お腹周りの脂肪が気になる、二の腕がぷるぷる~、背中のお肉が、、、などなど、男女ともに脂肪が多くついた気になる部分があると思います。脂肪は全く必要ないとも言えませんが、余計な脂肪は極力落としたいですよね。そんな誰もが悩める体脂肪の燃焼について説明していきます。
まずは基礎代謝から
まずは痩せやすい身体にすることが重要です。結論として、基礎代謝量を上げることが最も体脂肪燃焼に重要な要素となります。
厚生労働省が提唱している、身体の基礎代謝を構成している臓器組織の割合を確認すると、筋肉は22%、肝臓21%、脳20%、心臓9%、腎臓8%、脂肪4%、その他16%となっており、想像よりも筋肉単独での代謝量というのは少ないことがわかります。
よく聞くのが「筋肉をつけて基礎代謝を上げて痩せやすくする」という情報も、筋肉だけを鍛えていても基礎代謝量を大幅に上げることは難しいと思います。もちろん筋肉を鍛えて筋肉量を増やしていくことも大切ですが、その他の臓器を健康にすることが痩せやすい身体にするための重要なポイントともいえるでしょう。
食べずに運動をすれば痩せると思っている方も多いですが、1日に占める代謝の20%程しか運動によるカロリー消費(生活活動代謝)が無く、1日のカロリー消費のうち70%を基礎代謝が占め、残り10%を食事の摂取によるカロリー消費(食事誘導性熱代謝)が占めているので、長期的な視点で見ると基礎代謝率を向上させるために、食べながら痩せることが痩せやすい身体に変革させるためにとても重要な行動だと考えています。
痩せ体質をつくる行動①
1つ目はサウナです。
最近ブームになっているサウナですが、心血管系の機能向上に役立つとわかっており、基礎代謝の9%を占める心臓の機能を上げることができます。フィンランド大学から発表された、73度のドライサウナに30分入りその後の血圧を測定するという研究での結果は、収縮期血圧、拡張期血圧ともに低下し、サウナ後30分が過ぎても収縮期血圧は低下し続けたという結果が出ています。
つまりサウナによって、血管の柔軟性が向上し、それに伴い、心臓の機能が向上したということです。
さらに、サウナの効果としては、心血管系の機能を良好にし、酸化ストレスが減少、身体の炎症抑制、免疫系や自律神経系の活動を良好にし、血中の脂質の減少、ホルモンレベルを改善させます。
ちなみに、短期的なダイエット効果には否定されており、あくまでも長期的な効果として心機能向上、アンチエイジング作用がありますので継続的に行いましょう。
痩せ体質をつくる行動②
2つ目は寒冷療法です。
具体的には冷水シャワーを浴びる方法です。これは褐色脂肪細胞を活性化させるということが目的で、褐色脂肪細胞というのはお腹の周りについている白色脂肪細胞を壊してくれる働きを持っています。
なので、褐色脂肪細胞を増やすことにより、脂肪を燃焼させる効果があります。寒冷療法により、総コレステロールや悪玉コレステロール、中性脂肪のトリグリセルドを減少させる効果があることが明らかになっています。
特に褐色細胞は肩甲骨の周辺に豊富にあるので、冷水シャワーをその周囲に万遍なくかけるようにすると良いでしょう。
痩せ体質をつくる行動③
3つ目はニンニクの摂取です。
ニンニクの摂取により肝機能を向上させます。肝臓の血液データであるALTの数値が高いと肝臓のダメージは大きいと判断されますが、ニンニクを摂取することにより、ASTとALTの数値を有意に下げて、肝臓のダメージを回復させます。
ニンニクの種類としては、
- 粉末→0.4~1.2g/日
- オイル→2~5㎎/日
- 固形ニンニク→300~1,000㎎/日
- 液体ニンニク→2,400㎎/日
このくらいの量が肝機能を高めるのに有効です。
さらに、全身持久力の向上、免疫システムの向上、身体の浄化作用も認められています。
