電気代の高騰が続く現在。家電ライターで、あらゆる家電を実際に使い数値などを分析・比較、さまざまな媒体で家電に関する情報を発信している「Mr.家電」藤山哲人さんに、今買い換えるべき省エネ家電を紹介していただきます。
藤山哲人さん/1967年生まれ。「家電Watch」「DIME」など多数の媒体で執筆。あらゆる家電を使い込んで比較する技術系家電ライター。「家電おじさん」「体当たり家電ライター」の異名を持つ。TBS系列バラエティ番組「マツコの知らない世界」には6回出演。
[エアコン]
真夏の買い替えはできないことも。まずは今すぐ冷房の試運転を!
2013年は省エネブームにより「白物家電」といわれる、エアコンや冷蔵庫などがよく売れました。家電の寿命は10年といわれており、今年あたり家電の調子が悪くなるご家庭も多いのでは。エアコンは暑くなってから故障に気づいても、設置工事まで1カ月以上かかることもあり、猛暑を冷房無しで過ごすといった悲惨な事態に陥りかねません。
そのため、冷房運転に切り替える時期が来る前の5月中には試運転をして、冷房モードできちんと冷たい風が出てくるか確認しましょう。
暖房が正常に使えていたからと安心してはダメ。エアコンの室外機には四方弁といって冷房と暖房を切り替えるバルブがあります。冬、暖房モードで使用していた後にこの四方弁がサビて動かなくなり、冷房モードにしても暖かい風が出てきたり送風にしかならなかったりすることがあるからです。
試運転の方法ですが、冷房モードの最低温度に設定して10分くらい運転し冷風が出るかをチェックしてください。冷たい空気が出ない、部屋が涼しくならない場合は故障が疑われるので、買い替える必要があります。
[エアコン]
オススメは6年連続省エネNo.1※の三菱電機「霧ヶ峰 FZシリーズ」
省エネエアコンのNo.1は三菱電機「霧ヶ峰 FZシリーズ」です。
※国内家庭用エアコン、2019~2024年度、4.0~9.0kWの各クラスにおける、FZシリーズ。2024年度:期間消費電力量MSZ-FZ4024S:1,022kWh、MSZ-FZ5624S:1,605kWh、MSZ-FZ6324S:1,833kWh、MSZ-FZ7124S:2,202kWh、MSZ-FZ8024S:2,609kWh、MSZ-FZ9024S:3,040kWh。2024年3月1日現在。
そもそも三菱電機は新幹線などの電車、電気自動車などのモーターを動かすための半導体の技術が世界でトップクラスなんです。具体的にはSiC半導体(Si=シリコン、C=カーボン)といって、パワフルかつ熱エネルギーを放出しない半導体をエアコンにも搭載し、No.1の省エネを実現しています。
2つのファンで違う温度の気流を送るから、暑がりさんも寒がりさんも快適
さらに「霧ヶ峰」のなかでも「FZシリーズ」は「ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)」というA.Iを搭載し、室温の変化を予測して自動で運転の強さを調整。夏の「冷やしすぎ」も自動で抑制してくれるので省エネ効果が高いのです。さらに、2つのファンでそれぞれ違う温度の気流をつくり、「寒い」と思っている人には弱い風を、「暑い」と思っている人には強い風をと、それぞれに使い分けるなどして効率的に快適さを維持します。
エアコンで6年連続省エネNo.1の三菱電機「霧ヶ峰FZシリーズ」
ラインナップ/14畳、18畳、20畳、23畳、26畳、29畳
価格/オープン価格
https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/kirigamine/product/2024_fz/index.html
[冷蔵庫]
省エネなら日立!食材の管理をサポートするアプリでフードロス対策も
冷蔵庫の外側の鉄板と庫内のプラスチックの間には断熱材が入っています。以前はウレタンなどが使用されていましたが、10年ほど前に真空断熱材が普及するようになってからは、より外気が伝わりにくく庫内の冷気が逃げにくくなっているので、10年前の冷蔵庫に比べて消費電力が約4割ほど軽減されています。
日立の冷蔵庫の断熱材は性能が高く消費電力が少ないうえに非常に薄く、庫内が大きくて容量が大きいのが特長です。
流動性のよい発泡ウレタンと、断熱効率の高い真空断熱材を組み合わせることで、断熱性能を保ちながら薄壁化しているので、本体幅はそのままで、大容量化を実現しています。容量が大きいと庫内の物を探しやすく開放時間を短縮できるので省エネに。また安売りの日にまとめ買いをしても安心で、食費の節約にも役立ちます。
野菜室や冷凍・冷蔵室など、庫内の部屋ごとの写真を撮影し登録しておける「日立冷蔵庫コンシェルジュアプリ」では、外出先などで食材をチェックすることができます。例えばスーパーで「あれ?牛乳あったかな?」と思ったらすぐにスマホで確認ができて便利。買い忘れや買いすぎを防げ、食材を探すためのドアの開閉回数を減らせます。
大容量かつ、コンシェルジュアプリで外出先から庫内を確認できる日立「R-HXCC54V」。
ラインナップ/ライトゴールド(XN)、クリスタルミラー(X)
価格/オープン価格
https://kadenfan.hitachi.co.jp/rei/lineup/rhxcc54v
[洗濯機]
ドラム式洗濯機ならパナソニック一択!
