免疫細胞が正常に機能する体温は36.5度以上で、1度上がれば免疫力は5~6倍に、逆に1度下がると免疫力は30%以上下がると言われています。
そこで体温を上げて免疫力を高めるために日常生活で行いたい“ゆるっと温活”を紹介します。ぜひ実践して、風邪やインフルエンザ、“コロナ”に負けない体を目指しましょう!
体温には自律神経が密接に関係しています!
体温が上がると免疫力がアップすると言われていますが、体温や全身に熱を伝える役割を果たす血流をコントロールしているのは自律神経です。つまり、体温を上げて免疫力をアップさせるには自律神経のバランスを整えることも大切です。
免疫力アップのために実践したいのが “ゆるっと温活”。
ポイントは「食事」「運動」「入浴」の3つの日常習慣にあります。
ゆるっと温活「食事編」:朝ごはんは欠かさずに。根菜や発酵食品を積極的に!
寝起きの朝は体温が下がっていますが、朝ごはんを食べるだけで0.3度ほど上がると言われています。朝食を抜きがちな方は、ヨーグルトやバナナなど簡単なものでいいので口にするようにしましょう。
また1日のなかで、体温を上げる食材を摂るよう心掛けるのも大事。
体温を上げる食材
野菜:イモ類、根菜類(大根、にんじんなど)、ショウガ、ネギ、ニンニクなど
果物:りんご、ザクロ、バナナなど
発酵食品:納豆、味噌、ヨーグルトなど
そのほか:温かいココア、紅茶、甘酒など
ゆるっと温活「運動編」:すき間時間に“ゆるスクワット”
筋肉は血液を循環させるポンプの役割をはたしているので、筋肉が増えると血流が良くなって体温が維持されます。
筋肉量をアップさせるのにおすすめなのがスクワットです。
スクワットは太ももやお尻などの下半身の筋肉のほか、胸を張って上体を支えながら行うのでお腹や背中の筋肉も鍛えられ、効率よく筋力をアップさせることができます。
すき間時間に、できれば朝昼晩に10回ずつ、慣れてきたら回数を増やして行いましょう。
“ゆるスクワット”のやり方
1 両足を肩幅に開いて両手をまっすぐ前に伸ばす。
2 背筋を伸ばして、息を吐きながら膝が90度になるまでゆっくりと腰を落とす。
3 息を吸いながら、ゆっくりと1.の姿勢に戻る。
ゆるっと温活「入浴編」:ぬるめのお湯にまずは肩まで5分浸かる
お風呂はシャワーで済ますのではなく、毎日湯舟に浸かるようにしましょう。
入浴は血流を良くして最適な体温を目指せるだけでなく、免疫細胞を活性化させる効果が期待できます。
リラックス効果もあるので、自律神経のバランスを整えるのにも有効です。
理想的な入浴時間は、「夕食の約1時間後」で「就寝の1~2時間前」です。
入浴の仕方
1 39~40度のぬるめのお湯に首まで5分ほど浸かる。長湯が苦手な方は1~2分でも大丈夫。
2 肩まで浸かったら湯船に椅子や洗面器を入れて座るなどして半身浴を10分程度。血流が滞りがちな下半身をじっくりと温める。
ご紹介した3つの“ゆる温活”。いきなり全部を実行するのは難しいので、できることから始めて免疫力アップを目指してください。
監修:小林弘幸さん/順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上の指導に携わる。また、順天堂大学に日本で初めて便秘外来を開設。著書に『腸の名医が30年かけてたどり着いた お腹が弱い人のための30秒腸活』(アスコム)など著書多数。