春から初夏にかけて、スーパーの野菜売り場に並ぶ「新じゃが(新じゃがいも)」。小ぶりで皮が薄く、みずみずしい見た目に季節感を感じる人も多いのではないでしょうか。実は新じゃがは、普通のじゃがいもとは収穫時期も食感も大きく異なります。さらに、旬ならではのおいしさや栄養もたっぷり。新じゃがの特徴から選び方、調理法まで、新じゃがの魅力をたっぷりご紹介します。
新じゃがってどんな食材?意外と知らない基礎知識

新じゃがとは、収穫後すぐに出荷される若いじゃがいものことです。
普通のじゃがいもは、収穫後に一定期間保存・熟成されてから出荷されます。一方、新じゃがは葉や茎がまだ青い状態で早めに収穫されるため、水分量が多く、とてもみずみずしいのが特徴です。
今では春の定番となった新じゃがですが、実は全国的に広まったのは戦後の流通の発展以降。かつては流通や保存技術が未熟だったため、春先に出回る掘りたての新じゃがは“待ちに待った旬の味”として特に重宝されていたようです。
新じゃがの旬はいつ?
新じゃがの旬は一般的に、5月から6月頃です。
九州地方では冬に植え付け、春から初夏にかけて収穫されるため、3月頃から店頭に並び始めます。特に長崎県や鹿児島県は代表的な産地として知られています。
一方、北海道では春に植え付けて秋に収穫するため、秋に出回る新じゃがもあります。「新じゃが=春」というイメージがありますが、地域によって旬の時期が異なるのも面白いところです。
新じゃがは栄養も豊富!
じゃがいもには、カリウム、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンCなどが含まれています。ヨーロッパでは「大地のリンゴ」と呼ばれるほど栄養豊富です。栄養素のなかで、特に注目したいのがビタミンC。じゃがいもというと炭水化物のイメージがありますが、実はビタミンCを豊富に含む野菜でもあります。
しかも、じゃがいものビタミンCはデンプンに守られているため、加熱しても壊れにくいという特徴があります。煮たり蒸したりしても栄養を比較的しっかり摂れるのはうれしいポイントです。
さらに、新じゃがの特徴としては、皮ごと食べやすいため、皮付近に含まれる栄養が無駄なく摂りやすくなるという魅力があります。
新じゃがを皮付きでおいしく食べるコツ

新じゃがの魅力を最大限楽しむなら、ぜひ皮付きで味わってみましょう。ただし、土が残りやすいため、しっかり洗うことが大切です。
おすすめは、ボウルに水を張って新じゃがをつける方法。土がやわらかくなり、汚れが落ちやすくなります。その後、水を2〜3回替えながらこすり洗いして、水が濁らなくなったら調理OKのサインです。
皮が薄いため、強くこすりすぎないのもポイント。気になる部分だけ軽く包丁で削る程度で十分です。
おいしい新じゃがの選び方

スーパーで新じゃがを選ぶときは、次のポイントをチェックしましょう。
①丸くて重みがあるもの
味のよい新じゃがは、ふっくらと丸みがあって、持ったときにずっしり重いです。栄養と水分をしっかり含んでいるためです。
小ぶりでもハリがあり、みずみずしく見えるものを選ぶと失敗が少なくなります。逆に大きすぎるサイズのものは、中が空洞になっていたりするものもあるので避けたほうがよいでしょう。
②皮がなめらかなもの
皮にしわや傷が少なく、つるっとしたものがおすすめです。新じゃがの皮は、手でこするだけでむけてしまうほど薄いですが、それは新鮮であることの証しです。
③芽が出ていないもの
芽が出ていたり、皮が緑色になっているものは避けましょう。芽が伸びたり、光に当たったりすると、ソラニンやチャコニンといった「有害な成分」が増え、食中毒を引き起こす原因になる場合があります。
新じゃがは、調理法によってさまざまな食感が楽しめます。次からは定番メニューとともにその特徴を紹介します。
食べ方1:本来の甘みや香りを味わうなら「茹でる・蒸す」
新じゃが本来の甘みや香りを味わうなら、シンプル調理が一番です。茹でる場合は、皮付きのまま水からじっくり加熱するのがポイント。急激に火を入れるより、ゆっくり火を通したほうが、中心まで均一に柔らかくなります。
一方、蒸す調理は水っぽくなりにくく、じゃがいも本来の風味をしっかり感じられるのが特徴。電子レンジでも手軽に作れますが、せいろや蒸し器を使うと香りがより豊かになります。
レンジで5分!簡単新じゃがバター
「新じゃがバター」は、まず試したい定番メニューです。アツアツの新じゃがにバターをのせるだけで、旬のおいしさを存分に味わえます。
●新じゃがバター

