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平野美宇 時代を作った高速卓球 念願のシングルスでメダル獲得を目指す |木下アビエル神奈川 女子卓球 ハリケーン・ヒラノ

平野美宇 時代を作った高速卓球 念願のシングルスでメダル獲得を目指す |木下アビエル神奈川 女子卓球 ハリケーン・ヒラノ

2023年6月に行われたWTTコンテンダーザグレブにて、当時世界ランク1位の中国選手孫穎莎を破って見事優勝を果たした平野美宇選手。2019年に伊藤美誠選手に敗れて以来、中国選手以外には4年間負けなしだった女王が、平野選手を強く意識した瞬間でした。

そして今年最後まで続いたパリ国際大会シングルス出場枠をかけた戦いを見事制し、悲願の代表入りを果たしました。その平野美宇選手の強さとは。

本記事では、平野選手の強さとプライベートについてご紹介します。

高速卓球を武器に強くなったハリケーン・ヒラノ

平野美宇選手の代名詞と言ってもいいのが「高速卓球」。相手からの打球を小さなバックスイングで台上もしくは台上から出たすぐの位置でボールを捉えて返球します。そのスピードに対戦相手の選手は対応ができず、2017年アジア選手権で世界トップを下し、優勝しました。

その卓球スタイルは「ハリケーン・ヒラノ」と呼ばれ、世界でも高速卓球が認知された瞬間でした。

しかし、高速卓球が世界に知れ渡るにつれて、周囲の選手も高速卓球に対する対策を徹底して行ってくるようになり、思ったように勝ち星を挙げられなくなる時期がありました。その経験から「今の卓球を変えなければいけない」と平野選手は強く思うようになったそうです。

かつての恩師 中澤鋭監督と再タッグ

ここ数年、自分を変えることができなかったと話す平野美宇選手は、再度恩師である中澤監督の指導のもと、頂点を目指すことを決めました。2017年まではJOCアカデミーで平野選手の専任コーチであり、ハリケーンヒラノを作り上げた中澤監督と新たなスタイルを確立していきます。

得意な巻き込みサーブ以外のサーブを増やし、フォームの修正など細かい部分から再度詰め直すことから、シン・ハリケーンヒラノを作っていきました。

2022年から中澤監督率いる木下アビエル神奈川に移籍

元日本代表で、木下グループ卓球部の総監督である倉嶋さんは、当時の平野選手について、次のように述べています。

「平野選手にとって一番大きいことは、エリートアカデミー時代から指導していた中澤監督と一緒に試合にでられること。これは彼女にとって、とても心強いこと。平野の卓球が、高速卓球を意識しすぎて、タイミングが早くなりフォームが小さくなってきていた。」

なかなか思うように決定打を打てなくなっていた平野選手に対して、フォームの修正やフォアハンドの意識の持ち方を指導していったと語っています。基礎を徹底的に見直すことから始めたことで、より持ち味を活かす技術が確立していきました。

参照元:平野美宇 復活の軌跡 苦境を乗り越えハリケーン再び!|卓球ジャパン!2023年1月21日OA

巻き込みサーブを活かす「小さな工夫」

平野美宇選手は、主に巻き込みサーブを利用します。打倒中国を掲げる日本卓球が世界レベルと闘うために、平野選手はある小さな工夫を取り入れました。孫穎莎との試合でも見せた巻き込みサーブは、打球の終わりにほんの少し上下にラケットを動かしています。

この「わずか」な違いが、一流選手との試合では効いてきます。解説の水谷隼さんは、この工夫について、次のように語っています。

「この動きによって、平野選手も0.1秒くらい戻りが遅れるが、相手が一瞬迷うことになる。それによって、甘いレシーブが返ってくる可能性が増える」

卓球の頂点の戦いでは、簡単に1点は取らせてはくれません。いかに相手のミスを誘い、相手に通常のプレーをさせないために、プレーの細かい部分まで意識しながら卓球をする必要があることが、平野選手の試合からわかります。

