水分量が減って乾燥した肌は、見た目の印象を損なうことがあります。肌が乾燥していると深いシワの原因になり実年齢よりも老けて見られたり、不健康な印象を与えたりします。そこで保湿ケアを習慣化して肌の劣化を防ぎ、老け見え予防をしましょう。
ベタついて見えても肌は乾燥している
男性は女性に比べて肌の水分量は半分以下、皮脂量は女性の2~3倍と言われています。男性の肌は、見た目はベタついているのに実際には肌の内部は乾燥していることが多いのです。
ベタつきが気になって洗浄力の強い洗顔料で洗ったり、スーッとした使用感が心地いいメントール配合の化粧水を使っていたりすると肌の水分量はどんどん低下。水分量を守ろうと皮脂分泌が促されてベタベタが加速するという悪循環に陥ることもあります。
肌の乾燥は、ベタベタ肌のほか、深いシワやたるみを引き起こします。“老け見え”の原因を解消するには、しっかりと保湿することが大切なのです。
“老け見え対策”、まずは洗顔から
“保湿”と聞くと、化粧水や乳液を付けることを思い浮かべるかもしれませんが、肌のバリア機能を守ることも大切です。
ニキビ肌が気になっていた若い頃のように、ゴシゴシ洗顔しているとバリア機能が破壊されて乾燥しやすい肌になってしまいます。
洗顔は、よく泡立てた洗顔料で優しく。強くこすらなくても泡が汚れを落としてくれます。
洗顔が終わったら、タオルで押さえるように水気を拭き取りましょう。このときも“ゴシゴシ”は禁物です。
洗顔後はすばやく化粧水!
洗顔後の肌は、どんどん乾燥していきます。タオルで水気を拭き取ったらできるだけ早く化粧水を!500円玉くらいの量を目安に化粧水を手に取って優しく塗布します。
乾燥しやすい目元やシェービングで敏感になっているフェイスラインなどは2度づけを。
化粧水の選び方ですが、敏感肌の方は肌に優しいアルコールフリータイプを、酷く乾燥している場合は保湿力の高いセラミドやヒアルロン酸などの成分が配合されたものを選ぶとよいでしょう。化粧水の後は、乳液で油分をプラスして肌に水分を閉じ込めます。
“化粧水や乳液を選ぶのが面倒”という方は、化粧水や乳液、クリームなどの役割がひとつになったオールインワン化粧品がおすすめです。
紫外線から肌を守る!毎日の日焼け止めも忘れずに
紫外線を浴びると肌のバリア機能が低下して、肌が水分保持できなくなり乾燥を招きます。外出前には日焼け止めを塗りましょう。
紫外線には、
●波長が短く肌の浅いところに急激にダメージを与えるUVB(紫外線B波)
●肌のより奥まで入り込む波長の長いUVA(紫外線A波)
の2種類があります。
日焼け止めには「SPF」と「PA」という表示がされていますが、それぞれ、UVBとUVAに対する効果を示す数値です。
●「SPF」…UVBを防ぐ効果を示す指数。数値は1~50+まであり、数値が大きい方が高い防御効果があります。
●「PA」…UVAを防ぐ効果を示す指数。4段階の「+」マークで表示され、「+」の数が多い方が高い防御効果があります。
日差しを浴びる時間が長い場合は、「SPF」「PA」ともに高い数値のものを、在宅ワークなどで日光にさらされる時間が少ない場合はそれぞれの数値が低いものを選ぶとよいでしょう。
潤った肌は“老け見え”を解消し、自分のモチベーションも上がります。
“年齢を重ねたからもういいや”と思うのではなく、優しい洗顔と保湿、日焼け止め対策を心がけてみませんか。
監修/山田秀和さん アンチエイジング研究の第一人者。日本抗加齢医学会の理事長も務める。「見た目」に関する研究だけでなく、エピジェネティクスの仕組みを用いた遺伝子制御にも取り組み、2025年には、大阪・関西万博の大阪パビリオン推進委員会の委員として、ヘルスケア先端予防医療ディレクターも務める予定。