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退職金を運用したい!頼りになる相談先IFAとは?

退職金を運用したい!頼りになる相談先IFAとは?

定年を見すえた50代60代からの投資の方法を、シニア投資コンサルタントの西崎努さんに伺う連続企画。今回は「退職金などのまとまったお金の運用方法」。まとまったお金の資金運用の相談先として西崎さんがおすすめするIFAについて詳しく伺います。

「お金がある人」へのフェアな情報が極端に少ない!

退職金などを手にする50~60代の方が、特に注意しなければならないのは「まとまった資産がある人の安定運用に関する情報は手に入りにくく、比較検討が難しい」ということです。

その反面、まだ若く、これから資産を作っていく人向けの情報は、メディアにあふれています。
「今はこれが儲かる」「これから買いの株の銘柄」といった、投資の仕方や商品の良し悪しに関する情報が、多方面からさまざまな視点で公開されているのを目にしたことがあるでしょう。これらのほとんどは、いわゆるマス層(金融資産3000万円未満)を対象とした情報です。
しかし、アッパーマス層(金融資産3000万以上5000万円未満)、準富裕層(5000万円以上1億円未満)になると母数がかなり減り、富裕層(1億円以上5億円未満)になるとさらに少なくなります。超富裕層(5億円以上)向けとなると一般的には非公開な情報がほとんどです。

一方で金融機関の本支店では、主に準富裕層から富裕層を対象に金融サービスを展開しています。
つまり、退職金などを受け取り、まとまったお金のある50代・60代以降の方への情報は、金融機関からの発信が中心で、第三者的な情報がほとんどありません。そのため、相談相手も金融機関が中心となり、提案の比較をすることが困難になってしまいがちです。

金融商品に関する情報が「商品を売りたい金融機関」からのものしか得られないのは、退職金などのまとまったお金のある方にとっては、決して小さくないリスクだと思います。

このリスクを回避する一つの手段が、金融機関で運用提案の経験があるIFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)に相談することです。しかし、そもそもIFA自体がまだまだ知名度が低い存在のため、相談相手として選択肢に入ることが少ないのが実情です。
まずは、IFAとは何なのか、知っていただきましょう。

中立的な立場からアドバイスをしてくれるIFA

IFAとは、既存の金融機関から独立していて、中立的な立場から資産運用のアドバイスなどをしてくれるお金のプロのことです。まだまだ知名度は低いですが、近年、金融機関を辞めてIFAとして活躍する人が急激に増えています。
なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。実際に金融機関を辞めIFAになった方に話を聞くと

  • 「お客様のためにと言いながら、特定の商品を販売するノルマが毎月設定され、日々それを消化する仕事に疑問を感じた」
  • 「3〜5年ごとに転勤があり、お客様と関係性を築いても途中でフォローができなくなる」
  • 「会社でこのまま管理職になるよりも、組織に縛られずにお客様と向き合った仕事をしたい」
    など、さまざまな理由があるようです。

一方のアメリカに目を向けてみると、金融機関で資産運用ビジネスに関わってきた人が独立してIFAになることが一般的になっており、もはやIFAが個人の資産運用アドバイザーとして中心的な役割を担っています。
そして、資産形成層やマス層はロボアドバイザーなど非対面サービスを利用し、富裕層や準富裕層と呼ばれる層がIFAからの金融サービスを利用し、超富裕層は金融機関が組織的に手厚くサービスを行う、というように基本的な棲み分けができています。

日本でも個人向けの資産運用については、今後IFAが段々と存在感を増していくでしょう。

個人投資ならIFAを上手に活用して!

ただし、IFAだからといって、必ずしも金融機関の担当者よりも優れたアドバイザーとは限りません。IFA法人や担当者によるという点は同じですし、組織力が必要なサービス提供においては金融機関のような大組織の方が当然、有利です。

個人の資産運用についてはIFAが強みを発揮しますが、大企業や超富裕層などの運用では、大きな金融機関にしかできないことが多くあります。
大きな金融機関での豊富なサービスや利便性の裏には、予算化・システム化された態勢があります。それが一概に悪いわけではありませんが、私にとってはIFAとして個人の金融リテールサービスに特化した方が、低コストで組織運営が可能になり、お客様へもゆとりを持って提案や継続したサービス提供ができると理解しています。

お客様を中心に考えて行動ができる、それがIFAの強みであり、今の日本の金融業界に必要なサービス提供のあり方だと私は思います。

西崎努(にしざき・つとむ)さんプロフィール

リーファス株式会社 代表取締役社長。
2007年にSMBC日興証券に入社、CFP資格も保有する全国トップセールスとして活躍し、シンガポール・ロンドンでの海外研修も経験。帰国後はIPOや公募増資等の引受業務に従事する。2017年に独立し、リーファス株式会社を設立。金融商品の仕組みはもちろん、運用実務、大手銀行や証券会社の販売手法まで熟知したアドバイスが好評。

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