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温めすぎても実は大丈夫⁉ 自宅でおいしい熱燗・ぬる燗を作る方法

温めすぎても実は大丈夫⁉ 自宅でおいしい熱燗・ぬる燗を作る方法

寒いこの季節、自宅でおいしい日本酒を熱燗やぬる燗で楽しみませんか? 熱燗やぬる燗を作るのは難しいと思っている方も多いと思いますが、実はとても簡単!自宅にあるもので気軽に作る方法を紹介します。

日本酒の辛口好きは熱燗、まろやかな味が好みならぬる燗がおすすめ

教えてくれたのは、東京・大塚「居酒屋hana」の店主花岡賢さんと店長の和田静佳さんです。

ミシュランビブグルマンを4年連続で獲得した、日本酒ペアリングと創作和食料理『大塚はなおか』の姉妹店として、2022年3月にオープンした『居酒屋Hana』。和食の技法で旬の食材で作る花岡さんの創作料理に、全国各地の日本酒や世界のワインを知り尽くす和田さんが選ぶお酒がベストマッチ。日本だけでなく海外からのお客様にも人気。

そもそも、熱燗とぬる燗の違いは温度。
温度が違うと、味や相性の良い料理なども変わります。それぞれの特徴を簡単にまとめます。

【熱燗】
温度:50度くらい。舌の上で温かさを感じる温度帯。
味の特徴:少し酸味があり、味の輪郭がはっきりとした味わい。甘くない辛口。
熱燗向きの日本酒:本醸造酒や普通酒/温めても味を安定させる作用がある醸造アルコールが添加されているため熱燗向き。
相性の良い料理:焼いた肉や魚料理や揚げ物。からすみや塩辛などの塩味の強いつまみ系など。酸味があるので、口の中がさっぱりして食もお酒も進む。

【ぬる燗】
温度:40度くらい。常温より少しい温かい程度。口にすると“かなり、ぬるい”。
味の特徴:甘みがあって優しい、まろやかな味わい。
ぬる燗向きの日本酒:純米酒/40度くらいで米の旨味が広がるので、ぬる燗におすすめ。キリっとした辛口でいただきたい場合は熱燗に。
相性の良い料理: 菜の花のおひたしやポテトサラダや、出汁の効いた料理など。甘みがあって食材の味や香りの邪魔をしないので、優しい味わいの料理との相性が良い。

純米大吟醸や純米吟醸などのフルーティな日本酒は、熱が加わるとその香りや酸味が際立ちすぎてしまいます。それぞれが持つ香りや味の個性が台無しになるので、熱燗やぬる燗には向いていません。“酢豚のパイナップル”が苦手な方には特におすすめしません。
吟醸系は冷や(常温)や冷酒でいただきましょう。


本醸造酒は熱燗、純米酒はぬる燗、大吟醸は冷やや冷酒向きです。

熱燗やぬる燗に向いているのは、純米大吟醸などのような高価格帯のものではなく、むしろコンビニなどで販売されているようなタイプ。
お手頃価格で“冷蔵庫で保存されていない”、本醸造酒や普通酒、純米酒こそ向いています。
ただし、製造年月日が6カ月を超えているものは、お店できちんと管理がされておらず品質に影響が及んでいる可能性があります。6カ月以内に製造されたものを選ぶのがおすすめです。

温めすぎても大丈夫!アルコール分は飛んでも味や香りに大きな影響なし

自宅でおいしい熱燗とぬる燗の作り方を紹介する前に、ぜひ知っておいていただきたいのが、“自宅で作る熱燗やぬる燗に失敗はない!”ということ。
醸造酒や普通酒、純米酒は温めすぎるとアルコール分は飛びますが、味や香りにほとんど影響がないからです。
手で持てないくらい温めすぎてしまっても、冷ませば本来の味や香りは戻ります。
つまり、“温めすぎたら冷めるのを待つ”で、OKです!

磁器のマグカップで鍋や電子レンジで作る方法

熱燗やぬる燗と言うと、徳利や“ちろり”が必要だと思われがちですが、徳利は温めている途中で中のお酒の温度を確認しづらいですし、 “ちろり”があるご家庭は少ないと思います。
使うのは少し厚みのあるマグカップやコップ。これであれば、途中で味見をしながら温度を確認できますし、途中でマドラーやスプーンで混ぜるなどして温度を均一にするもの簡単にできるのでおすすめです。
お湯で作る場合と電子レンジで作る場合を紹介しますが、お湯で作る場合は、火傷をしないよう、お湯から取り出しやすい背の高いものを使用してください。また電子レンジで作る際は磁器のタイプを選びましょう。

【鍋で作る熱燗とぬる燗】

1 鍋に、カップに入れた日本酒の高さより少し多めの水を入れて沸かし、沸騰したら火を止める。

2 1合(180㏄)程度の日本酒を入れたカップを入れる。火傷をしないよう、注意しながら行いましょう。

3 マドラーやスプーンなどでかき混ぜたり味見をしたりして、温度を確認。

4 ぬる燗なら40度くらい、熱燗なら50度くらいの温度になれば完成。

写真は温度がわかりやすいよう、温度計で計測していますが、何度かご自分で作ってみて、お好みの味や香りの温度帯を“飲みながら覚える”のがおすすめです。

【電子レンジで作る熱燗とぬる燗】

1 磁器のカップに1合(180㏄)程度の日本酒を入れ、ラップをせずに500Wで40秒~1分加熱する。

2 味見をして、「甘みがなく辛口になりすぎた」と感じたら、お好みの味になるまで冷ます、逆に「ぬるすぎる」とか「甘みが強い」と感じたら温め時間を増やす。

おいしく熱燗とぬる燗を飲むには、実は酒器こそ重要!

温めるために使ったカップでそのまま飲むのも悪くはありませんが、せっかくなら、徳利がある場合は徳利に移し、おちょこでいただくのがおすすめです。
飲む前に、徳利とおちょこにお湯を入れて温めておくと、よりおいしくいただけます。

飲む前に、酒器にお湯を注いで温めておきましょう。

また、本醸造酒や純米酒などのお酒の種類にかかわらず、おちょこの素材によって味の感じ方が変わってきます。

陶器の酒器……まろやかな優しい味わいに

磁器の酒器……お酒の輪郭がはっきりとしたシャープな味わいに

ご自身の好みやその日の晩酌のメニューに合わせて、熱燗にするかぬる燗にするか、酒器をどれにするかなど、いろいろと試してこの冬の夜をおいしい日本酒とともに楽しんでみてはいかがでしょうか。

ワインと日本酒 居酒屋Hana 

日本酒とワインに合う創作和食を居酒屋風にアレンジしたお料理が好評の居酒屋。
日本酒のほか、オレンジワインや日本ワインを中心としたワイン、本格焼酎などが揃っています。
テーブル席のほか、カウンタ席もあり、ひとりでゆっくりとお酒とお料理を楽しみたい方にもおすすめです。
住所/東京都豊島区南大塚3-45-7 ザ・シティ大塚5階
電話/090-4211-5850
営業時間/17時~23時(最終入店 21時)      ​
定休日/水曜日・他不定休あり

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