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200万円~手に入るタイプも!憧れのキャンピングカーの選び方や最新トレンドを専門家が指南!

200万円~手に入るタイプも!憧れのキャンピングカーの選び方や最新トレンドを専門家が指南!

週末には、好きな場所へ自由にキャンピングカーで旅に出かける――。そんなライフスタイルに憧れている方も多いはず。キャンピングカーといえば、キッチンやシャワー設備などが整った大型のものをイメージしがちですが、軽自動車をベースにしたコンパクトで低価格なものもあるなど、タイプはさまざま。キャンピングカーライフ研究家の岩田一成さんに、キャンピングカーの魅力や種類、最新トレンドなどを伺いました。


キャンピングカーライフ研究家の岩田一成さん。約20年前に、家族とアウトドアや旅を楽しみたいとキャンピングカーライフをスタート!バンをコンバージョン(改良)したバンコンに次いで、キャブコンと乗り継ぎ、現在はトラックキャンパー、通称“トラキャン”を所有。トヨタのハイラックスの荷台に居住用のキャンピングシェルを搭載しています(写真)。

ホテルの予約不要!プライベート空間ごと旅へ

キャンピングカーとは、車内で寝泊まりができる、まるで家と車がドッキングしたような乗り物。その魅力は、プライベート空間ごと移動できるというところにあります。

生活設備が備わっているから、ホテルの予約不要で、思い立ったらどこへでも、自由に旅ができます。ペットOKの宿を探して予約をする必要もないので、ワンちゃん連れの方もよく見かけますね。あと、キャンプをするのがラク!設営・撤収の必要がありません。

生活設備が備わっているので、最近は災害時の避難場所として導入される方も多いです。

全国のRVパークやオートキャンプ場を宿泊先に、自由に旅を組み立てられる

よく、「どこに停められるの?寝られるの?」と聞かれますが、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、道の駅などの公共駐車場は基本的には休憩仮眠の範疇で、長期滞在する場所ではありません。

キャンピングカーの普及などの活動をしている日本RV協会が、車中泊ができるスポット「RVパーク」の設置を拡げています。道の駅とか温泉施設など、全国に400カ所以上あって、2000~ 3000円程度の比較的安い金額で車中泊ができます。

電源が使えたりゴミ捨てもできます。

キャンピングカーを駐車して車中泊ができるのは、「RVパーク」のほかにはオートキャンプ場があります。

キャンピングカーの旅は、公共の駐車場で休憩を取り、全国にあるRVパークやオートキャンプ場を宿泊先として自由に旅を組み立てられる楽しみがあります。

酷暑の昨今、エアコン付きがデフォルトに

これまでは、北海道や標高の高い場所へ行けば夏でも過ごしやすかったのですが、最近はそんなことは言ってられないぐらい暑い。

普通車だと、駐車場でエンジンをかけたままクーラーをつけて仮眠をとっている方もいますが、長時間のアイドリングはマナー違反。アイドリング・ストップを条例で義務付けている自治体も多いので、キャンピングカーではエンジンを切った状態で使用できるエアコン搭載が一般的になっています。これまでは鉛のバッテリーでしたが、より多くの電気容量を確保できるリチウムイオンバッテリーが登場したことで、エアコン搭載がさらに身近になりました。

バッテリーでエアコンを稼働することもできますし、RVパークやオートキャンプ場でACコンセントを車両につなげば、電気容量の心配をすることなくエアコンを長時間つけられ、キャンピングカーをコテージのように使うことができます。

内装のデザインがおしゃれになっているのも最近の傾向です。

最小限の荷物を積んで旅をする「バンライフ」という海外発信のカルチャーがあって、内装が車の中とは思えないほどとってもおしゃれなんです。湖畔に車を停めてリアゲートを開けて過ごす、みたいな。

その影響で日本もおしゃれなタイプが増えています。インスタで「バンライフ」で検索するとたくさん出てきますよ。


岩田さんの“トラキャン”の車内。ウッディな内装は岩田さんがとことんこだわったオーダーメイド。室内高は187㎝あるので、立って生活ができます。写真の奥はロフトベッドのような役割が。特注のサンルーフにより室内高と明るさを確保。冷蔵庫、キッチン、エアコン付き。

