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リトルインディア西葛西で食べるインドの“ガチ”家庭料理 南インドは米が主役!~後編・南インドの家庭の味~

リトルインディア西葛西で食べるインドの“ガチ”家庭料理 南インドは米が主役!~後編・南インドの家庭の味~

リトルインディア西葛西でインド人のためにインド料理店をオープンさせたジャグモハン S.チャンドラニさん。前編では北インドの家庭料理を伺いましたが、後編の今回は南インドの家庭料理の特徴を伺いました。

「南インド」料理のキーワードは「米」!

西葛西に暮らすインド人たちの「南インドの料理が食べたい!」という声に応えてチャンドラニさんがオープンさせた「スパイスマジック カルカッタ南口店」。本店は“ガチ”な北インド料理ですが、こちら南口店では“ガチ”な南インド料理が提供されています。

北インドの主食は小麦粉を水で練って焼いたロティー、主な食材は野菜や豆、ジビエなどでしたが、南インド料理の特徴は?

「南インドでは、海岸沿いや内陸でお米が採れます。だから、北とは違って南インドの主食はお米。あと、ヨーグルトやココナッツオイルをよく使います。海が近いので魚やエビ、イカなどのシーフードも豊富。
それと、暑くて汗をかくので料理で塩分を少しずつ摂れるよう、ややしょっぱいのも特徴です」

トマトやパプリカなども料理に使われますが、北ほど収穫量が多くないので、豆をベースにしたものをプラスすることも多いといいます。

米は“ごはん”としてだけでなく米粉を材料にパンやクレープに

「主食となる米は、ビリヤニにしたりカレーをかけたりして食べるほかに、米粉や豆粉を発酵させてパンにします。揚げパンにしたものをヴァラ、蒸しパンにしたものはイドゥリといいます」

揚げパンのヴァラ。お店では外はカリッと中はフカフカの揚げたてがいただけます。ヴァラ ランチタイム/2ピース780円(税込)、ディナータイム/3ピース1,100円(税込)。

蒸しパンのイドゥリは、口に入れた瞬間、ほろほろと溶けていくような優しい食感です。
イドゥリ ランチタイム/2ピース780円(税込)、ディナータイム/3ピース1,100円(税込)。

「ヴァラもイドゥリも、南インドではおなじみのサンバルという野菜と豆のスープ(上の写真左上)のほか、ココナッツのチャツネ(上の写真右上)などと一緒に朝食や軽食で食べています。米粉を使ったものでは、鉄板の上でクレープ状に焼いたドーサも主流です」

鶏ひき肉のキーマカレーをドーサでくるんだ「ひき肉のキーマドーサセット」1,380円(税込)。ドーサを説明するとすると、餃子の羽とクレープの中間のような味と食感。パリッとしつつほのかな甘みと塩味があり、カレーやサンバルにつけるといくらでも食べられるおいしさです。

「イドゥリやドーサなどのお供には野菜と豆のスープのサンバルのほかに、豆のスープのラッサムが提供されることも多いです」

「豆で出汁をとったスープに、ニンニクとショウガ、マスタードシードなどを加えて、挽いた豆を煮込んだスープがラッサム430円(税込)です。塩っぱさとコショウが効いているのが特徴。

ちなみにコショウはインドが原産地。未完熟の実を皮がついたまま乾燥させたのが黒コショウ、完熟した実の皮をむいて乾燥させたのが白コショウ。乾燥させないフレッシュのものも使います。南インドでは、香りも辛みも強い黒コショウがよく使われます」

「たっぷりのレモン汁とスパイスなどで炊き込んだレモンライス1,200円(税込)も、南インドの家庭料理のひとつです」

レモンライスに合わせるのは、チャンドラニさんおすすめの野菜たっぷりのベジタブルコルマ。北インドのコルマはナッツペーストを使いますが、南インドはココナッツミルクを使います。こってりとした濃厚なおいしさでさわやかなレモンライスとの相性抜群です。

料理を作るのは南インドで料理の修業をしたパワヌ・クマールさん(左)。おすすめはドーサ。料理を提供するのは同じく南インドでの修行経験があるシブク・ヌールさん(右)。シブクさんのおすすめはベジタブルコルマです。

スパイスマジック カルカッタ 南口店
住所:東京都江戸川区西葛西6-24-5
営業時間:11:00~15:00 17:00~22:00
電話:03-3688-4817
アクセス:東京メトロ東西線「西葛西駅」から徒歩5分

インド料理は生命科学のアーユルベーダに基づいている

南インド料理は、カレーやサンバルなどいろんな料理を混ぜて食べる習慣が。
その理由をチャンドラニさんに伺うと……。

「混ぜて食べることで甘みや酸味、旨味などのバランスが取れて、1+1が3のおいしさに変わります。それと南インドに限らず、インドの食事はアーユールベーダの考えに基づいています。春・夏・秋・冬、季節ごとに旬の食材で栄養を摂る。時期によって摂れない栄養素はハーブやスパイスで補うのです。
いろんな料理から少しずつ、足りないものはハーブやスパイスで栄養を摂って健康を保つのがインド料理です」

インド料理が5千年の歴史を持ち、インド亜細亜大陸の伝統的医学であり「生命の科学」といわれるアーユルベーダに基づいているとは驚きです。
おいしいだけでなく元気にもなる“ガチ”インド料理を楽しみに、西葛西の「スパイスマジック カルカッタ」本店と南口店に足を運んではいかがでしょうか。

ちなみにチャンドラニさんは、普段はお店にはいないのであしからず。

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