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日本が誇る「高精度の精密機械」木俣椋真 ― ”最も崩れない男”が見せた銀色の安定感

日本が誇る「高精度の精密機械」木俣椋真 ― ”最も崩れない男”が見せた銀色の安定感

木俣椋真(きまた りょうま)選手は愛知県名古屋市出身。3歳からスノーボードを始め、室内ゲレンデで磨いた圧倒的な空中感覚を武器に台頭。2025年世界選手権ビッグエアでの金メダルを経て、迎えた2026年2月の国際大会では男子ビッグエアで見事銀メダルを獲得。世界屈指の安定感と高難度スキルを証明しました。


プロフィールと基本情報

木俣選手は、若手実力者がひしめく日本スノーボード界の中でも「最も崩れない男」として知られています。

項目内容
氏名木俣椋真(きまた りょうま)
生年月日2002年7月24日
出身地愛知県名古屋市
所属ヤマゼンロックザキッズ
出身校享栄高校
競技種目スノーボード・スロープスタイル / ビッグエア
スタンスレギュラー
主な武器フロントサイド1800、バックサイド1800

幼少期から「スノーボードを楽しむこと」を忘れず、かつストイックに技術を研鑽してきた彼のスタイルは、多くのファンを魅了しています。


来歴:室内ゲレンデが生んだ「精密機械」の誕生

木俣選手のキャリアを語る上で欠かせないのが、地元の愛知や岐阜にある室内スノーボード練習場(スノーヴァ羽島など)での経験です。スノーボード愛好家の両親の影響で3歳から板に乗り始めた彼は、雪のない季節でも1年中ジャンプの練習ができる環境に身を置きました。

この「反復練習が可能な環境」が、彼の最大の武器である空中でのズレの少なさを育みました。小中学生時代から国内の主要なユース大会を総なめにし、早くから「名古屋にすごい中学生がいる」と業界の注目を集めていました。派手なパフォーマンス以上に、何度滑っても同じ軌道を描ける再現性の高さは、当時から大人顔負けのレベルに達していたのです。


これまでの主要大会での実績

世界を相手に戦うようになってからの木俣選手の快進撃は、目を見張るものがあります。

  • 2020年: ユース世代の最高峰の国際大会においてビッグエアで優勝
  • 2023年: 世界選手権(ジョージア・バクリアニ)スロープスタイルで銀メダル
  • 2024年: ワールドカップ(バクリアニ大会)スロープスタイルで初優勝
  • 2025年: 世界選手権(スイス・エンガディン)ビッグエアにて、悲願の金メダルを獲得。

特に2025年の世界一の称号は、彼が単なる「有望株」から「世界の主役」へと完全に脱皮した瞬間でした。


技術とパフォーマンスの分析:なぜ彼は「落ちない」のか

木俣選手のライディング最大の特徴は、「軸の安定感」「着地の正確性」です。

スノーボードのビッグエアでは、1800度(5回転)を超える超高速回転が当たり前となっていますが、回転数が増えるほど着地でのミスが増えるのが定石です。しかし、木俣選手は空中で板を掴む「グラブ」を限界まで離さず、着地の寸前までボードをコントロール下に置いています。

  1. 高難度スピンの安定: フロントサイド、バックサイド共に1800を完璧にこなし、さらにその先の回転数すら視野に入れた圧倒的なスキル。
  2. ジブ(障害物)スキルの高さ: スロープスタイルにおけるレール上での動きも非常にタイトで、流れるようなライン取りはジャッジから高く評価されます。
  3. メンタルの平熱さ: どんな大舞台でも表情を変えず、淡々と自分のルーティンを完遂する「ポーカーフェイス」も、相手にとっては脅威となります。

2026年大会:宿命のライバルたちと銀メダルの輝き

イタリアの地で開催された今大会、男子ビッグエアは歴史に残るハイレベルな攻防となりました。

今大会の主なライバル

  • 木村葵来(日本)/結果:金メダル
    同じ日本チームの絶対的エース。驚異的な高さと独創的なトリックを武器にする最強の同僚。見事今大会で金メダルを獲得しました。
  • 蘇翊鳴(スー・イーミン、中国)/結果:銅メダル
    前回大会の王者。圧倒的なスター性と勝負強さを持ち、今大会でも日本人選手のワンツーに続いて表彰台に食い込み、実力は健在でした。

決勝の結果

決勝では、木村葵来選手が異次元のランを見せて金メダルを獲得。木俣選手は、1本目で完璧なバックサイド1800を決めると、プレッシャーのかかる3本目でもフロントサイドのビッグトリックを成功させ、合計スコアで見事銀メダルに輝きました。

「日本人同士で高め合えたことが何より嬉しい」と語ったその姿には、個人競技の枠を超えた「チームジャパン」の絆が感じられました。


メダル獲得の最大の要因:環境とライバル、そして「基礎」

木俣選手が今回、この世界最高峰の舞台でメダルを掴み取った最大の要因は、「盤石な基礎力に基づく適応力」にあります。

イタリアの特設会場は、風の影響や雪質が時間ごとに変化する過酷なコンディションでした。多くの海外勢が着地で苦戦する中、木俣選手だけは「室内ゲレンデで数万回繰り返してきた基礎」を土台に、空中で瞬時に微調整を行うことができていました。

また、同じ日本代表に世界ランク1位を争うようなライバルが複数いたことも、彼のモチベーションを極限まで引き上げました。練習から互いの技をチェックし、高め合う。この「世界一レベルが高い練習環境」が、彼を銀メダルへと押し上げたのです。


あなたのその精密なライディングは、次世代を担うスノーボーダーたちにとって最高の教科書となりました。

「次は一番高い場所へ」。その静かなる闘志が、また新しい伝説を作ってくれることを信じています。

おめでとう!木俣椋真選手、銀メダル獲得!

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