ニンニクに関してはサプリメントで摂取する方がおすすめです。ニンニクの有効成分、アリシンというのは生のニンニクを傷つけた時に発生する成分で、かつ新鮮なニンニクほど傷つけた時のアリシンの量が多くニンニクの鮮度により含まれるアリシンの量が変わります。なのでニンニク事態を食べてもアリシンの摂取量は変わってしまうということです。アリシンの量は4,000mcgの摂取が推奨されています。胃酸に弱いので摂取後1~2時間は食事を控えましょう。
ニンニクが好きでサプリでなくそのまま食べたいというのであれば、生のニンニクを細かく切ったり、すりおろして数分間放置してから食べるようにしましょう。チューブよりも生のニンニクをおすすめします。
痩せ体質をつくる行動④
4つ目は水の摂取です。
水を飲むことで基礎代謝の8%を占める腎臓の機能を向上させることがわかっています。日常生活での水分不足や運動中の水分不足でも腎機能を低下させて基礎代謝量を減少させてしまいますので注意が必要です。
厚生労働省が提示している推奨水分摂取量は、成人で2.5L/日です。当たり前ですが年齢や身長、体重、筋肉量、活動量、基礎代謝によって摂取するべき量は大きく変わります。
評価の仕方としては、尿の色で判断すると良いでしょう。色が透明、薄い黄色であれば体内の水分量は十分です。濃い黄色であれば体内の水分量は少なく、喉が乾いていなくても脱水症状ということになります。喉が渇く前に水分を摂る習慣を意識してみましょう。
トレーニングをする場合は、トレーニング前に200ml程度、1時間程のトレーニングであれば1Lを飲みきるくらいの水分補給を意識してください。
痩せ体質をつくる行動⑤
5つ目は筋力トレーニングです。
基礎代謝の22%を占める筋肉を大きくしていくことは基礎代謝率を上げるためにとても重要になります。脂肪燃焼率を上げるための筋力トレーニングはどんなものか、ポイントは3つあります。
1つ目は強度です。筋肉をつけて基礎代謝率を上げながら脂肪を燃焼させるという意味合いであれば、中強度中回数、ぎりぎり10回できるくらいの重量でのトレーニングが最適だと言えます。
2つ目はトレーニング種目です。アイソレーション種目よりコンパウンド種目の方がエネルギー消費量が高くなります。アームカールよりもラットプルダウンの方が、レッグエクステンションよりもスクワットの方がエネルギー消費は高いです。
アイソレーション種目とは単関節運動種目のことで、1つの関節運動に限定されるので、関与する筋肉は少なく1つの筋肉を集中して鍛えることができます。主にマシントレーニングのことをさします。
コンパウンド種目とは、多関節運動種目なので2つ以上の関節を使い、複数の筋肉を同時にかつ広範囲に鍛えられるのが大きな特徴です。主にスクワット、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂など。当たり前ですが複数の関節を動かすコンパウンド種目の方がエネルギー消費量が高く脂肪燃焼率は高いです。
3つ目は全身を鍛えることです。トレーニングをする日に全身を鍛えることを全身法と言います。全身法と身体を部位ごとに分けて鍛える分割法を比較すると、全身法の方が筋肉量を増やし、体脂肪を減らすというデータが出ています。ボディビルダーの場合は例外になりますが、もちろん初心者の人ほど分割法で週3回程度をおすすめします。
痩せ体質をつくる行動⑥
6つ目はコーヒーの摂取です。
コーヒーに含まれるカフェインは基礎代謝の9%を占める心機能の向上に効果があるとわかっています。定期的にカフェインを摂取している方が、心房細動のリスクが6~11%減少することがわかりました。ただし、健常者であり500㎎/日、コーヒー6杯分のカフェインまでであれば心臓を健康にすることができます。もともと心臓が悪い方は不健康になるリスクがあるので注意が必要です。
正しいコーヒーの摂取量としては、500㎎/日、コーヒー6杯分を前提として、摂取量、タイミング、豆の選び方なども重要です。
最も耐性がつきにくいカフェインの量は体重1㎏あたり3㎎になります。私が75~85㎏なので225~255㎎が一番効果がある摂取量になります。
