今回ご紹介する動画は、「データ無しでも分かる、配球の組み立て方」についてです。
プロの世界では偵察したデータをまとめて自チームの捕手に資料にして渡してくれる人がいますが、アマチュア野球ではデータが乏しかったり、当日初対面の打者がいるのが当たり前です。今回はこのようなデータがない時でも、一瞬で相手打線の配球の仮説を組立てる方法をご紹介します。
まず大前提として、配球は投手のレベルやその日の調子に合せて組み立てることが非常に大切です。
投手に合わせた組み立て方は、以下の3つの軸からレベルに応じて見て行きましょう。
配球を組み立てる際の3つの“軸”
- 投手主体
ー投手が投げやすいように投げさせる - 打者の傾向
ー打者の長所・短所から考える - 状況
ー三振・ゴロ等を打たせるように投げる
文字通り、投手の能力が高くなるにつれて、様々な状況に適応した配球をすることが重要です。
実際に筆者は動画内でまさに悪い例として挙がっているように、調子が悪い投手に対しても状況優先の配球、つまり捕手の自己満足なリードをしてしまい、結果打ち取れない経験が多々ありました。リードが完璧でも、そこに投手が投げることが出来て初めて打者を打ち取ることができるので、やはり投手の調子を最優先に考えて配球を組み立てるべきですね。
次に、投手の調子を踏まえた上で、打者の得意不得意を見極めて配球していきます。
打者のスイングを見極める際、最も判りやすいのが「素振り」です。特にネクストバッターズサークルでは、何も考えずに得意なコースを振っている可能性が高いので、捕手はまず「ネクストでの素振り」を観察して下さい。その際、見るべき箇所とバッティングの傾向の見極め方をご紹介します。
スイングから相手の傾向を見極める方法
注目するポイントは、「構えた際のバット(手首)の角度」です。
判断の仕方
- バットが寝ている
ー高めが得意
例外:苦手な低めに対応するために、構え自体を低い姿勢にしている打者は、低めも打てる可能性が高い - バットが立っている
ー低めが得意
上記の構えの特徴を観察し、分析することで、データが乏しい相手にもある程度の配球の仮説を立てて勝負することができると思います。
筆者の個人的な感想ですが、捕手はブルペンでの投手の調子や、相手打者の特徴を細部まで把握することで、最善のリードにつなげることができると思います。
改めて試合の展開を左右する扇の要としてのやりがいのあるポジションだと思いました。
それでは動画をご覧ください。(動画4分48秒〜配球の上・中・下について、9分12秒〜バッターの構えについて)