
「1日1麺」を毎日欠かさず実践し、現在まで20,000食以上のインスタントラーメンを食べ続けているラーメンマニアの大和イチロウさんに、全国のご当地袋麺のなかからベスト10を選んでいただきました。果たして、結果は⁉
大和イチロウさんプロフィール

インスタント麺専門店「やかん亭」代表、食文化研究科、元鍼灸師。高校生の頃、KAWASAKIのバイク「GPZ400」に乗って通学中に大事故に合い、記憶喪失に。食と記憶の関連に期待した担当医の判断により、幼少期から大好物のインスタントラーメンを毎日食べたところ記憶が徐々に回復。以来、「1日1麺」習慣を実践。インスタントラーメンマニアとして『マツコの知らない世界』に3度出演。代表を務める「やかん亭」は、大和さんが足と舌で全国から集めたご当地袋麺など約300種類以上を扱う、インスタントラーメンの専門店です。



やかん亭 さくら大阪総本店
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋5-17-20
電話:06-6644-9001
営業時間:11時~19時 休:木曜
日本全国ご当地袋麺!ベスト10位~1位を発表!
旅先や出張先では地元のスーパーや道の駅を巡り、日々、ご当地袋麺の探求に余念のない大和イチロウさんに、絶品ご当地麺ベスト10を伺いました!
第10位:「ホンコンやきそば」S&B

昭和39年(1964)に発売された、エスビー食品さんで唯一のインスタント麺。当初は全国発売でしたが、現在は北海道と宮城県、大分県の一部での限定販売です。北海道ではコンビニでも取り扱われているほどメジャーな商品ですね。ちなみに、全国発売から、一部の地域でのみ圧倒的に人気があり地域限定販売となるのは、ご当地麺あるあるです。
フライパンに200mlの水を入れて沸かし、沸騰したら水分がなくなるまで麺を炒めて完成。別添のかやく(ごまと青のり)をかけてシンプルに食べるのが、この商品のいちばんおいしい食べ方です。
麺は、煮干しやカツオエキスなどとともに、ウスターソースをしみ込ませた味つけ油麺なんですが、このウスターソースのスパイシー感は、スパイスメーカーさんならでは!香辛料の特徴が見事に生かされています。
価格:115円(税別)
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第9位:「利尻昆布ラーメン塩」利尻漁業協同組合

北海道の北・利尻島からやってきた地元の漁協が放つ旨味MAXのラーメンです。
麺に練りこんだ昆布、スープに使用する昆布、付属のとろろ昆布と、すべてに高級な利尻昆布を贅沢に使用。食べているあいだも、利尻昆布の旨味が染み出てきます。
味つけは、昆布の旨味が一番わかる、ごまかしの効かない塩味です。
残った出汁は追いメシでおじやにすると最後の一滴まで楽しめる一杯です!
価格:310円(税別)
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第8位:「エアポートラーメン 江戸前しょうゆ味」小笠原製粉

羽田空港の方から、空港の自販機で何か面白いものを発売できないかと、やかん亭にお声掛けいただいてできたのがこの羽田空港の自販機限定ラーメンです。
麺は愛知県・小笠原製粉さんのキリマルシリーズのものを使っています。小笠原製粉さんは、もともとお子さんに食べてほしいという願いがあり、麺には豆乳と米粉が練りこまれています。スープは豚ガラ醤油のスープですが、麺に合ってとっても優しく、どこが懐かしい味わいです。
少し脱線しますが、インスタント麺は昭和30年代から始まる高度成長期に発展しました。当時は24時間営業のコンビニはなく、夜中も働いている工場の方たちの夜食として、お湯を入れるだけでできあがるインスタント麺が注目され、高度経済成長を支える工場の近くにはインスタント麺の製作所が多く生まれました。トヨタ自動車のお膝元にある小笠原製粉もそのひとつです。
価格:260円(税別)
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第7位:「オホーツクの塩ラーメン」みなみかわ製麺

北海道北部、オホーツク海に面した地にあるみなみかわ製麺さん。 “地元のものを使いたい”という想いから、使用する塩は自家製塩。海と山の養分をしっかりと含んだ汽水湖・サロマ湖の水を汲み、3日間焚き上げています。麺は、生麺から3日間熟成乾燥。トータルで1週間ほどかけて完成する、手作りの塩ラーメンです。
みなみかわ製麺さんは、夏でもストーブが必要なくらい寒い地域にあります。厳しい環境のなかで作られる、唯一無二のラーメンです。
価格:403円(税抜)
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第6位:「特製味噌」山岡家

山岡家さんは、全国177店舗、全て直営で運営しているラーメンチェーン店で、店舗ごとに作る濃厚豚骨スープが特徴。この袋麺は現会長の“山岡家の味を袋麺で作りたい”というこだわりが詰まっています。
袋麺は、茹で時間が5分を超えると売れないと言われていますが、こちらの茹で時間は、なんと8分!しっかりした太麺は、味もコシもまさにお店の味。パンチの強いストロングタイプの豚骨スープもしっかり再現されていて、ごはんに合う濃厚さです。
再現性を追求した結果、今までの袋麺の常識を覆す逸品が完成!醤油味もありますが、私が推したいのはこの「特製味噌」です。
410円(税別)
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第5位:「京の和風だしカレーら~めん」味味香

