梅雨というと洗濯物が乾きにくくなったり、部屋がじめじめしたりと、苦手意識を持つ人も少なくありません。ただ、発想を入れ替えてみれば、この時期こそ、住まいや健康を守るための対策を見直す絶好の機会でもあります。そこで今回は、カビ・ダニを防ぐ湿度管理や部屋干し臭対策など、梅雨を快適に乗り切るポイントを紹介します。
ジメジメ放置は禁物!今日から始める「湿度管理」のススメ
梅雨の時期は、単にじめじめして不快というだけでなく、湿度の上昇という特有の要因から、住まいや健康にさまざまな悪影響を及ぼします。 そんな時期にこそ見直したいのが、日々の湿度管理です。
適切な湿度管理には「カビやダニの繁殖を防ぐ」、「壁紙の傷みや木材の腐食などの住まいの劣化を防ぐ」などのメリットがあります。
梅雨の除湿はエアコンだけで十分?

家庭の湿度管理で活躍するのが、エアコンの除湿機能や除湿器です。エアコンの除湿機能は「部屋全体を冷やしながら湿度を下げる」ためのもので、室温が下がるのが特徴です。一方、除湿機は「湿気を取ることに特化」しており、室温を下げずに強力に除湿したり、部屋干しの洗濯物を効率よく乾かしたりするのに適しています。
それぞれのケースごとの活用法を解説します。
エアコンの除湿機能だけで十分なケース
「部屋全体の湿度を一定に保ちたい」といった日常的な湿度管理であれば、まずはエアコンの除湿運転で対応できるでしょう。
エアコンの除湿機能には、室温を下げながら除湿する「弱冷房除湿」と、室温をあまり下げずに湿度だけを下げる「再熱除湿」の2種類があります。さらに上位機種には、状況に応じて運転を切り替えるハイブリッド除湿を搭載したものもあります。
専用除湿機が活躍するケース
「湿気を取ること」に特化した専用除湿機の最大のメリットは、持ち運びができること。リビングだけでなく、寝室やクローゼット、脱衣所、押し入れなど、湿気が気になる場所へ自由に移動できます。特に次のようなケースでは、エアコンよりも除湿機のほうが活躍します。
・部屋干しの洗濯物を早く乾かしたい
・北向きの部屋や納戸など湿気がこもりやすい場所がある
・クローゼットや押し入れのカビ対策をしたい
梅雨時は室内の湿度が70%を超えることも珍しくありません。湿気がたまりやすい場所をピンポイントで除湿できるのは、専用除湿機ならではの強みと言えるでしょう。
カビ・ダニ対策のための掃除のポイント

梅雨時につきもののカビやダニ。アレルギー症状やぜんそくなどの原因となることがあり、健康への影響も無視できません。
一般的にカビは20〜30℃・湿度70%以上、ダニは20〜30℃・湿度60%以上で増殖しやすいとされています。室温を下げることが難しい梅雨の時期は、いかに湿度を60%以下(理想は40〜60%)にキープするかが最大のポイントです。
それと同じく大事なのは、カビやダニが好む環境を作らないということ。以下、「エサ(栄養源)をためない」、「早期に発見して死滅させる」という2つのポイントに絞って解説します。
エサ(栄養源)をためない

カビやダニは、湿気だけで増えるわけではありません。繁殖には栄養源が必要です。カビのエサになるのは、人の皮脂や汗、石けんカス、ホコリなど。ダニは、人のフケやアカ、食べこぼし、ペットの毛などを栄養源にしています。
そのため、床やカーペット、ソファ、寝具などをこまめに掃除することが重要です。特に布団やカーペットは、ダニのエサがたまりやすい場所。週に1~2回は掃除機をかけ、シーツやカバー類も定期的に洗濯しましょう。
また、浴室や洗面所に残った石けんカスや水アカもカビの栄養源になるため、使用後に軽く洗い流す習慣をつけるだけでも予防効果が期待できます。
早期に発見して死滅させる
どれだけ気を付けていても、梅雨時はカビやダニが発生することがあります。大切なのは、増殖する前に対処することです。
カビは黒い点や白い綿状のものとして現れることが多く、見つけたら早めに除去しましょう。放置すると胞子を飛ばし、周囲に広がってしまいます。
カビもダニも熱に弱いため、布団乾燥機や高温になるガス式乾燥機などを活用するのがおすすめです。ダニを死滅させるには50℃以上の熱を20〜30分当てる必要があるとされており、天日干しだけでは十分でない場合があります。
部屋干し臭の正体「モラクセラ菌」の撃退法

雨の日が続くと、洗濯物を部屋干しで済まさなければならないことも多くなりますが、気になるのが独特の不快な「部屋干し臭」。実はその原因は、近年の研究で「モラクセラ菌」が出す代謝物であることが分かっています。
モラクセラ菌は自然界のどこにでも存在する常在菌ですが、水分や皮脂汚れを栄養にして活性化し、代謝物を排泄します。これがあの独特の生乾き臭を出すのです。
モラクセラ菌は、温度20~40℃、湿度60%以上の環境で増殖するといわれています。通常の洗剤だけでは死滅しにくいため、60℃以上のお湯でのつけ置きや酸素系漂白剤の活用が効果的です。どちらも20分〜30分ほどつけると効果が出やすくなります。
また、高温になるコインランドリーの乾燥機を活用したり、臭いが気になる部分にピンポイントでアイロンのスチームを当てたりする方法も効果的です。
梅雨は「住まいの健康診断」の季節
梅雨は不快な季節と思われがちですが、住まいの環境を見直す絶好のタイミングでもあります。湿度計で現状を把握し、除湿機や掃除を上手に活用するだけで不快なジメジメを解消し、カビやダニの発生も大きく減らせます。
今年の梅雨は、ただ我慢して過ごすのではなく、「家の健康診断をする季節」と考えてみてはいかがでしょうか。