【材料】(作りやすい量)
- 新じゃが(小〜中サイズ):2個
- バター:20g
- 塩・粗びき黒こしょう:お好みで
【作り方】
- 新じゃがはよく洗い、軽く水気を切って皮付きのまま十字に深く切り込みを入れる。
- 1個ずつラップでふんわり包み、電子レンジ(600W)で竹串が通るまで約5分加熱する。
- ラップを外し、熱いうちに切り込みへバターをのせ、お好みで塩・黒こしょうを振る。
皮付きのまま調理することで、香りや甘みがより引き立ちます。茹でる場合は、洗った皮付きの新じゃがを水から火にかけて、沸騰してから約10〜15分が目安です(サイズが大きいものは20分程度)。茹でた新じゃがは、全体に均一に火が通り、しっとりとした食感になります。
食べ方2:「揚げる」で外はカリッと、中はしっとり仕上げる
新じゃがは皮が薄くやわらかいため、皮ごと揚げることで香ばしさが際立ちます。
普通のじゃがいもより水分が多いため、揚げると外側はカリッと、中はしっとりした独特の食感になります。特に皮の部分は、揚げることでパリッと軽い食感になり、香りもぐっと引き立ちます。
香ばしさが絶品!皮付き新じゃがフライドポテト
おすすめは、何と言ってもビールによく合う定番メニュー「新じゃがのフライドポテト」です。油跳ねを防ぎ、カリッと仕上げるために、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取り、140〜150℃の低温の油でじっくり火を通すのがコツです。
●新じゃがのフライドポテト

【材料】(作りやすい量)
- 新じゃが(小〜中サイズ):5個
- 揚げ油:適量
- 塩、粗びき黒こしょう、カレー粉、ガーリックパウダー、パセリなど:お好みで
【作り方】
1.新じゃがをよく洗い、水気を拭いてから皮付きのまま、短冊切りやくし形切りなど食べやすい大きさに切る。小粒なものは丸ごとでOK。
2. フライパンに少し多めに油を入れ、水気を切った新じゃがを入れて、弱めの中火で揚げ焼きする。
3.焼き色がつくように、ときどき転がしながら10分ほど焼いて、全体に火が通ったら少し火を強めて2度揚げの要領で皮がカリっとするまで揚げる。
4. キッチンペーパーなどに取って余分な油を落とし、塩や粗びき黒こしょう、カレー粉、ガーリックパウダー、パセリなど、お好みの調味料をふる。
低温からじっくり揚げると甘みが増し、最後に高温で仕上げることでカリッと感がアップします。短冊切りやくし形切りにする場合は、片栗粉と薄力粉をまぶしてから揚げるとサクッと仕上がり、カレー粉などのシーズニング(粉末調味料)がなじみやすくなります。
食べ方3:「炒める」ことで香ばしさとシャキシャキ感が楽しめる
新じゃがは炒め物にすると、普通のじゃがいもの「ホクホク感」とは一味違う特有のみずみずしさとほどよい歯ごたえを楽しめます。形を保ったままニンニクやオイルなどの濃厚な味をしっかりと絡められるのが一番の魅力です。
シャキシャキ食感を楽しむガーリック炒め
ソーセージと合わせた「ガーリック炒め」は、おいしい香りで箸が進む一品です。
●新じゃがのガーリック炒め

【材料】(作りやすい量)
- 新じゃが(小~中サイズ):4〜5個
- ソーセージ:3〜4本
- オリーブオイル:大さじ1〜2
- ローズマリー(生または乾燥):適量
- にんにく:1片(お好みで)
- 塩・粗びき黒こしょう:お好みで
- パセリ:少々
【作り方】
1.よく洗った新じゃが(大きければくし形切りにする)を電子レンジ(600W)で約2分加熱し、やわらかくしておく。
2.フライパンにオリーブオイルとにんにくとローズマリーを入れて弱火で香りを出す。
3.ソーセージを焼き、新じゃがを加える。
4.新じゃがの表面にこんがり焼き色がついたら塩・粗びき黒こしょうで味付けし、パセリを添える。
最初に電子レンジで完全に火を通しすぎると炒めるときに崩れるので、7~8割の火の通りくらいでフライパンに移すとシャキシャキ感が楽しめます。
旬の新じゃがを思いきり楽しみましょう!
みずみずしく、皮までおいしい新じゃがは、この季節だけの特別なおいしさ。シンプルに蒸すだけでも、炒めても揚げても、それぞれ違った魅力を楽しめます。さらに、皮ごと食べられるからこそ、旬ならではの香りや食感も味わえます。
店頭で見かけたら、ぜひ“今だけのおいしさ”を食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。