カレーラーメンというと大手のカップ麺が一強で、業界では大手に太刀打ちはできないと言われてきたんですが……。今年くらいから、だしの旨味やスパイシーさが複雑に絡んだインスタント麺が人気になってきています。
中でも一押しなのが、味味香さんの「京の和風だしカレーら~めん」。鰹節と昆布で取ったまろやかな京風出汁の旨味と、独自にブレンドされたスパイスが共存。それぞれの風味が口の中で心地よく持続します。
チーズやバターを入れると、また旨い!発酵食品との相性が良く、やかん亭のお客様にアンケートを取ったところ、ヨーグルトやキムチや納豆を入れるというお声もありました。
価格:371円(税別)
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第4位:「マヨら~めん」フェイスウィン

大阪土産の人気商品「マヨおかき」の社長の“世界に存在しないマヨネーズ味のラーメンを作ろう!”というひと言をきっかけに作った、「マヨおかき」とやかん亭のコラボ商品。
実は商品化にはとても苦労し、これまでマヨネーズ味のラーメンが世界に存在していなかった理由がわかったくらいです笑。
インスタント麺の揚げ麺は、パーム油で揚げることが多いのですがパーム油とマヨネーズの相性が悪い……。試行錯誤を重ね、全国で1軒だけ作っている黒豚ラードで揚げた麺がマヨネーズの酸味と卵のコクのバランスを整えてくれることがわかり、101回目の試作でやっと味が決まりました。マヨネーズの卵感と豚骨スープの旨味のバランスが絶妙で、リピーターも多い商品です。
価格:420円(税別)
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第3位:「鳥中華」みうら食品


山形県のお蕎麦屋さんのまかないメニューから生まれた、地元の方たちに愛される和風中華そば。お蕎麦屋さんのそば汁をベースに鶏の旨味をプラスした深みのあるスープに、中太のストレート麺がよく絡みます。甘めの味つけがどこか懐かしさを感じる味わいです。
地元では天かすや天ぷらを乗せて食べる方も多いラーメン。エビ天やとり天など、お好みの天ぷらを乗せて、御馳走気分で味わうのがおすすめです。
価格:370円(税別)
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第2位:「ラーメン仮面チキトン」長尾製麺


福岡県うきは市にある長尾製麺さんは、約200年の歴史を誇る製麺所。その老舗製麺所の7代目が自ら手延べで作るストレートの細麺は、私が37年間インスタント麺を食べてきた中でも間違いなくトップクラスのおいしさ!ぷりっとした食感で、噛むごとに小麦の香りが広がります。鶏ガラと豚ガラを合わせた塩とんこつ味のスープはコクと旨味がありつつ、臭みがなくて麺の小麦の香りを邪魔しない軽やかさもあります。あっさり食べられるのに、しっかりとした満足感も。
おしゃれなパッケージは、7代目が自らデザインされたものです。
価格:350円(税別)
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第1位:「稲庭中華そば」佐藤養悦本舗


第1位は、秋田県湯沢市にある佐藤養悦本舗さんの「稲庭中華そば」です。湯沢市は約350年の歴史を誇る稲庭うどんの発祥地。稲庭うどんは、干すことによって旨味と独特の食感が生まれます。その製法を中華麺に生かしたのが「稲庭中華そば」です。
生麺では決して真似ができない独特のおいしさとコシ、伸びが感じられます。麺に使うのはブレンドにもこだわった国産小麦100%。長めでつるっとしたこの麺に合わせるのは、秋田県産の比内地鶏と魚介を使ったベースに、地元の醤油を合わせたスープです。
パッケージ写真にチャーシューやネギなどが乗っておらず、麺とスープのみの素ラーメンなところに、佐藤養悦本舗さんの本気と自信が感じられます。醤油ラーメン好きの方はぜひ!
価格:650円(2食入り、税別)
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一度は食べたい袋麺10選、いかがでしたでしょうか。
50代以上の男性の場合、袋麺はカロリーや塩分が気になって控えているという方もいらっしゃると思います。
でも、袋麺の多くはスープを飲み干しても1袋300㎉ほど。スープを半分残せばだいたいおにぎり1個分ほどのカロリーです。
塩分が気になる場合は、別の1食で味噌汁を1杯控えるなど塩分の多い食品を摂らないようにするとか、塩分を排出しやすい作用のあるほうれん草やアボカド、納豆などカリウムを多く含む食品をプラスするなどすれば、栄養バランスの乱れを気にする必要はそれほどないと思います。
ご自身の体調などに合わせて食べ方を調整しながら、全国にあるおいしい袋麺をぜひ楽しんでみてください!