数年前からNISAは資産運用の方法のひとつとして知れ渡っています。また、2024年からNISA制度が新しくなりました。これから新NISAを利用して投資を始めようとする人も、不安なく始められるようにデメリットや注意点を知っておきましょう。
新NISAとは
新NISAは、投資を行う人向けの新しい節税優遇制度です。金融資産から得られる利益には通常20%の税金がかかりますが、新NISAでは非課税となります。
旧NISAと比べた時の新NISAのメリット
2024年からNISAの制度が新しく変わりました。旧NISAはつみたてNISAと一般NISAいずれかのみを活用するシステムでしたが、新NISAは成長投資枠(年間240万円)と、つみたて投資枠(年間120万円)が併用可能です。
他にも、生涯非課税限度額も引き上げられ、旧NISAよりも生涯で投資できる金額が増えました。口座開設期間が恒久化し、非課税期間が無期限になったことによって、より長期の運用も可能になっています。
新NISAの対象年齢について
新NISAには年齢制限があり、18歳以上の方は口座を開設できます。例えば2024年1月1日に18歳になる人は2024年から開設でき、2024年1月2日に18歳になる人は2025年から開設できるようになります。
新NISAのデメリットと注意点
新NISAは旧NISAよりも制限が緩和されたため、選択肢が増えて運用が難しくなってしまいました。今後、NISAを始めようとしている方は、NISAのデメリットも把握しておくといいでしょう。また、すでにNISAを運用している人は変更点を確認すると安心です。
手続きや開設条件
新NISAは18歳以上の日本居住者のみが対象です。取引口座は銀行や証券会社で比較的簡単に開設できます。
成長投資枠とつみたて投資枠の両方を利用できますが、ひとつの金融機関でしか利用できません。なお、年単位で金融機関を変更することが可能です。
すでに旧NISAに投資している場合、同じ金融機関に自動的に新NISAの口座ができており、積立設定だけは自動で引き継がれています。旧NISAで運用した金額は旧NISA口座に残っており新NISAに引き継がれることはありません。そして、非課税期間が終了するまでは新NISAの投資上限枠とは別枠で非課税で保有できます。
投資対象のデメリット
成長投資枠とつみたて投資枠で投資できる対象が限定されていることもデメリットに感じる方がいるでしょう。
成長投資枠で投資できる金融商品は、REIT(不動産投資信託)やREIT(不動産投資信託)、上場株式や投資信託です。投資信託とETFは一部取り扱いの無い商品もあります。
つみたて投資枠では、長期の積み立てや分散投資に適した一定の投資信託が原則になっています。各金融機関が条件に基づきあらかじめ金融庁に届け出たものから、投資対象を選ぶことになります。
特に投資信託は商品によって取引条件が異なるため、目論見書や契約締結前交付書面等をよく読み理解することが賢明です。
損失が起こったときのデメリット
新NISAは元本保証のない投資のため、損失が生じることがあります。
新NISA最大のデメリットは、口座の損失について利益との損益通算ができないことでしょう。損益通算ができると、損失と相殺して減ってしまった利益に対して税金がかかるため節税になります。損益通算ができない場合は単なる損失として計上されるため、全利益分に税金がかかります。
損益通算ができないため、当然損失の繰越控除もできません。また、繰り越し控除ができる場合、1年目で出てしまった損失を3年間は繰り越しして利益額と相殺できるため、節税になるのです。
新NISAは運用期間が無期限のため、所有の金融商品の価格が暴落したときも、価格が回復するまで放置することも可能です。
新NISA登録変更時の注意点
新NISA対象の金融商品は金融機関によって異なるため、金融機関の変更を検討する事案も発生するでしょう。また、変更の手間がデメリットに感じる方もいます。
旧NISAの口座から新NISAに変更するかで迷っている方は事前に調べてから登録するのがおすすめです。
証券会社変更と金融機関変更のデメリットと注意点
新NISAで運用を行う証券会社や銀行は1年間変更できません。切り替えは毎年1月1日からです。手続き期間に注意しながら、変更前と変更後の2つの金融機関で手続きを行う必要があります。
まず、旧NISA口座保有金融機関で金融機関変更を申し込みを行ない、非課税口座廃止通知書または勘定廃止通知書の発行依頼をかけます。前年10月から当年9月までに発行が完了していなければなりません。
次に変更先の金融機関でNISA口座開設申込み手続きを行います。変更前の金融機関で発行された非課税口座廃止通知書、または勘定廃止通知書を添付します。当年10月から12月中旬までに完了させましょう。
金融機関変更と新NISA口座開設手続きが完了すると、税務署での審査が入ります。完了後、変更先の金融機関から非課税口座開設届出書が発行され、翌年1月から新しい口座で取引ができる仕組みです。
新NISAの運用におすすめの証券口座と投資アプリを紹介
新NISAはネット証券や証券会社、銀行で取り扱っています。この中でも手数料が安く、ポイントサービスもつくネット証券がおすすめです。
SBI証券
ネット証券のSBI証券は数多くの錦繍商品を扱っています。新NISAでの投資信託と国内株式の買付売却手数料が無料、米国ETFは買付手数料が無料になります。(一部除外あり)
投資信託の保有で各種ポイント(Pontaポイント、JALマイル、Tポイント、dポイントなど)が貯まり、クレカでの投資信託購入でVポイントが貯まります。PontaポイントとTポイントはそのまま国内株式投資にも使用可能。
最低投資金額は100円です。
楽天証券
ネット証券の楽天証券は、新NISAの海外ETF、国内株式、海外株式、投資信託、ETFの売買にかかる取引手数料が無料になります。(一部除外あり)
投信積立時も残高が貯まったときも、楽天ポイントが二重で貯まることにくわえて、貯まったポイントはそのまま投資に使用可能。
最低投資金額は100円でいつでも引き出せるのも魅力です。
ウェルスナビ
AIが各ユーザーの好みを自動で判別して新NISAを運用してくれる投資アプリです。自分で調べて投資する手間が省けます。AIはノーベル賞受賞者が提唱する理論に基づいた金融アルゴリズムを採用しているため、初心者も安心して使えます。
最低投資金額は1万円、自動積立金額は1万円からです。
ウェルスナビは旧NISAの頃から手数料が発生することがデメリットに感じる方もいました。しかし新NISAになったことにより、手数料は預かり資産の年率1%から、0.63〜0.67%まで下がりました(自動積立の場合)。長く続けるほどお得な長期割もあります。
またウェルスナビの提携金融機関の変更の際には解約と再契約が必要になります。先述で解説した金融機関変更のデメリットをご覧ください。
新NISAのデメリットを理解すれば運用も怖くない
新NISAを最大限利用してうまく運用すれば、利回りの良い非課税所得の獲得が可能です。投資はデメリットを理解して、自分にとって良い運用方法を取り入れましょう。
※価格および特典は2024年2月地点のものになります。