計算がめんどくさい人はコーヒー2杯分が適量だと覚えておきましょう。普段からコーヒーを飲む人はカフェインの効果持続時間は吸収されてから1~3時間と言われています。普段飲まない人は6時間まで持続します。カフェインの効果は35分でマックスになります。なので、運動の35分前に摂取することがパフォーマンスを上げる重要なポイントと言えます。
コーヒーを飲むうえで最も気を付けるべき部分は製品自体の安全性です。現在世界に流通しているコーヒーの約7割は農薬が大量に使われています。良質で安全なコーヒーを選ぶようにしましょう。
痩せ体質をつくる行動⑦
7つ目は睡眠不足の解消です。
これは基礎代謝の20%を占める脳へのアプローチになります。睡眠不足は基礎代謝を低下させ、ダイエット効果も減少させます。具体的には、睡眠時間を削ると筋肉が分解を促進し、脂肪の蓄積を促進するという悪循環になります。睡眠不足は太ると覚えておきましょう。
痩せ体質をつくる行動⑧
8つ目はオメガ3脂肪酸の摂取です。
直接基礎代謝を上げるというより間接的に基礎代謝を上げて脂肪燃焼率を高める方法になります。
魚から抽出されるオメガ3脂肪酸は内臓脂肪の燃焼に役立つことがわかっています。アンチエイジングの作用がかなり高いので、1週間に1回は必ず魚を摂取することをおすすめします。
オメガ3脂肪酸が豊富に含まれている魚は、サーモンとサバです。サバ缶は保存もきくのでとても使いやすくおすすめです。
痩せ体質をつくる行動⑨
9つ目は緑茶の摂取です。
緑茶は脂肪燃焼効果という領域で右に出るものはありません。緑茶を飲むことで、血糖値の上昇と腸の炎症が抑制され、食欲抑制、代謝の向上、脂肪分解、糖と脂質の吸収ブロックというダイエットにはもってこいの飲み物です。
しかしデメリットがあり、緑茶に含まれるフッ素が骨密度を低下させてしまいます。なので緑茶は750ml/1日までが安全に飲める上限量と覚えておきましょう。目安としては500ml/日を摂取するようにしてください。
痩せ体質をつくる行動⑩
10個目はタンパク質の摂取です。
もちろん筋肉をつくるための材料であるタンパク質を摂取することは基礎代謝の20%の割合を持つ筋肉を発達させる上でとても重要ですが、筋肉量の増大だけでなく、タンパク質には食欲の減少と脂肪燃焼の効果をもっています。
タンパク質45%の食事の高タンパク食とタンパク質15%の食事のバランス食の比較で、エネルギー消費量はバランス食よりも高タンパク食で高く、36時間にわたり4〜5%程代謝が向上するようです。
そしてバランス食の方が空腹感は強く、高タンパク質によって満腹度は高まることがわかっています。また、高タンパク食+朝食だけを抜くプチ断食をすることで、内臓脂肪の燃焼率が向上したということも明らかになっています。
トレーニングをしている人は、体重1㎏あたり1.6gのタンパク質の摂取が最も筋肉がつきやすい摂取量なので、正しいタンパク質量を摂取し、筋肉量の増大、脂肪燃焼効果を実感してみてください。
痩せ体質をつくる行動を10個説明してきました。体脂肪を落とすとなると食事の管理が必須で、1日分の摂取カロリーを設定して、PFCバランスを考えて、トレーニング、有酸素運動、、、などなどという厳しく難しいイメージだと思います。
そうなるとダイエットや身体づくりを始めたいけれどハードルを感じてしまい長続きしません。身体つくりは長期で考えるものなので続けることが最初の条件です。まずは難しく考えずにこの行動10選を意識して取り組んで欲しいです。この習慣を意識して生活するだけでも1ヶ月続ければ効果は期待できるでしょう。
結果が出ると人は楽しくなり、続けることができます。続けることができたのであれば、より良くするために次のステップの食事管理に移ると良いでしょう。
痩せるためには、無理をしない、焦らない、他人と比べない、とにかく続ける、これらを軸に取り組んでみましょう。皆さんも体脂肪を減らして健康的に生活をおくりましょう。