キャンピングカーの種類は多数。初心者におススメは3タイプ

ひとくちにキャンピングカーといっても、ベース車両などによりさまざまな種類があるので、まずはカテゴリーを知ることが大切になってきます。初心者におススメの3タイプを紹介します。

軽キャンパー:軽自動車がベース。少人数で気軽に旅したい人向き

軽自動車がベースのキャンピングカー。

車両価格は200~400万円くらい。

税金、保険、高速料金、消耗品などの維持費を低価格に抑えることができます。

ボディがコンパクトで駐車場のサイズや走る道を選ばずに旅ができ、少人数で気軽に旅をしたい人向き。車両価格も比較的安く、初心者からベテランまで幅広い層から人気を集めています。

軽キャンパーには軽ワゴン車や軽バンをベースにしたバンコンタイプと、軽トラックをベースにしたキャブコンタイプがあります。バンコンとキャブコンについては、後で説明しますね。

軽キャンパーのバンコンタイプ


岡モータースのベストセラーモデル、「ミニチュアクルーズ」の兄弟モデルである「ミニチュアボックス」。キャンピングカーには見えませんが……。

ベッドスペースは対面対座ダイネット※モード、L字ダイネットモードなど多彩な展開が可能です。家具のアクセントカラーは、グリーン、ブルー、ブラウン、ピンクの4色から選べます(追加料金なし)。家具はすべて国内で製造されたものを使用。オプションでクーラーパッケージを追加することもできます。
※ダイネット…キャンピングカーでは、テーブルを囲み食事などを楽しめるスペースのこと。

ベッドサイズは長さ1,820㎜、最大幅1,240㎜で、岡モータースの軽キャンパーでは最大のスペース。ベッドマットは座り心地と寝心地を考慮した60㎜厚の三層構造ウレタン。ファブリックは日本のメーカーのものを使用。

岡モータース 
「ミニチュアボックス」  
価格:1,815,000円(税込)~
乗車定員:4名
就寝定員:2名
全長:3,395㎜ 全幅:1,475㎜ 全高:1,895㎜

軽キャンパーのキャブコンタイプ


約20年の歴史を誇る元祖軽キャブコン、バンショップミカミの「テントむし」。

「テントむし F1タイプ」の内観。助手席側には乗り心地のよい前向きシートを、運転席側にはシートを横向きに配したベッドマットを設置。ベッドマット下には収納スペースが確保されています。

シートをすべて倒すと、セミダブルサイズのベッドに。

レイアウトは自由に変更でき、ダイネットとしても楽しめます。ベッドマットのファブリックや外装などのカラーリングはお好みに合わせて選ぶことができ、お気に入りの一台にカスタム可能。

ルーフには2段ベッドになるポップアップテントが付いています。

バンショップミカミ 
「テントむし F1タイプ」 
価格:3,82,800円(税込)~
乗車定員:3名
就寝定員:3名
全長:3,390㎜ 全幅:1,470㎜ 全高:1,980㎜

バンコン:見た目が“普通”で、日常生活にも週末のレジャーにもマルチに使える!

バンコンはワンボックスタイプのバンやワゴン、ミニバンなどをベースにキャンパー架装を施したキャンピングカーです。

車両価格は300~800万円くらい。

ボディサイズやデザイン、走行性能が一般車両に非常に近いのが特長です。

一見キャンピングカーには見えない外観なので、普段使いができ、平日は通勤に、週末はレジャーにと、マルチに使えます。子どもの送迎に使っている方もいらっしゃいます。

日本ではキャンピングカーのなかで一番人気のあるカテゴリーです。


キャンピングカー専門誌『オートキャンパー』の2010年アワードで、ベスト1に輝いたハイエースキャンピングカー、トイファクトリーの「BADEN(バーデン)」。

今回掲載のインテリアは「BADEN」の「Casa Home Style Edition」。広々とした対面ダイネットスペースでは、大人4人がゆったりと寛げます。大容量の上部収納庫もあり機能性も充実。セカンドシートとサードシートはフルフラットベッドに展開が可能なため、大人2名が就寝可能なベッドとして活用できます。

