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歯周病を防いで歯を守る!50代からの正しい歯磨き法

歯周病を防いで歯を守る!50代からの正しい歯磨き法

厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査」によると全年齢層のほぼ2人に1人が歯周病(※)であることがわかりました。歯周病は、歯を失う一番の原因で、予防には毎日の歯磨きで歯垢をしっかり取り除くことが大切。正しい歯磨きの仕方を紹介します。
※4ミリ以上の歯周ポケットがある状態

糖尿病やアルツハイマー型認知症のリスクが高まると言われる歯周病

歯周病は、歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)に細菌の塊であるプラーク(歯垢)が停滞して起こります。
歯周病が進むと細菌が血液中の鉄分を栄養として増殖させ、歯周組織を破壊していくのです。
歯茎が炎症を起こして赤くなったり腫れたりするほか、歯を支える骨などが溶けてグラグラし、最終的には歯を抜かなければいけなくなってしまいます。

また、歯周病の炎症によって出る毒性物質や歯周病菌が歯肉の血管から全身を巡って糖尿病や生活習慣病を引き起こしたり、アルツハイマー型認知症のリスクを高めたりすると指摘されています。

歯を守り、健康を維持するためには歯周病の原因となるプラークをしっかり除去することが大切なのです。

歯ブラシの持ち方は“ペンを持つように”が正解

歯周病予防のためには、まずは正しく歯磨きをしてプラークをしっかり除去することが大切。
理想的な歯ブラシのポイントは以下の通りです。

●植毛が密(3~4列が目安)
●ナイロン毛
●ヘッドは小さめ
●柄がストレート
●硬さは普通か柔らかめ

歯ブラシの毛先がヘッドから飛び出しているとプラークを除去しにくくなるので、「1カ月に1本」を目安に交換するのがよいでしょう。

磨き方ですが、ゴシゴシと大きく歯ブラシを動かすのはNG。力強く磨くと歯茎を傷つけたり歯茎が下がったりする原因にもなります。
歯ブラシは、ペンを持つようにすると余計な力が加わらず、ブラシを細かく動かすことができます。

歯1本につき20秒程度、やさしく小刻みに動かしましょう。

歯ブラシでの磨き方

歯周ポケットに毛先が入るようにして、やさしい力で小刻みに歯ブラシを動かします。
目安は歯1本につき20回。

1.歯周ポケットに毛先が入るように歯ブラシを45度の角度で当てる。

2.やさしく左右に細かく歯ブラシを動かす。

3.歯の裏側はブラシを縦にして歯垢を書き出すようにする。

電動歯ブラシでの磨き方

歯ブラシを使って自分で磨くのは自信がないという方は、電動歯ブラシがおすすめです。
磨き方として、毛先の当て方は電動でも変わりませんが自分でブラシを動かさず、強く押し付けないようにすることが大切です。
口の中を上下左右に4分割して、各箇所30秒を目安に磨きましょう。

歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシで

歯ブラシ・電動歯ブラシでの歯磨きに、デンタルフロスや歯間ブラシを活用すると、歯と歯の間の磨き残しをしっかり取り除けます。
1日1回は歯磨きの後に行うとよいでしょう。

デンタルフロスの使い方

歯と歯の間にゆっくりとデンタルフロスを入れて、デンタルフロスを歯の側面をこするようにしながら上下に動かす。

歯間ブラシの使い方

歯と歯の間にゆっくりと歯間ブラシを直角に入れて前後に動かす。さらに、左右の歯の表面にブラシが当たるように角度を変えて前後に動かす。

歯科医院での定期健診も忘れずに

歯ブラシやデンタルフロスで毎日丁寧にケアしていても、プラークは70%しか除去できないと言われます。

歯と体の健康維持のためには、3カ月に1度を目安に歯科医院で定期健診を受け、しっかりとブラッシングができているかチェックしてもらったり、プラークや歯石の除去などのメンテナンスを行ったりすることをおすすめします。

監修/若林健史さん 歯科医師、医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。89年に東京・代官山で開業、2014年恵比寿に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。

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