
堀島行真(ほりしま いくま)選手は、2022年の北京大会での銅メダルを経て、2026年ミラノ・コルティナ大会で悲願の頂点を狙う日本モーグル界のエースです。2024年に種目別年間王者、2025年に世界選手権を制した絶好調の勢いそのままに、男子モーグルで日本初の「金」獲得という歴史的快挙に挑みます。
■プロフィールと基本情報
| 項目 | 内容 |
| 氏名 | 堀島 行真(ほりしま いくま) |
| 生年月日 | 1997年12月11日 |
| 出身地 | 岐阜県揖斐郡池田町 |
| 身長 / 体重 | 170cm / 71kg |
| 所属 | トヨタ自動車 |
| 出身校 | 中京大学 |
| 主な使用ギア | ID one(スキー板) |
堀島選手は、そのストイックな姿勢から「モーグル界の求道者」とも称されます。トヨタ自動車に所属し、最新のテクノロジーやデータ分析、さらには陸上競技のトレーニングを取り入れるなど、常に「世界一」への最短距離を模索し続ける、日本を代表するアスリートです。
■来歴:雪上を遊び場に育った「負けず嫌い」の神童
堀島選手のスキー人生は、歩き始めて間もない1歳から始まりました。
- 雪山が日常の幼少期: スキー好きの両親に連れられ、地元の岐阜県内のスキー場が彼の遊び場でした。4年生で本格的にモーグルを始めますが、初めて出場した5年生の大会では途中棄権という悔しい結果に。「次こそは一番になる」と心に誓ったこの瞬間が、彼の勝負師としての原点となりました。
- 驚異の身体能力と成長: 中学生になると、全日本ジュニア選手権で優勝するなど、その才能は一気に開花します。地元の池田町や中京大学での英才教育を受け、モーグルに必要な「空中感覚」と「強靭な足腰」を徹底的に鍛え上げました。
- 世界を震撼させた2017年: 19歳で出場した世界選手権。当時「絶対王者」として君臨していたミカエル・キングズベリーを破り、モーグルとデュアルモーグルの2冠を達成。一夜にして「世界のホリシマ」へと駆け上がりました。
■主要大会での実績:頂点への階段を着実に登る
堀島選手のキャリアは、常に世界のトップシーンとともにあります。
- 2018年 平昌での国際大会: 初出場ながらメダル候補と目されるも、予選での転倒が響き11位。この悔しさが、その後の徹底的な自己分析へと繋がります。
- 2022年 北京での国際大会(銅メダル): 極度の緊張感の中、執念の滑りで3位入賞。日本男子モーグルとして24年ぶりのメダルをもたらしましたが、本人の顔に笑みはなく、視線はすでに4年後の頂点を見据えていました。
- 2023-24シーズン ワールドカップ年間王者: シーズンを通して圧倒的な安定感を誇り、ついに種目別総合優勝(クリスタルグローブ)を達成。「世界で最も強いモーグル選手」であることを証明しました。
- 2025年 世界選手権金メダル: ミラノでの国際大会を翌年に控えたプレシーズン、新技を武器に再び世界の頂点へ。名実ともに「世界ランク1位」としてミラノの舞台に立ちます。
■技術とパフォーマンス:相互に噛み合う攻撃力と修正力
堀島行真の強さは、一言で言えば「圧倒的な攻撃力」と「理論に裏打ちされた修正力」の融合です。
1. 異次元の新技「コーク1440」
2026年大会に向けて彼が用意した最大の武器が、空中で4回転する大技「コーク1440」です。これまでの主流だった3回転(1080)からさらに1回転増やし、エアの得点を2〜3点底上げします。この高難度技を、着地後すぐにターンの体勢へ移れる高い精度で成功させる力は、現在の世界で彼にしかできない領域に達しています。
2. スピードと「カービング」の融合
彼の滑りは、モーグル特有の衝撃を吸収するだけでなく、コブを積極的に「攻める」スタイルです。最短距離を驚異的なスピードで駆け抜けるそのターンは、ジャッジに対して「誰よりも速く、誰よりも力強い」という強烈な印象を与えます。
3. 陸上競技を取り入れた「クロス・トレーニング」
オフシーズンには棒高跳びに挑戦するなど、異種競技の身体操作を学ぶことで空中でのバランス能力を向上させています。「なぜ失敗したのか」を物理法則レベルで追求する理論派の一面が、彼の進化を支えています。
4. メンタル:「最後の失敗」にする覚悟
「一度犯した失敗は、二度と繰り返さないための最高の教材」と考える彼は、逆境に極めて強い選手です。北京での悔しさをバネに、どのような雪質やコース状況でも自分の滑りを出し切る「精神の安定感」を手にしました。
■出場種目の詳細とライバル
【種目:フリースタイルスキー・男子モーグル】
急斜面に配置されたコブ(雪の塊)を滑り降り、2箇所のジャンプ台でエア(空中技)を披露。ターン(50%)、エア(25%)、スピード(25%)の合計点で競われます。
【主要ライバル】
- ミカエル・キングズベリー(カナダ): 「キング・オブ・モーグル」と称される史上最強のスケーター。W杯通算100勝に迫る経験と安定感は、堀島選手にとって常に超えなければならない最大の壁です。
- ワルター・ウォールバーグ(スウェーデン): 北京での国際大会金メダリスト。爆発的なスピードを持っており、予選から決勝まで常に高いパフォーマンスを維持する難敵です。
- ベンジャミン・カヴェ(フランス): ターンの技術において世界最高評価を受けるベテラン。コース難度が高いほど、その安定した滑りが脅威となります。
■メダル獲得の可能性と期待の注目ポイント
2026年ミラノ・コルティナでの国際大会において、堀島行真選手の金メダル獲得の可能性は極めて高いと断言できます。
今回の最大の注目点は、「コーク1440」という究極の矛を、いつ、どのタイミングで抜くかという戦術面にあります。2025年のプレ大会でも、彼は予選では確実に1080でまとめ、決勝の勝負どころで1440を完璧に決めるという理想的な展開を見せました。
また、開催地となるイタリアのリヴィーニョのコースは、彼が得意とする「斜度がきつく、スピードが出やすい」設定です。北京大会での銅メダルが彼に与えたのは、結果への執着ではなく「自分の滑りを信じ切る」という心の平安でした。
「世界一の称号は、通過点に過ぎない」
その言葉を胸に、雪上の求道者がミラノの空で誰よりも高く舞い、誰よりも速く滑り抜ける時、日本モーグル界に悲願の黄金の輝きがもたらされるでしょう。私たちの応援が、彼の背中を最後の一押しになるはずです!





