
深田茉莉(ふかだ まり)選手は、競技開始からわずか2年半でワールドカップ制覇を成し遂げた「驚異の新星」です。愛知県出身、19歳で迎える2026年ミラノ大会では、スロープスタイルとビッグエアの二種目に出場予定。世界トップクラスの回転技術と独自のスタイルを武器に、日本女子による表彰台独占、そして金メダル獲得という歴史的快挙を狙います。
■プロフィールと基本情報
| 項目 | 内容 |
| 氏名 | 深田 茉莉(ふかだ まり) |
| 生年月日 | 2007年1月1日 |
| 出身地 | 愛知県みよし市 |
| 身長 | 160cm |
| 所属 | ヤマゼンホールディングス |
| 主な種目 | スノーボード・スロープスタイル / ビッグエア |
| 主な武器 | キャブ1260、フロントサイド1080、独自のグラブスタイル |
深田選手は、2007年の元日に生まれた「持っている」アスリートです。スノーボード大国・日本の中でも、特に女子の層が厚いスロープスタイルおよびビッグエア種目において、瞬く間に世界のトップへと駆け上がりました。その特徴は、単なる高回転に留まらない「スタイル」へのこだわり。ジャッジを唸らせるクリーンな着地と、長い滞空時間を活かした独自のグラブ(板を掴む動作)が彼女のトレードマークです。
■来歴:13歳からのスタート。常識を覆す「2年半」の奇跡
スノーボード界では、3歳や4歳から雪上に立つのが一般的ですが、深田選手の歩みは異例中の異例です。
- 遅咲きのスタート: 本格的に競技を始めたのは13歳の頃。中学生になってからプロを目指すという選択は、通常であれば「遅すぎる」と言われるタイミングでした。しかし、愛知県という雪の少ない地域にいながら、室内練習施設やジャンプ練習施設(クエストなど)を徹底的に活用し、一年中ボードに触れ続けることで、圧倒的なスピードで技術を習得していきました。
- 驚異の集中力と吸収力: 彼女の強みは、一度教わったことを即座に体現できる高い身体能力と、ビデオ解析を繰り返す探究心にあります。雪上での練習時間が限られていたからこそ、一本一本のジャンプに対する集中力が養われ、結果として「2年半でワールドカップ初出場・初優勝」という、世界中が目を疑うような快挙に繋がったのです。
- 愛知から世界へ: 椙山女学園中学校からS高等学校へと進み、学業と競技を両立。2024年に通信制高校を卒業する頃には、すでに世界ランク上位の常連となっていました。地元・愛知県みよし市からも多大な期待を背負い、今回の国際大会へと挑みます。
■主要大会での実績:表彰台を席巻する「若き女王」
デビュー以来、彼女が積み上げてきた実績は枚挙にいとまがありません。
- 2022年 W杯ビッグエア(スイス・クール): 弱冠15歳にして、ワールドカップ初出場でいきなり優勝を飾る衝撃のデビュー。これにより「Mari Fukada」の名は一晩にして世界中に轟きました。
- 2024-25シーズン ワールドカップ: カナダ・カルガリー大会のスロープスタイルで自身初となる種目別優勝を達成。ビッグエアだけでなく、レールセクションを含むスロープスタイルでも世界一であることを証明しました。
- 2025年 世界選手権(エンガディン): ビッグエアで銅メダルを獲得。強風の中、極限の集中力で高難度技を決め、自身初のメジャータイトル・表彰台に登りました。スロープスタイルでも4位入賞を果たし、二種目での強さを印象づけました。
- 2025-26シーズン 直近の勢い: 2026年1月に行われたワールドカップ・中国大会(シークレットガーデン)のビッグエアで優勝。ミラノ直前の最も重要な一戦を制し、文句なしの状態で大舞台に臨みます。
■技術とパフォーマンスの分析:「高さ」と「掴み」が生む芸術性
深田茉莉のライディングがなぜ高く評価されるのか、その理由は「物理的な正確さ」と「芸術的な表現」の両立にあります。
1. 高回転における「軸」の安定感
女子のトップ戦線では1260(3回転半)や1440(4回転)が必須となっています。深田選手は、踏み切りの瞬間に理想的な軸を作り出すことが非常に上手く、回転中も姿勢が一切崩れません。これにより、着地前の「余裕」が生まれ、どのタイミングでも確実に地面を捉えることができます。
2. ジャッジの評価を変える「グラブ」のこだわり
「ただ回るだけでは勝てない」というのが彼女の信念です。ジャンプの頂点で板をどこまで長く、力強く掴めるか(ホールド感)。彼女はキャブ1260などの大技の最中にも、独自のグラブをミックスさせることで、他の選手にはない「自分だけの形」を表現します。これが、構成点における大きな加点要素となっています。
3. ジブ(障害物)セクションの正確性
スロープスタイルにおいて勝敗を分けるのが、コース序盤にあるレールやボックスなどの「ジブ」セクションです。深田選手はジャンプの印象が強いですが、実はレールの擦り方(ジビング)の精度も非常に高く、流れるようなライン取りでミスなくジャンプセクションへと繋げます。
■出場種目の詳細と強力なライバルたち
【出場予定種目】
- スノーボード・女子スロープスタイル: 多彩な障害物とキッカーが組み合わさったコースでの総合力を競います。
- スノーボード・女子ビッグエア: 一発の巨大なジャンプで、難易度、高さ、着地の美しさを競います。
【主要ライバル】
- 村瀬心椛(日本): 日本女子のエースであり、2025年世界選手権の覇者。最大のライバルであり、共に表彰台を独占したい最高のチームメイトです。
- 岩渕麗楽(日本): トリプル回転を武器にする先駆者。経験値と技術の高さは今なお世界トップ。
- ゾイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド): 前回大会の覇者。圧倒的なスピードと安定感を誇る、現役最強のライダーです。
- ミア・ブルックス(イギリス): 独創的なトリックを繰り出す若き天才。深田選手と同世代であり、ミラノでは激しい火花を散らすことになるでしょう。
■メダル獲得の可能性と期待の注目ポイント
2026年ミラノ大会において、深田茉莉選手が二種目でメダルを獲得する可能性は極めて高いと言えます。
今大会の勝負を分けるのは、スロープスタイルとビッグエアの両方で、「1440(4回転)」を完璧にメイクできるかという点に集約されます。深田選手は練習ですでにこの技を自分のものにしており、本番で繰り出す準備は万全です。
特に注目したいポイントは、予選から決勝にかけて見せる彼女の「適応力」です。現地の雪質やジャンプ台の形状を瞬時に把握し、最適なルーティンに修正する能力は、これまでのワールドカップでの快進撃が証明しています。
「13歳で始めたからこそ、失うものは何もない。一番最後に始めた私が、一番高く飛んでみせる」
この不屈の精神こそが、彼女をミラノの頂点へと押し上げる最大のエネルギーです。日本女子が世界の表彰台を独占し、その中央に深田選手が立つ瞬間 ― 私たちは新しい歴史の目撃者となるはずです!



