
2026年3月に開催される第6回WBCへ向け、大谷翔平選手が“2連覇を目指して参戦する”と表明したことで、野球ファンの期待は一気に高まっています。大会はMLB・NPBとは異なる独自のレギュレーションで行われ、選手の健康保護が最優先に考えられています。本記事では、2023年大会で採用された主なWBC規定を整理しながら、2026年大会を楽しむための基礎知識をご紹介します!
WBCとは
WBCは 世界一の野球国を決める国際大会 として2006年にスタートし、MLB・NPBをはじめ世界各国のプロ選手が参加する唯一の野球の世界大会です。サッカーW杯に次ぐ国際的スポーツイベントとして注目され、日本は2023年大会で3度目の優勝を果たしました。
しかし課題もあります。
- 開催時期がMLB・NPBの開幕直前 → 選手の負担が大きい
- 球数制限や登板制限が厳しい → 本来のローテーションが組みにくい
- 国籍・出場資格が広い → 国によってチーム力の差が生まれやすい
- 実質的にMLB主導の大会 → 国際大会としての完全な統一性には課題
こうした理由から、ルールは選手の健康を守る方向で毎回調整が加えられています。
WBCについてや課題については以下の動画で幅広く紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください!
WBC独自の球数制限 ― 投手の負担管理が最重要
WBC最大の特徴が 厳しい球数制限 です。
- 1次ラウンド:65球まで
- 準々決勝:80球まで
- 準決勝・決勝:95球まで
上限を超えた場合、その打者の打席が終わった時点で交代しなければなりません。
加えて、登板間隔も厳格です。
- 50球以上投げた投手 → 中4日
- 30球以上、または2日連続登板 → 中1日
国内野球で見られる「ワンポイント登板」は禁止。
最低でも3人の打者に投げる、もしくはイニング完了まで降板不可 というMLB準拠のルールが採用されています。
指名投手枠とメンバー入れ替えルール
投手の負担を軽減するため、WBCでは大会途中の投手入れ替えが可能という特殊な仕組みがあります。
- 「指名投手枠」から 1次ラウンド終了後と準々決勝終了後に各2名ずつ入れ替え可能
- 指名投手は最大10人
- 最終登録枠に加わるのは2人まで
- 一度外れた投手は再登録不可
ケガ人が出た場合の入れ替えも認められており、捕手が2名未満になった場合は即時登録も可能。シーズン前の選手を守る、大会特有のシステムです。
コールドゲーム・タイブレークなど試合短縮の工夫
試合時間を適正化するための特別ルールも導入されています。
- 5回以降15点差、7回以降10点差でコールド(1次ラウンドのみ)
- 延長10回から無死二塁のタイブレーク制
走者は9回終了時の打順の1つ前の選手が務めます。
これらは大会の過密日程と選手保護を考えた特有のルールです。
「大谷ルール」も採用
WBCでは DH制 を採用しており、2023年大会からは先発投手が降板後も打者としてDHに残れる(大谷ルール) が正式採用されました。
また、リプレー検証(チャレンジ)は以下の通りです。
- 準決勝以降:2回まで
- その他の試合:1回まで
一方で、MLBのピッチクロックや極端な守備シフト禁止、ベースサイズ拡大は2023年時点では採用されていません。
選手の出場資格
出場資格は比較的幅広く認められています。
- その国・地域で生まれた
- 国籍や永住権を持っている
- 親がその国出身 or 永住権保有
日本代表は2023年大会で30人中、投手15人、捕手3人を登録しました。
WBCのルールは、選手の安全と国際大会としての公平性を保つための特別なものです。
特に投手の起用法はNPB・MLBとは大きく異なるため、2026年大会をより楽しむためには規定を理解しておくことが欠かせません。
大谷翔平選手を筆頭に、日本代表が連覇を狙う2026年大会。
ルールを知ることで、より深く、より面白くWBCを楽しめるはずです!





