
飲み会が多いシーズン。おいしいお刺身や肉料理とともにビールをぐびぐび……など、ついついプリン体を多く摂っている方もいるのでは。プリン体の摂りすぎは、ある日突然、足の親指などの関節の激痛に襲われる痛風の原因になります。プリン体の多い食品を紹介しますので、食事に気を付けて痛風を予防しましょう!
尿酸の結晶が関節などにたまって炎症を起こし激痛が走る
食事で摂取されるプリン体は、体内で尿酸に代謝されます。プリン体の多い食品を一気に食べたり、食べる機会が多かったりすると血液中に尿酸が増えます。尿酸値が7.0mg/dlを超えると「高尿酸血症」と診断されます。 尿酸値が高い状態が続き進行すると、尿酸が結晶となって関節や足先、耳たぶなどに溜ります。この溜った部分に炎症が起きて“風が吹いても痛い”ほどの激痛が走るのが痛風です。

1日の摂取目安は400mg。鶏のレバーは100g中300mg以上で要注意!
痛風の予防には、1日のプリン体摂取目安を400mgに抑えることが大切だと言われています。
プリン体は肉のレバーや魚の白子、魚介類ではエビや白子、また乾物などに多く含まれます。
痛風が気になる方が避けたい主な食品を紹介します。
■肉類100mg中のプリン体含量(mg)
<鶏肉>
レバー 312.2
ササミ 153.9
砂肝(砂嚢) 142.9
<豚肉>
レバー 284.8
<牛肉>
レバー 219.8

鶏・豚・牛ともにレバーはプリン体を多く含みます。特に鶏のレバーは100g中で1日のプリン体の摂取目安量に近いほど多いので、“焼き鳥でレバーは外せない”という方は要注意です。
意外にも低いイクラのプリン体含量
■魚類100mg中のプリン体含量(mg)
あんこう肝(酒蒸し) 399.2
イサキ白子 305.5
カツオ 211.4
マイワシ 210.4
マアジ 165.3
明太子 159.3
■貝・軟体動物類100mg中のプリン体含量(mg)
大正エビ 273.2
クルマエビ 195.3
スルメイカ 186.8
カキ 184.5
■干物100mg中のプリン体含量(mg)
ニボシ 746.1
カツオブシ 493.3
干し椎茸 379.5
魚類で気を付けたいのは、あんこうの肝。生では104.3㎎/100gですが、酒で蒸すと数値は一気に跳ね上がり400㎎/100g近くになります。
乾物は水分が減っている分、プリン体が濃縮されて含量が多くなります。たくさんの量を食事で摂ることは少ないですが、ニボシやカツオブシには多く含まれていることを覚えておくとよいでしょう。

「プリン体」と言うとウニやイクラを思い浮かべる方も多いと思いますが、100mg中の含量(mg)は、
ウニ 137.3
イクラ 3.7
で、イクラは意外にもプリン体含量が低い食品です。
アルコールで気を付けたいのは地ビール
ウイスキーや焼酎といった蒸留酒にはあまり含まれておらず、ビールや紹興酒にはプリン体が多いです。
■アルコール100ml中のプリン体含量(mg)
ビール 3.3~6.9
地ビール 6.8~16.6
紹興酒 11.6
日本酒 1.2
ワイン 0.4

ビールや紹興酒などの醸造酒に対して、主な蒸留酒の100ml中の含量(mg)は以下の通りです。
焼酎(25%) 0.0
ウイスキー 0.1
ブランデー 0.4
プリン体の数値を見てきましたが、どうやらおいしいものにはプリン体が多く含まれているようです。
1年のうちでも、おいしいものをおいしく飲んで食べたい年末年始。1日のプリン体摂取目安の400㎎を超えないよう、量や組み合わせを工夫して楽しく元気に暮らしましょう!
参考資料:
公益財団法人痛風・尿酸財団 HP掲載
「食品・飲料中のプリン体含有量」
「アルコール飲料中のプリン体含量」
「食品中プリン体含量(mg/100g)」帝京大学薬学部物理化学講座 臨床分析学研究室 金子希代子名誉教授提供