
かつての「日の丸飛行隊」と称された伝統を背負い、次世代のエースとして覚醒した二階堂蓮選手。追い風、向かい風、そして幾多のプレッシャーを跳ね除け、ジャンプラージヒルで見事に銀メダルを獲得しました!
二階堂蓮(にかいどう れん)選手は、北海道出身のスキージャンプ界期待の新星。空中での抜群の安定感と強心臓を武器に、日本男子ラージヒルに新たな金字塔を打ち立てました。
■プロフィールと基本情報
| 項目 | 内容 |
| 氏名 | 二階堂 蓮(にかいどう れん) |
| 生年月日 | 2001年5月24日(24歳 ※2026年大会時) |
| 出身地 | 北海道江別市 |
| 所属 | 雪印メグミルク |
| コーチ | 岡部孝信(1998年長野大会金メダリスト) |
| 主な武器 | 爆発的な踏み切りスピード、ラージヒル特有の揚力を活かす飛行 |
二階堂選手は、名門・雪印メグミルクの伝統を継承するジャンパー。1mでも遠くへ飛ぶことが求められるラージヒルこそ、彼の持ち味である「空中での粘り」が最も発揮される舞台です。
■来歴:幼少期から注目される直前まで
二階堂選手のジャンパーとしての原点は、北海道の雪深い冬にありました。
- 大ジャンパーへの憧れ: 幼少期から「空を飛びたい」という一心で、地元の小さなジャンプ台に通い詰めました。特に、空中での滞空時間が長いラージヒルへの憧れは強く、ビデオが擦り切れるまで世界のトップジャンパーの飛行姿勢を研究していました。
- 挫折と肉体改造: 高校時代までは空中でのバランスを崩しやすい弱点もありましたが、大学・社会人と進むにつれ、徹底した体幹トレーニングを敢行。空気の壁を切り裂くような、強靭な飛行フォームを完成させました。
- 名門での覚醒: 雪印メグミルク入り後、伝説の「日の丸飛行隊」メンバーから、ラージヒル特有の強い向かい風を味方につける術を学びました。これが、今回のミラノでの大飛躍の決め手となりました。
■これまでの主要大会での実績
- 2022年 コンチネンタルカップ: 欧州の難関ジャンプ台で優勝。
- 2024年 ワールドカップ札幌大会: 地元の声援を受け、ラージヒルで初の表彰台に登壇。
- 2025年 世界選手権: ラージヒル個人で上位に食い込み、今回の国際大会に向けた盤石の体制を築きました。
■技術とパフォーマンスの分析:なぜ「ラージヒルの風」を味方にできたのか
二階堂選手の滑りと飛行には、ラージヒルを制するための「秘密」があります。
1. 初速を維持する「助走姿勢」
ラージヒルはノーマルヒルよりも助走距離が長く、時速95km前後のスピードに達します。二階堂選手は極限まで低い姿勢を保ち、空気抵抗を最小限に抑えることで、踏み切り(カンテ)に最大のエネルギーを運び込みます。
2. 「揚力」を極大化する飛行
飛び出した後、彼は板を「ハ」の字よりもさらに広く開き、全身を一枚の翼のように使います。これにより、ノーマルヒルでは得られない強い浮力をラージヒル特有の気流から引き出し、後半の失速を防いでいます。
3. プレッシャー下の「140m越え」
今大会、彼はプレッシャーがかかる2本目で、ヒルサイズを越える特大ジャンプを披露。着地まで一切のブレを見せないその集中力は、世界中を驚かせました。
■出場種目と今大会のライバル、メダル争いの結果
【種目:スキージャンプ 男子個人ラージヒル】
ミラノの夜を貫くライトの中、男たちの「最長不倒」への挑戦が始まりました。
立ちはだかる宿敵
- ドメン・プレブツ(スロベニア):金メダル
スロベニアのジャンプ界に君臨する「プレブツ4兄弟」の三男であり、今大会でもその異彩を放っていました。 - カツペル・トマシャク(ポーランド):銅メダル
若干19歳ながら、スキージャンプが国技とも言えるポーランドにおいて、レジェンド、カミル・ストッフ選手の後継者として熱狂的な期待を背負っている選手です。
決戦:歴史的な空中戦
1本目、二階堂選手は140メートルのビッグジャンプを決め、暫定首位に立ちます。
2本目は惜しくも136.5メートルにとどまり、トップに立ったプレブツにわずかに及びませんでしたが、堂々の銀メダルとなりました。
■メダル獲得の最大の要因:失敗を糧にした「1mへの執念」
二階堂選手がラージヒルで銀メダルを掴めた最大の要因。それは、「ラージヒル特有の気流変化に対応する瞬発的な判断力」です。
1本目と2本目で風向きが微妙に変わる中、彼は踏み切りの角度を微調整し、風を「避ける」のではなく「乗る」ことに成功しました。これは、過去の敗北から学び、何万回と繰り返したシミュレーションの成果です。
「もしかしたらまた銅メダルかもという思いが頭をよぎった。けれど、銀メダル。合格なんじゃないかと、自分を褒めてやりたい」
ジャンプ日本勢で同一大会3つめのメダル獲得は、1998年の長野国際大会での船木和喜選手以来となる28年ぶりの快挙となりました。
二階堂蓮選手、銀メダル獲得、本当におめでとうございます!



