
家庭のなかで消費する電力の割合はエアコン、冷蔵庫、照明の順だと言われています。この冬は、昨年に比べて寒さが厳しくなることが予測されていますので、まずはエアコンの電気代節約術、そして冷蔵庫と照明の賢い使い方について、「Mr.家電」藤山哲人さんに、伺いました。
エアコンの電気代節約術
■湿度を上げる
エアコンは、設定温度を1度下げると1シーズンで1,640円ほど節約できます。
湿度が上がると体感温度は2度上がると言われているので、エアコンをつけていて寒いと感じる場合は、設定温度を上げるのではなく加湿器を併用しましょう。温度設定が25度の場合、体感温度は27度くらいになります。

加湿器には気化式、超音波式、スチーム式、ハイブリッド式がありますが、短時間で効率よく比較的電気代を抑えられるハイブリッド式がおすすめです。
加湿器がない場合は、濡れた洗濯物を室内に干す、入浴後にお風呂のドアを開けておく、霧吹きで室内に水を噴射するという方法などで湿度を上げましょう。
湿度の目安は40~60%です。インフルエンザ対策も兼ねるなら60%を維持しましょう。
■温かい空気を循環させる
温かい空気は上に、冷たい空気は下にたまります。サーキュレーターや扇風機で室内の温かい空気を循環させると室内で温度ムラがなくなり、設定温度の上げすぎを防ぐことができます。
サーキュレーターや扇風機はエアコンの対角線上に置くと効率的に空気が循環されます。加湿器を使用している場合は、サーキュレーターの50センチから1メートルほど前に置くようにしましょう。
■エアコンのフィルターを掃除する
エアコンのフィルターが目詰まりしていると効率が下がります。フィルターを月に1~2回掃除をすると年間で約990円の節約に。ペットを飼っているお宅は特に、フィルター掃除はこまめに行いましょう。

■エアコンを休ませる
エアコンは1時間休ませると1シーズンで1,400円~1,500円の節約になります。温かい日中、2時間ほどエアコンを切るだけで、1シーズンで3,000円ほど電気代が浮きます。
■ “個別暖房”でエアコンは補助的に使う
昨年くらいから注目されているのが、個別暖房の器具です。エアコンは設定温度を低めにして補助的に使い、部屋全体を温めるのではなく、足元だけなど局所的に温めたり、“おひとりさま”を温めたりするもの。少ない電気代で効率よく温まることができます。
おすすめ“個別暖房”①:40×40センチの電気マット

在宅ワークでの足元を温めるのにぴったりなのが、小さいサイズの電気マットです。電気代は1時間0.5円ほどなので、8時間使っても4円ほどです。
おすすめ“個別暖房”②:着るこたつ・着る電気毛布
最近流行しているのが、ガウンやポンチョのようになった電気毛布の着るこたつや着る電気毛布です。電気代は小さいホットカーペットと同程度の1時間1~2円ほどです。

冷蔵庫の電気代節約術
■設定温度を上げる
冷蔵庫は、温度調節レバーを「弱」に下げたままの方が多いのですが、冬場は「中」程度に上げましょう。年間1,900円ほどの節約になります。

冬場に限りませんが、冷蔵庫に食品を詰め込みすぎると庫内の温度を下げるのに時間がかかり電気代が高くなります。
逆に、冷凍庫は凍った食品自体が保冷剤の役割を果たすので食品がたくさん入っている方が電気代の節約になります。
“冷蔵庫は詰め込み過ぎず、冷凍庫はパンパンに”を心がけましょう。
照明の電気代節約術
■蛍光灯はLEDに変更
蛍光灯を使っている方は今すぐLEDに変更することをおすすめします。68Wの蛍光灯器具から34WのLED照明器具に交換した場合、年間約2,000円の節約になります。
藤山哲人さん/1967年生まれ。「家電Watch」「DIME」など多数の媒体で執筆。あらゆる家電を使い込んで比較する技術系家電ライター。「家電おじさん」「体当たり家電ライター」の異名を持つ。TBS系列バラエティ番組「マツコの知らない世界」には6回出演。当サイトでは「Mr.家電がすすめる、2024年買い換えるならこの省エネ家電!」を監修。