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冬の頂を極め続ける孤高の天才・平野歩夢 ― 連覇へ挑むミラノの空へ

冬の頂を極め続ける孤高の天才・平野歩夢 ― 連覇へ挑むミラノの空へ

平野歩夢(ひらのあゆむ)選手は、前回大会である2022年の北京国際大会の金メダリストとして自身4度目の冬季国際大会となる2026年ミラノ・コルティナ大会に挑みます。スノーボード男子ハーフパイプの絶対的エースとして、史上初の連覇とさらなる新技の成功に期待がかかります。人類未踏の領域を切り拓き続ける彼の「進化」が、再び世界を震撼させるでしょう。


■プロフィールと基本情報

項目内容
氏名平野 歩夢(ひらの あゆむ)
生年月日1998年11月29日
出身地新潟県村上市
身長 / 体重165cm / 50kg
スタンスグーフィー(右足が前)
所属TOKIOインカラミ
主な使用ギアBURTON(ボード・バインディング・ブーツ)

平野選手は、4歳でスケートボードとスノーボードを始めました。父・英功さんが地元・新潟県村上市に造った「日本海スケートパーク」を拠点に、幼少期から圧倒的な練習量を積んできました。27歳(2026年1月現在)となった今も、そのストイックな姿勢と飽くなき探求心は衰えることを知りません。


■来歴:幼少期から「神童」と呼ばれた軌跡

平野歩夢の名前が世界に知れ渡るのに、時間はかかりませんでした。

  • 4歳からの二刀流: スノーボードだけでなく、スケートボードでも類まれな才能を発揮。常に年上のライダーたちと競い合う環境が、彼の勝負強さを育みました。
  • 12歳での衝撃: 2011年、史上最年少の12歳でバートン・オープンに出場。並み居るプロを抑えて上位に食い込み、世界中に「AYUMU HIRANO」の名を轟かせました。
  • 史上最年少メダリストへ: 2013年、14歳で「X Games」のハーフパイプで史上最年少銀メダルを獲得。この頃から「絶対王者」ショーン・ホワイトの正統な後継者として、世界中のメディアから熱い視線を浴びるようになります。

地元・村上市の全面的なバックアップを受け、専用の練習施設で極秘に磨かれたその技術は、常に時代の先を行くものでした。


■主要大会での実績

平野選手のキャリアは、常に「国際大会の歴史」とともにあります。

  • 2014年 ソチ国際大会(銀メダル): 15歳74日でのメダル獲得は、当時の冬季国際大会における日本人史上最年少記録。
  • 2018年 平昌国際大会(銀メダル): ショーン・ホワイトとの伝説的な死闘。最後の一歩まで追い詰めながらも、僅差で銀メダルとなりました。
  • 2021年 東京国際大会(スケートボード): 夏季国際大会にスケートボード男子パークで出場。夏冬二刀流の挑戦は、スポーツ界全体に勇気を与えました。
  • 2022年 北京国際大会(金メダル): 伝説の「トリプルコーク1440」を完璧に成功。2本目の不当な低採点という逆境を跳ね除け、3本目でさらに完成度を高めて逆転金メダル。日本スノーボード界初の頂点に立ちました。
  • 2025-26 W杯: ミラノ国際大会を控えた今シーズン、開幕戦の中国大会で見事優勝。健在ぶりを証明し、代表入りを確実にしました。

■強さと上手さの分析

平野歩夢の強さは、単なる「トリックやエアでの回転数」というだけにとどまりません。

1. 異次元の「振幅(エアの高さ)」

彼の最大の特徴は、パイプから飛び出す高さです。平均して6メートル、時には7メートル近い高さを誇り、滞空時間が長いため、技の完成度を極限まで高めることができます。この「高さ」こそが、ジャッジに与える強烈なインパクトの源泉です。

2. 精緻を極めた「空中制御と着地」

平野選手のランは、まるで重力を無視しているかのような静けさがあります。どれほど激しい回転を加えた後でも、吸い込まれるようにボードの真ん中で着地する。この安定感は、幼少期からのスケートボードで培われた繊細なエッジコントロールの賜物です。

3. 「スイッチ(逆足)」での卓越した技術

2026年ミラノ大会に向け、彼が注力しているのが「スイッチバックサイド」など、苦手なスタンスからの高難度技です。北京国際大会で主流となったトリプルコークを、さらに難しいスタンスから繰り出す。その「バリエーションの広さ」が現在の彼の武器です。

4. 鋼のメンタル

北京国際大会での一件が象徴するように、彼は判定に納得がいかない状況でも一切腐ることなく、自らの滑りで黙らせる強さを持っています。「自分自身の限界との戦い」と位置づけるその精神性は、もはや哲学的ですらあります。


■出場種目とライバル

【種目:スノーボード 男子ハーフパイプ】

全長約200メートル、高さ約7メートルの半円筒状のコース(パイプ)を往復し、計5〜6回のジャンプを披露します。難易度、完成度、振幅、多様性、個性の5項目が総合的に評価されます。

【主要ライバル】

  • スコッティ・ジェームス(オーストラリア): 2026年1月のW杯でも優勝を飾った、平野の宿命のライバル。緻密な構成とスイッチ技の正確さは世界一とも称されます。
  • 平野流佳(日本): W杯種目別3連覇(2024-2025時点)を果たすなど、日本が誇るもう一人の天才。高さとスピンのキレは平野歩夢を脅かす存在です。
  • 戸塚優斗(日本): 世界選手権王者。北京での悔しさをバネに、圧倒的な滑走スピードで表彰台を狙います。
  • 山田琉聖(日本): 2026年国際大会シーズンに急成長を見せた19歳の新星。若手らしい勢いで、日本人による表彰台独占の一翼を担う可能性があります。

■メダル獲得の可能性と期待の注目ポイント

ミラノ・コルティナ国際大会において、平野歩夢選手の金メダル獲得の可能性は極めて高いと言えます。

北京国際大会で世界を驚かせた「トリプルコーク1440」は、今やトップ選手にとって「当たり前」の技になりました。平野選手自身も「トップに立ち続けるには新しいアイデアが絶対に必要」と語り、地元・村上でさらなる高難度技(トリプルコーク1620、あるいはスイッチからのトリプルコーク)を極秘に磨いているとされています。

2026年1月のW杯ラークス大会で一度転倒し棄権したことが懸念されますが、本番に向けて調整を合わせる能力は随一です。27歳という、アスリートとして心技体が最も充実し、かつ成熟した「大人の平野歩夢」が、ミラノの冷たい空気の中にどのような芸術を描き出すのか。

「自分の限界値を超えられれば、結果はついてくる」

そう淡々と語る王者の背中には、日本中からの期待と、さらなる進化への確信が宿っています。ミラノの空高く舞う彼の姿は、再び伝説となるはずです。

参照元:平野歩夢 3rdラン

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