今回は、桑田真澄さんが教えるコントロールや球威が上がる、全身を使った投球フォームの習得法についてご紹介します。
特にストレートがシュート回転してしまう方や、制球力に自信がない方に是非取り入れて頂きたいです。一般論では「 指先の感覚を養うことでコントロールを保つ」ことが大事と言われますが、「指先も筋肉の一つに過ぎず、制球力は体全体を使うことが大切である」と桑田真澄さんは選手に指導をしているそうです。
そこで、全身を使ってコントロールを養うにはどのようにすれば良いのか。練習方法とポイントをご紹介します。
樽を抱えて全身を使って投げるイメージ
【やり方】
水の入った樽を両腕で抱えているイメージを持ち投球動作を行います。片足を上げた際、そのまま投げるのではなく、一度後ろに樽の中の水をこぼします。この時、利き腕の肩が少し下がる状態になります。そして、そのままの体勢体重移動を行い前に樽を投げるというものです。
【ポイント】
上記の練習は、一度利き手側の肩を下げることで頭が残り、お尻が出るため、体重移動しやすく全身を使った投げ方が可能になります。利き手側の肩が下がらないと体が横回転するため、ボールがシュート回転しやすくなります。肩を一度下げることで球威と制球力が上がるメリットが得られるのです。
キャッチャーから一度目を切る
「投げ始めから投げ終わるまでミットを見続けろ」と指導されてきた方も多いと思います。しかし、終始キャッチャーを見ていると顔が前に出てしまい、バッターからすぐにボールが見えてしまうため、キャッチャーから一度目を切って投球します。そうすることでボールの出所が見えにくく、バッターにとって打ちづらいフォームへと変わります。
筆者のチームのピッチャーに上記2点を伝えたところ、ストレートがシュート回転してしまう投手が縦回転で重い球を投げられるようになりました。また、筆者自身も練習に取り入れてみたところ、球の伸びやコントロールが以前より良くなりました。
個人的な意見ですが、全身でコントロールを掴む為、体重移動の感覚が少しでも違うと投球が乱れたり、逆に上手くいけばしっかり投げられるというような感覚のズレが分かりやすいと思います。そして,コントロールを修正しやすくなると思いました。
桑田選手もおっしゃっていますが、選手の方々には「常識を疑う」という視点を持っていただきたいと思います。
様々な情報が手に入る今、正解や不正解は自分で決める必要があります。仮説、検証の繰り返しが大事だと私も思います。きれいなフォームがゴールではなく、「相手が打ちにくいボールを投げる」ということを目指したいですね。