血圧の数値が高めで、塩分を控えた方が良いとわかっていても、ラーメンのスープはつい飲んでしまう、昼食は時間がないからと塩分高めのそばで済ませる……、そんなこと、ありますよね?
血圧対策は当然、塩分を控えることが一番ですが、 “尿ナトカリ比”を下げるというのもひとつの方法です。
ナトリウム÷カリウム=尿ナトカリ比 数値が高いほど高血圧のリスクが高まる
「尿ナトカリ比」とは、尿中のナトリウムとカリウムの比率を示す言葉。塩分(ナトリウム)を摂りすぎると値が高くなり、カリウムを多く含む野菜や果物を多く摂ると低くなります。
尿ナトカリ比の比率が高いほど高血圧の有病率が高まり、低いほど有病率は下がることが研究によりわかっています。
ナトリウム(塩分)は水をため込む性質があるため、ナトリウムを摂りすぎると血液中の水分が増えます。すると血液量が増えて血圧が上がります。
カリウムは腎臓でナトリウムの再吸収を抑制するはたらきがあり、尿からのナトリウム排出が促進されます。ナトリウムが減ると血液中の水分が減り、血圧が下がります。
塩分を控えながらカリウムが多い食品を摂る習慣を
日本人の高血圧の最大の原因は、塩分の摂りすぎです。
日本高血圧学会は高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にするよう推奨。6gがどれくらいかというと……。ラーメンや麺類のスープを全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩を摂ってしまうことになります。
高血圧対策は塩分制限が鉄則ですが、並行して心掛けたいのがカリウムの多い野菜や果物を摂って尿ナトカリ比の比率を下げる食習慣です。
カリウムを多く含む食材
カリウムはほとんどの食品に含まれていますが、特に含有量が多い食材を紹介します。
<野菜>
●ほうれん草 ●春菊 ●れんこん ●水菜 ●にら ●ブロッコリー など
<果物類>
●アボカド ●バナナ ●メロン ●キウイフルーツ ●かき など
<肉・魚類>
●ささみ ●豚ロース ●さわら ●かんぱち など
<そのほか>
●納豆 ●刻み昆布 ●さといも ●干しいもなど
カリウムは水溶性のため、煮たり茹でたりすることにより水に溶けだしてしまいます。そのため、サラダや刺身など、生で食べるのがベスト。
野菜が苦手な方はスープにすると生よりも量が食べられるのでおすすめです。
ラーメンやそばなど塩分の多い料理を食べるときは、サラダやおひたし、野菜のトッピングをプラスしたり、塩分無添加の野菜ジュースを飲んだりするなど、日々の食事でカリウムを積極的に摂るように心がけましょう。
ただし、塩分を控えることは忘れずに。