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簡単!50代からのお手軽投資生活のススメ どのタイミングが正解初めての優待株、買い方のコツ

簡単!50代からのお手軽投資生活のススメ どのタイミングが正解初めての優待株、買い方のコツ

株といえばチャートとにらめっこして安値を狙うイメージがありますが、優待目的の場合はどうなのでしょうか?株の買い方のコツを専門家に聞きました。

教えてくれたのは……五十嵐修平(いがらし・しゅうへい)さん

IFA法人バリューアドバイザーズ代表取締役社長。2013年に資産運用コンサルティングを専門とする会社を設立。海外視察の際に欧米の手法に感銘を受け、独自のコンサルティング手法を考案。IFA(独立系ファイナンシャ ルアドバイザー)として、お客様目線で価値ある提案を常に心掛けている。著書に『55歳からでも失敗しない投資のルール』(クロスメディア・パブリッシング刊)。

株はいつでも買えるの?買うタイミングとコツ

生まれて初めての株購入。スムーズに株を買うために、まずは【株取引の基本情報】を押さえておきます。

基本1:株の価格は刻々と変動する

証券会社のホームページで銘柄検索を行い、欲しい銘柄の銘柄情報のページを開くと、株の現在値(げんざいね)が大きく表示されます。「よし、この価格で購入しよう」と決めても、銀行口座から証券口座へ資金の振込などをしているうちに、株価が変わっていることも。

「株価は競りのように、売りたい人と買いたい人が価格を出し合って決まります。『この金額で購入したい』と注文を入れることを『買い注文』といいますが、せっかく買い注文を出しても、そのとき自分よりも高値で注文を出している人がたくさんいれば、株価は上昇し、希望価格で買うことができません」

ただ競りと異なるのは、「株価は上がりもすれば下がりもする」ことだと五十嵐先生。

「株取引が行われている間、株価は刻々と変わっていきます。今すぐその値段で購入できなかったとしても、再び株価が下がれば買うことができます」

基本2:株取引ができる時間は決まっている

「株取引を行う時間は証券取引所により決められています。ひとまず多くの銘柄が取引される東京証券取引所の取引時間を覚えておきましょう。東京証券取引所の場合は、年末年始・祝日を除く平日午前9時~午前11時半、午後12時30分~午後3時までです。取引時間は通称、午前を『前場(ぜんば)』、午後を『後場(ごば)』といいます」(五十嵐さん)

なんと! 筆者はネットショップのように株もいつでも好きな時に買えるのだと思っていました。買える時間が限定されているため、特に株初心者は買う時間帯にもちょっとしたコツがあるそう。

「取引時間が決まっていることから、取引が始まって間もない午前9時~10時、取引終了間近となる午後3時前は売買が活発になり、値動きも激しくなりやすいです。特に『買いたい』『売りたい』というエネルギーがたまる朝イチは、一日のうちで取引が最も多くなります。

初心者の場合はこの時間帯を避けた方が、うっかり高値で買ってしまうということも少なくなるので、心に留めておくとよいでしょう」(五十嵐さん)

基本3:決算発表前後は値動きが激しくなる

決算とは企業の業績結果のこと。3月末を本決算とする企業が多く、この場合、前年4月から今年3月末までの業績を集計して、1か月半後の5月頃に決算書を発表します。

「一般的に、本決算発表から3か月に1度のペース(8月頃、11月頃、2月頃)で途中経過を報告する四半期決算が出されますが、株価は決算に大きく影響されます。決算発表日の前後は株価がぶれやすいので、初心者の方は、決算発表日の前後2日くらいは株購入に慎重になった方がいいでしょう」

投資のプロおすすめ!上手な優待株の買い方2つ

株購入の基本を知ったところで、五十嵐さんに優待株の買い方を聞きました。

「中・長期的に株を保有し、株主優待の恩恵を楽しむのが優待株の醍醐味。それゆえ、株の値上がり益を狙って短期間で株を売買するケースとは買い方が異なります。株価チャート(値動きを表したグラフ)を研究することも特にしなくていいでしょう」

たしかに。「今が買いだ!」と叫ぶような株投資のイメージに引っ張られていましたが、優待株投資は、あくまで優待品が目的。値動きに目を光らせなくてもいいのです。

とはいえ、少しでも安い価格で買えればラッキーですよね。そのためにはどうすればよいのか五十嵐さんに聞いてみたところ、上手な買い方を2つ教えてくれました。

その1:焦りは禁物!1か月くらいかけて安くなるのを「気長に待つ」

株の買い注文を出す際は、注文の有効期間を決めることができます。

「現在値よりも安い価格で買い注文を入れて、注文の有効期間を長めに設定しておくという方法がおすすめ。そうすれば株価が下がったタイミングで株を手に入れられる可能性があります。私の場合、優待狙いの銘柄なら注文の有効期間を1か月くらいに設定します。

ただ逆もしかりで、待っているうちに株価が上昇して、買えなくなる可能性もあります。そのためどうしても欲しい優待であれば、現在値で買い注文を出してすぐに購入してもいいかもしれません」

優待を得ることを重視するか、少しでも安く株を手に入れるか、どちらを取るかは自分次第。欲しい銘柄のときほど、いったん冷静になることが必要だそうです。

「人間の心理として『絶対にこれが欲しい』と思うと、焦って行動してしまいがち。株の場合なら、『今買わなければ株価がどんどん上がってしまう』と気が急いてしまうんです。

優待を得るには「権利付き最終日※」までに株を購入していればよいので、欲しい銘柄のときほど、注文を出す前にいったん冷静になって、株価と予算の折り合いがついているか、よく確認してみるといいですね」(五十嵐さん)

※株主名簿に名前が記載され、優待や配当をもらう権利が得られる締め切り日のこと

その2:「権利落ち」「配当落ち」を狙って購入する

銘柄にもよりますが、株主になると「株主優待」と同時に「配当」を受け取ることもできます。配当とは企業から株主に分配される利益のことで、どちらももらうためには「権利付き最終日」に株を持っている必要があります。

「権利付き最終日が過ぎれば、株を売っても優待や配当を得ることができるので、権利付き最終日の翌日(『権利落ち日』『配当落ち日』と言います)は株価が大きく下がる傾向にあります」

そこで、この制度を逆手に取れば安く株を得られるというわけです。

「例えば上記の場合、3/27までに株主であれば配当金を得ることができ、3/28が配当落ち日になります。理論上、配当落ち日は配当金と同じだけ株価が下がるといわれています」

優待と配当の権利付き最終日は、証券会社の銘柄ページに掲載されています。もしも10円高く株を購入したとしても100株なら差額は1000円。この額なら多少高くても早く優待をもらうことを優先した方がいいのか、優待をもらうことを先延ばしにしても権利落ちや配当落ちをじっと待つべきか……。

悩ましいところですが、焦りは禁物!何事もゆとりが大切と肝に銘じましょう。

※掲載の株価情報は2023年11月時点のものです。投資に関する決定はご自身の判断と責任のもとに行っていただきますよう、お願いいたします。

記事提供/ハルメク365

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