勝負を決めたレシーブ

世界女王との戦いはフルセットまでもつれ込みました。最終セット第7ゲームの7-5の場面で、孫穎莎は今までの順回転サーブから変えて、初めて巻き込みサーブを使いました。少し甘く入ってきたサーブを見逃さず、平野選手は、そのサーブをストレートに返球して得点を取りました。

この得点について、解説の平野早矢香さんは、このように言っています。

「ここが勝負を決めたポイントでした。初めて使ってきたサーブが甘く入ったところを、見事に捉えて一発で仕留めたことにより、孫穎莎が同じサーブを出せなくなった。そこから得点を重ねたことを見ても大事なポイントだった」

世界1位の女王が、ほんのわずかに見せた隙を捉えて勝利をものにした平野選手の強さが見て取れます。

参照元:【公式】平野美宇が世界1位の孫穎莎を撃破し優勝!水谷隼、平野早矢香が優勝マッチを徹底解説!|卓球ジャパン!2023年8月5日

目標は高く シングルス銀メダル以上

2023年から続いた激動の五輪選考が終わり、パリの目標に照準を当てている平野美宇選手。過去女子シングルスでは、前回大会で伊藤美誠選手が銅メダルを獲得し、日本勢初のメダリストとなりました。

目指すは決勝進出、日本勢初の銀メダル以上を獲得すること。その言葉を裏付けるように、2023年は中国の格上選手である孫穎莎や王芸迪を倒してきた平野選手。パリ国際大会開催まであとわずかですが、見据える目標はすでに手が届く位置にあることを感じさせてくれます。

プライベートでは「料理」「早起き」「中国語」

平野選手のYouTubeチャンネルでは、チーズフォンデュを作る場面を挙げていますが、2023年は料理をテーマに掲げて取り組んでいたそうです。パリ選考会や海外大会で多忙を極めており、2024年はこの目標は一旦おやすみだとか。

もう一つの目標は「早起き」。一年の多くの時間を海外遠征で過ごす平野選手は、朝が苦手だそうです。2023年から取り組むようになり、少しずつ早く起きることが出来るようになったそうですが、今起きている時間より1時間早起きして、午前中にやることを終えたい!と意気込んでいます。

そして「中国語」を勉強したいと語る平野選手。昨年引退した石川佳純選手もメディアを前に中国語を流暢に操る姿を見せていますが、平野選手も頑張って中国語を覚えたいと語っています。

卓球において中国語を話せるようになると、コーチとのやりとり、選手間のやりとりがスムーズにいき、より一層選手としての幅が広がります。また、卓球の動作や仕草には、日本語には無い表現があり、正確に感覚や技術を学べることにも繋がります。

それ以外にもいくつか頑張りたい項目を挙げている平野選手。プレーとは異なり、少しお茶目な一面が見られますが、そんな所に彼女の魅力が溢れでています。

いかがでしょうか?平野選手が大舞台で活躍する姿がもうすぐ見れます。ぜひ皆で平野選手を応援しましょう!

参照元:平野美宇 2023年振り返り!パリ五輪に向けて来年の目標は!?私生活では○○を直したい!?

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香川英信
鍼灸整体治療家、スポーツトレーナー。立位姿勢と前屈から選手の特徴を判断し、トレーニングと鍼灸整体施術を行う。全日本スキークロストレーナーとしてヨーロッパで行われるW杯に帯同、2022年は世界ランク6位と選手の過去最高成績に貢献。また2023年9月卓球アジア選手権に田中佑汰選手のトレーナーとして帯同、中国選手を倒し日本人唯一のベスト8進出の裏方を担った。オリンピックを狙うアスリートから、小中高生のトレーニング指導と治療及び一般の方の治療を千葉県浦安市で行っている。筑波大学体育専門学群卒。弱点は前十字靭帯と内側側副靱帯を痛めている左足。妻・子供二人とサビ猫1匹の5人家族。
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