
趣味で集めたレコードやVHS、漫画本……。埃をかぶって眠らせているままなら、フリマアプリやインターネットオークションに出した方がお小遣い稼ぎになって断然おすすめ! 不要品を出品し、高額で売れた実体験をもつ輸出・輸入物販プレイヤーの鈴木絢市郎さんに、「メルカリ」「Yahoo!オークション」の2大プラットホームで今売れ筋の物や売り方のコツなどリアルな話を教えてもらいました。
日本の国民一人当たりの「かくれ資産」は53万円!?

「もったいないから」とか「いつか使うだろう」などと言いながら、押し入れやクローゼットにしまったままになっている物はありませんか? 実はそれ、喉から手が出るほど欲しい人がいる、価値ある「資産」かもしれません。
株式会社メルカリが2023年に行った「日本の家庭に眠る“かくれ資産”※に関する調査」によると、国民一人あたりの「かくれ資産」は平均約53万2000円! 総額は何と推計約66兆6772億円という結果となりました。
※1年以上使用せずに理由なく家庭内に保管しているモノを不要品としたときの、不要品保管数量調査および「メルカリ」の平均取引価格により不要品を金額換算した数値を表します。
「かくれ資産」として多いジャンルは、「服飾雑貨」が最も多く、「書籍・CD・ゲーム」「家具・家電・雑貨」「ホビー・レジャー」「美容・健康」と続きます。資産額として最も大きい割合を占める「服飾雑貨」を詳しく見てみると、捨てる予定の不要品の資産価値を金額に換算すると平均8万5000円相当となっています。
誰でもサクサク使える「メルカリ」と「ヤフオク」がおすすめ

これだけの「かくれ資産」、売ってお金にしない手はない!……はずなのですが、なかなか行動に移せず「“かくれ資産”のまま」になっている人がいるのが現状。
「きっと多くの方が一度はリサイクルショップの買取に出した経験はあると思います」と輸出・輸入物販プレイヤーの鈴木絢市郎さんは言います。「でも、リサイクルショップで値段がつかず、結局処分が面倒なのでタダで引き取ってもらったという人も多いのでは。手元にある不要品を『こんなものに値段がつくはずない、だったら思い出として大事にとっておこう』となり、またしまいこんだままにしてしまうのではないでしょうか」
そんなちょっぴり悲しい体験をしてきた方に鈴木さんがおすすめするのが、スマホで簡単に「かくれ資産」を売ってお金に換えられる2つの方法です。
まず1つ目が、日本最大級のフリマアプリ「メルカリ」(2013年サービス開始)。フリマアプリとはインターネット上でフリーマーケットのように個人間で物の売り買いを行うことができるスマホ用アプリです。2つ目は、日本最大級のネットオークションサービス「Yahoo!オークション」(同1999年、以下「ヤフオク」と表記)。ネットオークションはその名の通りインターネットを利用して行われる競売(オークション)です。
「コロナ禍にインターネットでの物販の需要が一気に高まり、この2つのサービスも多くの人が利用しやすいようなシステムに進化しました。さらに、昨今は終活の一環として物を手放したいという需要が高まり、50代以上の利用が急増しています」と鈴木さん。
インターネット上での取引を「何だか難しそう」「知らない人とのやり取りは怖い」と感じるかもしれませんが、鈴木さんによると昨今の「メルカリ」「ヤフオク」は、誰でも簡単に、かつ安心・安全に取引できる仕組みになっているといいます。 ここからは「メルカリ」と「ヤフオク」の特徴を詳しく見ていきましょう。
「メルカリ」と「ヤフオク」は何が違う?メリット・デメリットも

