2024年2月に釜山で行われた世界卓球団体戦。打倒中国を掲げて決勝戦まできた女子日本卓球チーム。激闘の末、2-3で中国に軍配が上がり、中国という壁の高さを確認させられた大会となりました。決勝の中国戦では、早田ひな選手を筆頭に平野美宇選手、張本美和選手が出場し、世界ランク上位陣の中国を相手に善戦、パリへ繋がる戦いをしてくれました。
今回の決勝戦は選手の創意工夫が感じられる戦いでした。元日本代表の平野早矢香さん、水谷隼さんのコメントをもとに詳しく解説していきます。
VS陳夢 ロングサーブで切り開いた早田ひな
4年間日本人選手に負けがない陳夢選手に挑んだ早田ひな選手。1ゲーム目を取られた後、戦い方を修正しながら多彩なサーブを仕掛けた早田選手が、その後3ゲームを連続で取り、見事勝利しました。
この戦いを見ていた解説の平野早矢香さんは次のように語っています。
「今までと違うなと思ったのが、早田ひな選手のサーブのトスの高さです。投げ上げサーブと言われる高いトスに加えて、短いトス、中くらいのトスと様々なトスを織り交ぜました。大事なところでは短いサーブが多かった。ロングサーブを使っていたことが最後の最後まで効いていた。」
この戦いを見ていた水谷隼さんも、早田選手の実力は陳夢選手と比べても互角かそれ以上だと評価しています。試合で見えたレシーブの課題点を解決できれば中国代表と遜色ないレベルにあると言っています。
VS王芸迪 キレキレのフォアハンド 平野美宇
優勝することが絶対とされる中国に対して、1-1に持ち込んだことで相手選手にプレッシャーがかかる場面になりました。王芸迪選手の動きが固かったと平野早矢香さんが語るようにプレッシャーのかかる中国に対して平野美宇選手はキレのあるフォアハンドで圧倒しました。
王芸迪選手は、バック対バックの勝負で上手くいかないと感じてフォアに持ち込んだ球を、ことごとく打ち返していた平野美宇選手。特に、フォアサイドに切れていくフォアドライブを得点する時の打球の角度などはレベルの高いものでした。
解説の平野さんは「この球があることによって王選手がフォア勝負に持ち込むのを躊躇することになる」と相手選手の動きを封じる一手であったと語っています。
いかがでしょうか?ライブでご覧頂いていた方も多いと思いますが、本当に手に汗握る展開でした。この戦いを終えて、さらに強くなった女子日本卓球の活躍を期待したいですね!
それでは動画をご覧ください。