給水13ℓ/排水13ℓのタンクを備えたステンレスシンク。-15度まで冷える40ℓの大型冷蔵庫も備え、まるで自宅のキッチンのように料理を楽しめます。

後部に常設のベッドには大人2名まで就寝可能です。

Toy-Factory 
「BADEN【Casa Home Style Edition】 
価格:6,870,000円(税込)
乗車定員:7名
就寝定員:4名
全長:5,380㎜ 全幅:1,920 全高:2,285㎜ 

キャブコン:長期間の快適な滞在が叶う“動く家”

バンコンに並んで人気なのがキャブコン。キャンピングカーと聞いてイメージする“THE キャンピングカー”という見た目ですね。

車両価格は500~1,200万円くらい。

トラックやボディカットした1BOX車にキャンピングシェルを搭載。バンコンとは比べ物にならないくらい室内空間が広く、立って生活ができます。本格的なキッチンやトレイ・シャワールームが付いていたり、大勢で寝られたりするなど装備も充実していて、“動く家”のような状態です。

家族で長期間の快適な滞在を求めるのであればキャブコンでしょう。

ただし、駐車スペースの問題が。長さは5m程度が一般的ですが、幅が約2.1m、全高が約3mあるので、駐車場探しに苦労する場合があります。


誕生から25年を超えるロングセラー、VANTECH(バンテック)の「ZiL(ジル)」。

クラス最大級の広さと落ち着きを重視したラグジュアリーなリビングルーム。エンジンをかけなくてもバッテリーで空調設備が使用可能。防音性も優れていて、静かにゆったりとやすらげます。

家庭用エアコンのほか、シンク、コンロ、冷蔵庫、水のいらないラップ式トイレ「wrapull(ラップル)」も標準装備。

リビングルームや運転席上部のバンク部分はすべてベッドスペースになり、リビングルームと合わせると大人5人がゆったりと眠れます。

VANTECH 
「ZiL(ジル)」
価格:11,800,000円(税込)~
乗車定員:2WD/7名、4WD/6名
就寝定員:5名
全長:5,160㎜ 全幅:2,060㎜ 全高:2,950㎜ 

ライフスタイルに合わせて乗り換えるのもアリ

僕がキャンピングカーに乗り始めたのは子どもたちと自然や旅行を楽しみたいという目的から。最初のキャンピングカーは、仕事や日常使いもできるハイエースのバンコンに乗っていました。
子どもが大きくなってからは、日常使いの便利さよりも室内の居住性を重視して、キャブコンに10年。
3年ほど前からは“トラキャン”に乗っています。“トラキャン”は僕のライフスタイルにはとても合っているけれど、キャンピングシェルの積み下ろしがすごく面倒。シェルを降ろしたら置き場所も必要なので、日本ではごく少数派のキャンピングカーです。僕は最高に気に入っていますが、癖が強いので一般の人にはおススメはしません笑
気軽に旅行に行きたいなら軽キャンパー、日常使いもレジャーにも使いたいならバンコン、家族で長期間旅を楽しみたいならキャブコンと、どう使いたいかやライフスタイルに合わせて選ぶのがよいでしょう。

キャンピングカーを“見る”“買う”ならジャパンキャンピングカーショーへ

キャンピングカーを実際に見たいとか買いたいとなったとき、手っ取り早いのは、キャンピングカーショーに行くことです。

年間いろいろなところでやっていますが、一番は2月に幕張メッセで開催されるジャパンキャンピングカーショー。毎年300台以上が集まるので、いろいろなメーカーのものが一度に見られます。

比較ができるし見積りもとれる。そこで契約までいけちゃう、商談会のような側面もあります。まずそこに足を運んでみるのがいいですね。

岩田一成さん/キャンピングカーライフ研究家、キャンピングカーライター。自動車専門誌を中心にさまざまなジャンルの雑誌・ムックの製作に携わる。キャンプインストラクター資格を保有する無類のキャンプ好きで、登山やクライミングなどのアウトドア経験も豊富。国産キャンピングカーを乗り継ぎ、家族と共にこれまで1,000泊以上のクルマ旅を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』(グラフィス)がある。

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