「メルカリ」と「ヤフオク」は同じインターネット上の売買サイトである点は共通しています。大きな違いは、「メルカリ」の出品方法は「即決」の1種類なのに対し、「ヤフオク」は「オークション」と「即決(フリマ出品)」の2種類があるという点です。
【メルカリの特徴】
出品されているのは子ども服や日用品、生活雑貨、書籍などカジュアルなものが多め。相場が比較的はっきりしている商品の出品が向いています。相場価格で出品することであっという間に売れてしまうというスピード感が大きな特徴。出品時にはその商品が「売れやすい価格」を提示してくれるなど簡単に取引ができる仕様なので、女性や若者、インターネットでの取引慣れをしていない初心者の参加が多いです。
デメリットとしては、値下げ交渉が多いために想定より安く買われる可能性があります。出品者・購入者ともに初心者が多いため、やり取りがやや煩雑になるケースもあります。
【Yahoo!オークションの特徴】
出品者が商品知識や相場を知らずとも、欲しい人が競り合うオークション形式で落札価格が高騰する場合があります。相場価格がわからないマニアックな商品や限定品のようなレアな商品を出品をする際は、ヤフオクがおすすめです。極端な話ですが、商品価値がわからず1円から出品したとしても、欲しい人が多くいるモノであれば勝手に高騰していくこともあります。
デメリットとしては、オークション期間が決まっているので、取引完了まで時間がかかります。また、オークション開始時の価格を安く設定して入札が伸びない場合、かなり安く落札されてしまうことがあります。
「相場がはっきりしているものは『メルカリ』、昔のものやレアものなど価格が読めないものは『ヤフオク』と使い分けてみるのもいいでしょう」
ボロボロのTシャツが11万円!空き缶が高値になることも
音楽が趣味という鈴木さんは、レアなLPや楽譜などを「ヤフオク」で出品することが多かったそう。これまで売ってきた中で、特に印象に残っているのが「着古したボロボロのTシャツの取引」だと言います。
「今まで多くのコンサートに足を運び、その都度記念に会場でTシャツを購入してきました。クローゼットには着古した大量のTシャツがあり、 家族から冷ややかな目で見られるようになってきたんです。だから仕方なく、ボロボロになった50枚ほどをヤフオクに出してみることにしました」
「ヤフオク」で「ボロボロであること」を商品説明の欄にしっかり強調したうえで出品(送料は別に設定、1円からのオークション出品)したところ……

なんと5日間で64もの入札があり、最終的に11万円で落札されたというのです!
「本当に驚きました。まさに“誰かのゴミは誰かの宝”を象徴する出来事。11万円で売れたと家族に伝えたところ、『焼肉が食べた~い』と言われてみんなで食べに行きました(笑)」 他にも、鈴木さんが高額で取引したというのが、漫画雑誌。「1982年に『アキラ』という漫画の連載が始まった号の『ヤングマガジン』が50万円以上で売れました。購入者は海外のファンの方だったのですが、『ドラゴンボール』や『NARUTO』、『鬼滅の刃』など連載がスタートした号の漫画雑誌は、落札額が数十万円のものもあり、かなり高額で取引されています。漫画に限らず、海外に熱狂的なファンがいるようなモノは、高値がつきやすいのでオススメです」
鈴木さんオススメの人気取引商品
■連載がスタートした号の漫画雑誌

■ビールやジュースなど限定デザインの空き缶

■楽譜
楽譜は廃番になっているものも多く、高値で取り引きされやすいのだそう。
■車のパーツ
車のパーツ(部品)は、どんなパーツであっても欲しい人が必ずいるジャンルです。
不要品を売ったお金で新たな楽しみを体験しよう

インターネットでの取引は「習うより慣れよ」。「最初のうちは小さくて、軽くて、壊れにくいものからスタートし、徐々に出品の幅を広げていくのがおすすめ。10回ほど経験を積めば迷うことなく取引が進められるようになる」と鈴木さんはアドバイスします。
ぜひこの機会にみなさんの家の不要品をチェックしてみてください。今までその価値に気づかなかったお宝が眠っているかもしれません。「メルカリ」「ヤフオク」を利用して身の回りをスッキリさせ、売ったお金で趣味やちょっぴり贅沢なグルメを楽しむなど新たな体験をしてみてはいかが?
■「メルカリ」の詳細がわかる「使い方ガイド」はこちら
■「Yahoo!オークション」の詳細がわかる「使い方ガイド」はこちら
※出品が禁止されているものなど上記の各サイトから詳細を確認のうえ利用してください。
■教えてくれた人
鈴木絢市郎さん
すずき・じゅんいちろう 1969年、横浜生まれ。1999年 300円で購入したビデオソフトが、Yahoo!オークションで20,000円で落札された事がきっかけで、ネット物販を趣味としてスタート。2012年より個人事業主となり、 Yahoo!オークション、eBayなどで、音楽関連商材を中心に国内外にて販売。著書に『終活も断捨離もメルカリ、ヤフオクで! スマホで簡単! 超ビギナーからシニアまで』(WAVE出版刊)、『はじめてのebay輸出スタートガイド』(秀和システム刊)など。