておきましょう。
確定申告の期限と罰則について知ることも大切
確定申告は年ごとに申告の義務があり、1月から12月までの1年分を翌年の2月から3月中旬までに自分の住む地区の税務署に提出します。必ず期限の確認を行って申告してください。。期限内に申告しなかった場合、遅延税や罰則金が課される可能性があります。
勤務先にポイ活で誤解を与えたくない場合
確定申告すると住民税が高くなることがあります。また、住民税は給与所得に基づいて算出されるため、市区町村から通知された住民税の金額が同じくらいの給与の社員より高いと副業に気付かれてしまうことも。
勤務先にポイ活をしていることで副業していると誤解されたくない方は、確定申告の際に給与所得以外の住民税の徴収方法を普通徴収にしましょう。普通徴収にすると、増えた分の住民税だけ自分で納めに行く手間がかかりますが、会社に知られる住民税が増えることはありません。
所得の上限を比べて自分が一番得な方法を選ぼう
今回は、ポイ活を積極的に行っている方にむけて、ポイ活で得た金額を確定申告を行うべき対象者の特徴や、確定申告の方法などを紹介しました。
初心者がポイ活を行う際は、所得の種類に注意して自分が一番満足できる方法を活用してみましょう。