
オムライスって、無償に食べたくなることがありませんか? もし自分で作れたら、食べたいときにいつでも自宅で食べられますよね。ということで今回は、チキンライスを美しい黄色の薄焼き卵でくるんだ昔懐かしい“正統派”オムライスの作り方を、上野の老舗洋食店「洋食 黒船亭」の調理スタッフ・松井匠さんに教えていただきました。
創業明治からの味を引き継ぐ「洋食 黒船亭」
「洋食 黒船亭」は明治35年に創業者が料亭「鳥鍋」を創業。大正時代に二代目がカフェ「菊屋」を開店し日本人の心に響くフランス料理を提供していました。現在の「洋食 黒船亭」は三代目が昭和61年に開業をし、伝統の味を今に引き継いでいます。



目指すのは、美しい黄色の卵焼きで包んだオムライス
当店のオムライスで使うごはんは、フライパンに白米と水、チキンブイヨン、トマトペーストを入れて熱湯で焚き、その後オーブンに入れてパラパラの状態に仕上げます。

今回は、ごはんは炊飯器で作るやり方を紹介します。
オムライスの材料(約2人分)
米……1.5合
バター……15グラム
水……300cc
<炊き込み用ブイヨン>
トマトペースト……小さじ1
鶏がらスープの素……小さじ1
味の素……少々
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玉ねぎ……30グラム
にんじん……30グラム
マッシュルーム……2個
鶏もも肉……70グラム
むきエビ……4尾
トマトケチャップ……大さじ3
塩……少々
ホワイトペッパー……少々
サラダ油……大さじ1
卵……6個
バター……大さじ2
トマトケチャップ……仕上げ用・適量
作り方
1 下準備をする。米をとき、水気を完全に切っておく。
2 炊き込み用ブイヨンの調味料を合わせる。
3 玉ねぎ、にんじんは1センチ角、マッシュルームはスライス、鶏もも肉は小さめにカットする。
4 卵はホイッパーで黄身と白身をしっかりと混ぜる。
ポイント

卵は角に当てるのではなく、平面に当てて割ると殻が入りづらい。
ポイント


卵は、白身のドロッとした感触がなくなるまでしっかりと混ぜる。
ポイント

ザルで濾して殻やカラザ(卵黄に付いている白いひも状のもの)を取り除き滑らかな状態にする。
5 ごはんを作る。深鍋にバターを入れ、火にかけて溶かしたあと、米を4~5分ほど中火で炒める。
6 5を炊飯器に入れ、水とブ炊き込み用イヨンを加えて炊く。
7 チキンライスを作る。フライパンにサラダ油を入れ、玉ねぎとにんじんを入れて炒める。少し炒めたら鶏肉とマッシュルーム、エビを加えて完全に火を通す。
8 炊きあがったごはんを7に入れ、塩、ホワイトペッパー、ケチャップを加えて炒める。

9 別のフライパンにバターを入れて弱火から中火にかけて温める。バターが溶けたらいったん火から外して4の卵液を入れる。フライパンはテフロン加工がされていて、ひとり分の量にちょうどいい大きさの物を使うのがオススメ。お店では22センチサイズのフライパンを使用。


ポイント
“焦るとこげる”ので、いったん火から外して落ち着いてゆっくり行う。
10 弱火にかけてスクランブルエッグを作る要領で、菜箸でグルグルと混ぜる。

ポイント

フライパンの側面にできた、薄く焼けた卵ははがさないようにしながら混ぜる。
11 火から外して10秒ほど余熱で卵に火を通す。

12 11に8のチキンライスを入れる。

13 強火にかけて、フライパンの側面についた卵焼きがフライパンからはがれてきたら火を止めて、コンロの天板に2~3度フライパンを打ち付けて卵をフライパンからはがしやすくする。

14 片手にお皿を持ち、卵をすべらせるようにしながらフライパンを返してお皿に移す。





15 キッチンペーパーを被せて、ラグビーボール状になるように手で成型する。



16 ケチャップをかける位置の頂点を決めたら、頂点から奥に向かってケチャップをかけて完成。



焦げないようにゆっくりと火を通して焼き上げた、美しく黄色い卵焼きに身を包んだオムライス。スプーンを入れると具沢山のチキンライスがぎっちり。


パラパラのごはんによって、具材が引き立ち絶妙なおいしさです。どこか懐かしいケチャップの甘みと酸味もたまりません!
少し面倒だと思われる工程や洗い物も多くなるかもしれませんが、定番の黄色い卵焼きの絶品オムライスを作ってみてください。何度かチャレンジすればコツがつかめて上手にできるはずです。正解の味を確かめたい方は、お店で味わっていただけると嬉しいです。
洋食 黒船亭
住所/東京都台東区上野2-13-13 キクヤビル4階
電話(ご予約)/03-3837-1617
営業時間/11:30~21:45(L.O 21:00)
無休(年末年始を除く)