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SP9位からの奇跡 ― 佐藤駿、盟友・鍵山優真と並んで登った表彰台と「4回転時代」の新たな幕開け

SP9位からの奇跡 ― 佐藤駿、盟友・鍵山優真と並んで登った表彰台と「4回転時代」の新たな幕開け

魂を揺さぶる「4回転の旋律」 ― 2026年ミラノ・コルティナ国際大会、男子フィギュアスケートで佐藤駿選手が、堂々の銅メダルを獲得しました!

SP(ショートプログラム)での出遅れという絶望的な状況から、誰よりも高く、誰よりも強く氷を蹴り上げて掴み取った銅メダルは、単なる順位以上の「不屈の証明」に他なりません。

羽生結弦選手に憧れ、数々の怪我や不調を乗り越えて磨き上げた「4回転ルッツ」を武器に、日本男子フィギュアの伝統を繋ぐ輝かしい成果を手にしました。


■プロフィールと基本情報

項目内容
氏名佐藤 駿(さとう しゅん)
生年月日2004年2月6日(22歳 ※2026年大会時)
出身地宮城県仙台市
所属エームサービス / 明治大学
コーチ日下匡力、浅野敬子
主な武器4回転ルッツ、圧倒的なジャンプの飛距離

佐藤選手は、かつての絶対王者・羽生結弦選手と同じ仙台のリンクで育ちました。静かな語り口とは裏腹に、リンクに立てば驚異的な跳躍力を見せる「ジャンプの申し子」として知られています。


■来歴:幼少期から注目される直前まで

佐藤選手のスケート人生は、まさに「北国が生んだジャンプの天才」の歩みそのものでした。

  • 氷都・仙台での出会い: 5歳の時、仙台のリンクでスケートを始めました。同郷のスターである羽生結弦選手から、幼少期に直接ペンダントを贈られたエピソードは有名です。「いつか、結弦くんと同じ景色を見たい」――その想いが、彼を氷の上へと駆り立てました。
  • 早熟のジャンパー: 小学校時代から、そのジャンプの才能は群を抜いていました。ノービス時代にはすでにトリプルアクセル(3回転半)を習得し、「将来の金メダル候補」として注目を浴びます。
  • 震災とリンク閉鎖の苦難: 東日本大震災により地元のリンクが閉鎖されるなど、厳しい練習環境を強いられた時期もありました。しかし、彼は場所を求めて移動し、ひたむきに技術を磨き続けました。この時期に培われた「どんな環境でも折れない心」が、今回のミラノでの大逆転劇の礎となったのです。

■これまでの主要大会での実績

佐藤選手の道のりは、決して平坦なものではありませんでした。

  1. 2019年 ジュニアグランプリファイナル: 当時の世界ジュニア最高得点を更新して優勝。一躍、世界のトップ層に名乗りを上げました。
  2. 2022年 北京での国際大会: 代表争いの激化と怪我により、惜しくも出場を逃しました。テレビの前で盟友・鍵山選手の活躍を見る悔しさが、彼を大人へと成長させました。
  3. 2023-2024シーズン グランプリシリーズ: 4回転ルッツを完全に武器として確立。複数の大会で表彰台に登り、世界ランクをトップ3圏内に引き上げました。
  4. 全日本選手権: 幾度となく強豪たちと火花を散らし、ミラノ国際大会の切符を自らの手で勝ち取りました。

■技術とパフォーマンスの分析:なぜ「世界を震撼させた」のか

佐藤選手の最大の特徴は、「世界で最も美しい」と称される4回転ルッツにあります。

  • 驚異の滞空時間: 彼のジャンプは、高さだけでなく「幅」が非常に大きいのが特徴です。まるで空中で時間が止まったかのような浮遊感があり、ジャッジの加点(GOE)を大きく引き出します。
  • 高難度構成の完遂能力: フリーでは4回転ルッツを含む、複数本の4回転ジャンプを組み込みます。今大会では、後半に組み込んだコンビネーションジャンプも完璧に成功させ、技術点(TES)で凄まじい数字を叩き出しました。
  • 表現力の深化: かつてはジャンプ偏重と言われることもありましたが、今大会では指先の動きやスケーティングの滑らかさが格段に向上。プログラムの世界観を壊さない「大人の演技」ができるようになったことが、高得点に繋がりました。

■出場種目と今大会のライバル、メダル争いの結果

【種目:フィギュアスケート 男子シングル】

ミラノ大会の男子シングルは、フィギュアスケートの歴史が変わる「激動」の一戦となりました。

死闘を演じたライバルたち

  • ミハイル・シャイドロフ(カザフスタン):金メダル
    フリーで神がかり的な演技を見せ、SP5位から金メダルを奪取した新王者。
  • 鍵山 優真(日本):銀メダル
    完璧な技術と表現力の融合を見せた、佐藤選手の最大の友でありライバルです
  • イリア・マリニン(アメリカ): 8位
    4回転アクセルという究極の武器を持つ絶対王者ながら、今大会はまさかの不調に沈みました。

決勝:震えるような逆転劇

SPでジャンプのミスが重なり、まさかの9位に沈んだ佐藤選手。メダルは絶望的かと思われましたが、彼は諦めていませんでした。

フリー「四季」のメロディが流れると、佐藤選手は冒頭の4回転ルッツを完璧にメイク。その後もミスなくジャンプを重ね、演技が終わる頃には会場から割れんばかりの拍手が沸き起こりました。

結果は、フリーで自己ベストを大きく更新する186.20点を記録。上位陣が次々と崩れる中、総合274.90点まで乗せて順位を上げ、劇的な銅メダルを手にしました。


■メダル獲得の最大の要因:自分を信じ抜く「静かな情熱」

佐藤選手が銅メダルを掴めた最大の要因。それは、「SPの失敗を引きずらなかった精神的な成熟」です。

4年前までの佐藤選手なら、一度のミスで崩れてしまっていたかもしれません。しかし、北京大会を逃し、怪我に苦しんだ4年間で、彼は「何が起きても、次の瞬間に全力を尽くす」という強靭なメンタルを養いました。

また、共に表彰台に登った鍵山優真選手の存在も欠かせません。SPの夜、沈む佐藤選手に鍵山選手がかけた言葉が、彼の闘志を再点火させました。二人の絆が、日本勢ダブル表彰台という最高の結末を呼び込んだのです。

「最後まで諦めずに滑って本当によかった。結弦くんに、少しは近づけたでしょうか」

表彰式で銅メダルを手に、涙を浮かべて語った佐藤選手。その姿は、逆境に立ち向かうすべての人に勇気を与えるものでした。


佐藤駿選手、銅メダル獲得、本当におめでとうございます!

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