洗濯機は縦型よりも乾燥がしっかり行えるドラム式洗濯機が人気ですが、買い換えるならパナソニック一択、と断言できます。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機の機内には熱交換器があり、そこで湿った空気を除湿し乾いた熱風で乾燥させています。熱交換器にはフィルターがついていますが、繊維が少しずつフィルターを通り抜けるため、一般的には各家庭で手入れをしないと、次第に熱交換器に繊維がつまり、除湿と乾燥の機能が低下してしまいます。修理が必要となった場合は4万円ほどかかることもあります。
一方、パナソニックのドラム式乾燥機の熱交換器は、使う度に水洗いをしてホコリを取る自動洗浄機能が付いています。熱交換器に張り付いた繊維を自動で取り除いてくれるので、乾燥機能の低下を防ぐことができます。パナソニックのドラム式乾燥機なら、熱交換器の修理の心配が少なく、長く安心して使うことができます。
また、電気代もお得で他社の標準モードで乾燥をした場合の1回の電気代は40円台が多いのですが、パナソニックの例えば「LXシリーズ」の「省エネコース」で乾燥をした場合は約20円と安く、省エネにもなります。
※電力料金目安単価31円/kWh(税込)[家電公取協調べ。2022年7月改定]で計算。時間、電気代、水道代は目安であり、衣類の状況と使用環境により増減します。
大容量で省エネ&スピーディーが特長のパナソニック「LXシリーズ」
ラインナップ/LX129C・ LX127C・ LX125C・ LX113C
価格/オープン価格
https://panasonic.jp/wash/feature/LX/heatpump.html
欲しかったマッサージチェアが補強床なしで手軽に買える!フジ医療器の「SYNCA(シンカ)」
「省エネ」とは少し離れますが、50代以上ならマッサージ機に興味をお持ちの方も多いと思います。これまでマッサージ機は高額でしかも強化床にする必要があるほど重いものが一般的でした。しかし、マッサージチェアの老舗中の老舗である「フジ医療器」の新製品「SYNCA(シンカ) CirC GRACE マッサージチェア L24 MR380」は、税込178,000円で、重さは約60キロ。マッサージチェアとしてはかなりのお手頃価格で“床の心配”もありません。
まるで水に浮いているように全身がリラックスした体勢までリクライニングでき、首からお尻までソフトもみ玉が心地良くもんでくれます。腰回りからふくらはぎは包み込むようにエアーマッサージをしてくれるなど機能も充実。電気代は1日30分利用した場合で月額37円。
マッサージチェアの買い替えや購入をお考えの方には、ぜひおすすめです。
本格的なもみ心地でありながらお手頃価格のフジ医療器「SYNCA(シンカ) CirC GRACE マッサージチェア L24 MR380」
ラインナップ/ベージュ×ベージュ(CC)、ブラック(BK)
価格/178,000円(税込)
https://www.synca-wellness.jp/products/mr380
6月の電気代値上がりに備え家電買い替えの検討を
2024年6月以降の一般家庭の電気料金(5月使用分)は、政府による補助政策「激変緩和措置」の縮小と「再エネ賦課金」の値上がりを大きな要因とし、前月の5月と比較して月に1200円ほどの値上がりが予想されています。長く使用している家電がある場合、家電は省エネ仕様のものに買い替えるのがおススメです。