
村瀬心椛(むらせ ここも)選手は、スノーボード女子ビッグエアおよびスロープスタイルの現世界女王です。前回、17歳で挑んだ北京での国際大会にて日本人女子最年少メダリストとなり、今大会では日本女子初となる「金メダル」と二種目制覇への期待がかかります。進化した超大技と独自の表現力で、ミラノの空を華麗に舞います。
■プロフィールと基本情報
| 項目 | 内容 |
| 氏名 | 村瀬 心椛(むらせ ここも) |
| 生年月日 | 2004年11月7日 |
| 出身地 | 岐阜県岐阜市 |
| 身長 | 154cm |
| スタンス | グーフィー(右足が前) |
| 所属 | 北日本放送 / ムラサキスポーツ |
| 主なスポンサー | Red Bull, TOKIOインカラミ, BURTON |
村瀬選手は、小柄な体格からは想像もつかないパワフルなジャンプと、見る者を惹きつけるスタイリッシュな滑りが持ち味です。常に笑顔を絶やさない明るいキャラクターで、国内外のスノーボードファンから「KOKOMO」の愛称で親しまれています。現在は、妹の村瀬由徠選手と共に切磋琢磨し、世界最高峰の舞台を目指しています。
■来歴:岐阜のゲレンデから世界最年少女王へ
村瀬選手の歩みは、スノーボードを愛する家族と共に始まりました。
- 4歳でのデビュー: スノーボード好きの両親の影響で、4歳から雪上に立ちました。最初は寒さを嫌がることもありましたが、自由に滑れるようになるとその魅力に没頭。地元の岐阜県にある「鷲ヶ岳スキー場」などを拠点に、ナイター営業まで滑り続ける日々を過ごしました。
- 「岐阜の神童」として注目: 小学4年生の頃には、すでに大人顔負けの回転技を習得。室内練習施設「岐阜KINGS」で、1年中ジャンプの練習に明け暮れることで、驚異的な空中感覚を養いました。
- 13歳での衝撃的な世界デビュー: 2018年、ノルウェーで開催された「X Games」に招待枠で出場。当時13歳という若さで、女子では世界初となる「バックサイド・ダブルコーク1260」を成功させ、大会史上最年少での金メダルを獲得するという、スポーツ界の歴史を塗り替える快挙を成し遂げました。
この衝撃的なデビュー以来、彼女は常に「世界が注目する次世代の主役」として、トップシーンを走り続けてきました。
■主要大会での実績
10代半ばから世界の頂点を争い続けてきた村瀬選手の足跡は、輝かしいメダルで彩られています。
- 2021-22シーズン: 北京で開催された大規模な冬季国際大会にて、スノーボード女子ビッグエアで銅メダルを獲得。17歳でのメダル獲得は、日本の冬季国際大会における女子史上最年少記録となりました。また、同シーズンのワールドカップでは、スロープスタイルとビッグエアの両種目で種目別年間優勝、さらに総合優勝の「三冠」を達成しました。
- 2023-24シーズン: 左足首の骨折という大きな怪我を乗り越え、戦線に復帰。X Gamesやワールドカップで複数の優勝を飾り、完全復活を印象づけました。
- 2024-25シーズン: 世界選手権にてビッグエア金メダル、スロープスタイル銀メダルを獲得。名実ともに世界ナンバーワンの座を不動のものにしました。
- 2025-26シーズン(現在): ミラノでの国際大会を直前に控えた2026年1月、伝統あるW杯「ラークス・オープン」のスロープスタイルで今季初優勝。最高の状態で本番へと乗り込みます。
■技術とパフォーマンス:“かっこよさ”を追及するスタイル
村瀬選手の強さは、単なる高回転ジャンプだけではありません。その「質」と「姿勢」にあります。
1. 人類未踏の回転数「1620」の衝撃
2025年末、村瀬選手は練習において女子として世界初となる「バックサイド・トリプルコーク1620(縦3回転、横4回転半)」に成功しました。これは、現在世界で彼女しか持ち合わせていない究極の武器です。ミラノの国際大会では、この大技をいかに完璧に着地させるかが金メダルへの鍵となります。
2. 「スタイル」へのこだわり
スノーボード競技では、技の難易度だけでなく「格好良さ(スタイル)」が重要視されます。村瀬選手は、板を掴む「グラブ」の長さや、空中での体のラインに人一倍のこだわりを持っています。ジャッジが「もっと見たい」と思わせる彼女独自の表現力は、他選手との差別化を生む大きな要因です。
3. 柔軟な戦術眼
スロープスタイルでは、コース上の障害物(レールやボックス)の使い方が問われます。村瀬選手はスケートボードの経験も活かしたクリエイティブなライン取りを得意としており、悪天候や雪質の変化に対しても、即座に構成を変更して安定した得点を出すことができます。
4. 挫折を知る強さ
2023年の怪我を経験したことで、彼女は「滑れることの喜び」を再確認しました。以前のようなプレッシャーに押し潰されるのではなく、舞台を楽しむ余裕が生まれたことが、現在の圧倒的な勝負強さに繋がっています。
■出場種目の詳細とライバル
【種目:スロープスタイル & ビッグエア】
- スロープスタイル: 斜面に設置されたレールやキッカー(ジャンプ台)を連続して攻略し、全体の流れと技の完成度を競います。
- ビッグエア: 巨大なジャンプ台から一発の跳躍を披露し、その難易度やスタイルを競います。
【主要ライバル】
- ミア・ブルックス(イギリス): 10代にして驚異的な回転技を持つ若手筆頭株。村瀬選手を脅かす最大のライバルであり、次世代の頂上決戦として注目されています。
- ゾイ・サドウスキー=シノット(ニュージーランド): 圧倒的な安定感を誇る前回大会の覇者。精神的な強さと完璧なランは、今大会でも高い壁となります。
- アンナ・ガッサー(オーストリア): 二大会連続の金メダリスト。ベテランの経験値と、高さのあるジャンプは健在です。
- 岩渕麗楽 & 深田茉莉(日本): 同じ日本代表であり、世界トップの実力を持つ二人。特にビッグエアでは、日本人選手同士が表彰台を独占する可能性も十分にあります。
■メダル獲得の可能性と期待の注目ポイント
ミラノ・コルティナの国際大会において、村瀬心椛選手が「金メダル」を含む複数のメダルを獲得する可能性は、極めて高いと言えます。
最大の注目は、やはりビッグエア決勝での「トリプルコーク1620」への挑戦です。もしこれが国際大会の晴れ舞台で成功すれば、それは女子スノーボードが新たな次元へ突入したことを意味します。
また、今大会には妹の由徠(ゆら)選手も共に代表の座を争い、出場を確実にしています。「姉妹での表彰台」という、夢のようなドラマが現実になる瞬間が訪れるかもしれません。
北京での銅メダルから4年。かつての「天才少女」は、心身ともに充実した「絶対女王」へと進化を遂げました。ミラノの眩い光を浴びて、自身の人生そのものと語るスノーボードで、彼女がどのような伝説を描き出すのか。表彰台の一番高いところで、あの太陽のような笑顔が輝くことを、日本中のファンが信じています。




