気になる言葉や出来事について解説するシリーズ。今回は、「LGBTQ」という言葉について。LGBTに続き、最近では「LGBTQ」「LGBTQIA」さらには、「LGBTQIA+」という言葉が使われることも。それぞれについて解説していきます。
知っておきたい「性的指向」と「性自認」について
「多様性と調和」が大会の理念となったことが記憶に新しい東京五輪。実際に性的マイノリティであることを公表した選手が多数いたことでも話題になりましたね。開会式で国歌斉唱をした歌手のMISIAさんのドレスが、多様性の象徴であるレインボーカラーであったことも印象的でした。
LGBTの言葉解説の前に、まずは知っておきたいことが2つ。「性的指向」と「性自認」についてです。
法務省によると、
性的指向とは、どのような性別の人を好きになるか、ということです。
これは自分の意志で選び取るというより、多くの場合思春期の頃に「気付く」ものです。
性自認 (性の自己認識)とは、自分の性をどのように認識しているのか、ということです。
「心の性」と言われることもあります。多くの人は「身体の性」と「心の性」が一致していますが、
「身体の性」と「心の性」が一致せず、自身の身体に違和感を持つ人たちもいます。
とのこと。これを踏まえて、LGBTを紐解いていきます。
多様な性を総称する言葉「LGBT」とは?
性的指向と性自認について理解したところで、「L」「G」「B」「T」がそれぞれ、どのような意味であるかを見ていきましょう。
- L…Lesbian レズビアン
女性の同性愛者(心の性が女性で恋愛対象も女性)
- G…Gay ゲイ
男性の同性愛者(心の性が男性で恋愛対象も男性)
- B…Bisexual バイセクシャル
両性愛者(恋愛対象が女性にも男性にも向いている)
- T…Transgender トランスジェンダー
性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人(「身体の性」は男性でも「心の性」は女性というように一致しないために「心の性」に違和感を持つ人)
言葉も進化していく!? LGBTQIA+とは?
性的マイノリティは、上記でご紹介したレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの4種類だけではない、という声が多く挙がるようになり、最近では、「LGBTQ」や「LGBTQIA+」といった表記も増えてきました。
- Q…Questioning クエスチョニング (もしくはQueer クイア)
自分の性別や性的指向に迷いがある人、決められない、決めたくない人など
- I…かつてInter-sex(インターセックス)という言葉が使われていた名残ですが、現在ではDSDs(ディーエスディーエス)と呼ばれています。
DSDsとは性分化疾患のことで、Differences of sex developmentの頭文字を取った言葉です。「体の性の発達が一般的な発達とは生まれつき一部異なる女性・男性の体の状態」を指します。性的マイノリティとはまた異なります。
- A…Asexual アセクシャル
誰にも恋愛感情や性的欲求を抱かない人、無性愛者
- +…プラス
その他の多様な性を包含する言葉
性的マイノリティを表す言葉には、さまざまな表現があります。今回ご紹介した基本情報を一部、一説として理解しつつ、地域や国による違い、時代によって変化していく考え方などを柔軟に捉えたいですね。
記事提供/ハルメク365