「自然のなかで心身ともにリフレッシュしたい」「自分で釣った新鮮な魚を食べてみたい」、そんな動機で釣りを趣味にしたいと思っている“潜在的釣り人”は多いのではないでしょうか。でも、その一方で「何から始めたらいいかわからない」「お金が無尽蔵にかかりそうで怖い」などの理由で二の足を踏んでいる人もいるようです。 そこで本記事ではYouTube、Instagramなどを通じて釣りに関する情報発信をしている「なるフィッシュさん」に釣りを始めるためのおおまかな費用、注意点、初心者向けのおすすめの釣り場などについて話をうかがいました。
3000円前後で気軽に始められるのが釣りの魅力

続くかどうかわからない趣味に多額のお金をかけるのは、大きなリスクでしょう。「やっぱり自分には向いていなかった」と思ったら、ちょっとした散財になってしまいます。
でも、安心してください。確かに釣りは、お金をかけようと思えばいくらでもかけられる趣味ではあるものの、ジャンルを選べば少ない費用で十分に楽しめるのです。
おすすめしたいのは、ハゼ、タナゴ、モツゴなどの小魚をターゲットにした「小物釣り」です。必要な道具も少ないため、低予算からスタートすることができます。小物釣りにかかるおおまかな費用は、以下の通りです。
延べ竿:1,500円程度
仕掛け:300円程度
水汲みバケツ:1,000円程度
エサ代:500円程度
合計:3,300円程度
なかでも川や海に生息するハゼは、「海が家から遠くても近くの川で手軽に狙える」「道具を安価でそろえられる」、そして何より「食べておいしい」といった理由で初心者には非常に魅力的な魚と言えます。 淡白で上品なハゼの天ぷらは、高級料亭の定番のキスの味に似ていて、白身魚の上品な旨味があって非常に美味しいですよ。

ハゼは積極的にエサを捕食する魚なので、とにかくアタリ(魚からの反応)の数が多いのが特徴です。ただ、エサに食いついた瞬間にうまくアワセ(竿をあおること)を入れないと、針掛かりせずにエサだけ取られてしまいます。 このタイミングが非常にシビアで、一筋縄では釣れない魚なんですが、何度もアタックしてくるので挑戦回数を重ねることで針掛かりのタイミングを短期間でつかめるようになるはずです。
小物釣りに慣れたら徐々にグレードアップしよう

体長に合わせて呼び名が変わり、30cm以下は「セイゴ」、30~60cmを「フッコ」、
60cm以上を「スズキ」といいます
「小物釣り」で感覚をつかんだら、「ライトゲーム」、「バス釣り・シーバス釣り」といった具合にグレードをあげていってはいかがでしょう?
「ライトゲーム」とは、小型のルアーを使い、カサゴやメバルなど30cm程度までの魚を狙う釣りのことをいいます。
「バス釣り・シーバス釣り」は、釣れる魚のサイズが大きいため、プライヤー(魚の口に掛かった針をつかんで外す道具)、フィッシュグリップ(歯やトゲの鋭い魚をつかむための道具)などの道具が必要になり、ロッド(釣り竿)やリールの値段も上がります。
各ジャンルにかかるおおまかな費用は以下の通り。
●ライトゲーム
ロッド:5,000円程度
リール:5,000円程度
ルアー:3,000円程度
プライヤー:3,000円程度
ライフジャケット:5,000円程度
合計:18,000円程度
●バス釣り・シーバス釣り
ロッド:8,000円程度
リール:7,000円程度
ルアー:5,000円程度
フィッシュグリップ:5,000円程度
プライヤー:3,000円程度
ライフジャケット:5,000円程度
タモ:7,000円程度
合計:40,000円程度
「バス釣り・シーバス釣り」あたりから世間的な「釣りはお金がかかる」というイメージが当てはまるのかもしれません。ただ、道具は一度そろえてしまえば追加で必要なものは消耗品だけとなるため、工夫をすれば安価に楽しむことができます。
ちなみに釣り船に乗って海の沖合で釣りをする「船釣り」は、10,000円~15,000円程度の乗船料がかかるため、釣りのなかではさらにお金のかかるジャンルです。 とはいえ、魚がいるところまで船を移動してくれたり、おかっぱり(岸辺)では出会えないサイズの魚と出会えたりすることもあるので、釣りの魅力を知りたい人にはぜひとも挑戦してもらいたいと思います。
釣りの魅力は人との出会い、魚との出会い

続いて、釣りを趣味にすることの魅力について、「ひとりですぐにはじめられて、仲間もできる」「自分で釣った新鮮な魚を食べる楽しみ」という2つの観点から語ってみましょう。
ひとりではじめられて、仲間もできる
友人・知人に釣りの上級者がいて、一緒に釣り場に連れていってもらい、釣りのノウハウを教わる、というのが釣りの魅力を知る近道なのかもしれませんが、実はそんな人がいなくても釣りは簡単にはじめられます。
かつてInstagramを通じて1000人前後の人にアンケートをとったことがあるんですが(結果は下記円グラフ参照)、「釣りに行くときは一人で行く」という人が56%でした。釣りという趣味は、知識や経験がものをいいます。自分よりレベルが低い初心者と釣りに行くのを「おもしろくない」と感じる人が少なからずいるのは確かなのかもしれません。

その一方で、最近では、YouTubeやSNSなどを通じて初心者向けの情報を発信している人は多いので、初心者にとってはじめやすい環境が整っています。
それに加えて、釣り場で「初心者なんですけど、どうやったら釣れますか?」と聞けば、たいていの人が親切に教えてくれることが多いです。同じアンケートでは、「釣りで知り合いができたことがある」と答えた人は74%もいました。
私自身、まわりの人はバンバンと釣っているのに自分の竿だけピクリともしないなんて状況のとき、頭を垂れて教えを乞うたことが数限りなくあります。もちろん、前のめりで教えてくれる人が多かったですし、そんな出会いから「今の季節、この場所でこんな魚が釣れるよ」という情報をやりとりしたりする仲間づくりにもつながっていきました。
自分で釣った新鮮な魚を味わう喜び

釣りの楽しみのなかで欠かせないのが、自分で釣った新鮮な魚を食べられるということでしょう。
例えば、タチウオ。スーパーの鮮魚売り場を見渡しても、タチウオの刺身を見かけることはほとんどありません。その理由は、鮮度が落ちるのが非常に速いためなんですが、自分で釣ったタチウオならその日のうちに調理できるので、刺身はもちろん、定番の炙り刺しや塩焼き、それから内臓ごと2週間塩漬けにした料理など、さまざまな味わいを楽しむことができます。

参考として、食べておいしい魚を以下にまとめてみました。

※「サビキ」とは、撒き餌で魚を寄せ、エサに似せた疑似バリ(サビキ針)を複数つけた仕掛けで小型回遊魚を狙う釣り方のこと。
さて、週末が近づいてくると「早く釣り場に出かけたい」とウズウズするようになったらもう、あなたは初心者ではなくて立派な「釣り人」です。豊かで充実したフィッシングライフをお過ごしください。
話を聞いた人 なるフィッシュさん
SNS総フォロワー数4万人の釣り情報メディア「釣りの知恵袋」なるフィッシュの管理人で、Yahoo!ニュースエキスパートとしてYahoo!ニュース等で釣りに関する情報を発信するWEBライター。2020年から釣りに関するアイテムや今までに得た釣りのノウハウ、1,000種類以上の釣具を試してきた経験から釣りに役立つ情報を発信中。
※本文内の写真は「なるフィッシュさん」提供


