■課題・要望
・カットボールを習得したい
カット・ファストボールの投げ方を紹介している動画です。
カットボールとは
カットボールはカット・ファストボールの略称で、スライダーより速く、変化の少ない変化球です。メジャーではカッターと呼ばれてます。
変化が少ないので空振りを取りに行く変化球ではないですが、ストレートと同じ軌道からわずかに変化するボールになるので、バットの芯を外して打ち取ることのできるボールです。また、右投手が左打者に対して投げた場合は、内角に突然くい込んで来るので、詰まらせることも出来ます。
カットボールの特徴
球速はストレートとほぼ同じで、通常、速球投手が投げるカットボールは約145キロ以上のスピードが出ます。また、変化量は小さく、ボール1つ分程度の鋭い変化をしてスライダーほど大きく曲がらないのが特徴です。
そして投手の利き腕と逆方向に変化します。右投手の場合、右打者の内角に向かって鋭く変化します。
ストレートと同じ投球フォームで投げられるため、打者にとって見分けがつきにくいことが特徴です。
メリットとデメリット
カットボールにはメリットとデメリットが存在します。下記の説明を参考に、両方の面を理解した上で投球練習に励んでください。
カットボールは上記でも触れてきましたが、ストレートと同じフォームで投げられるため、打者がタイミングを取りにくくなるというメリットがあります。また、小さな変化でバットの芯を外し、凡打を誘いやすくなります。
次にデメリットの紹介です。
カットボールは変化量が小さいため、三振を狙う決め球としてはあまり効果的ではないので、決め球としては不向きであると言えるでしょう。
握り方とリリースについて
カットボールの握りは、ストレートの握りから全体的に指一本分ボールの外側へずらして握ります。簡単に言うと、ストレートとスライダーの中間です。リリースはストレートと同じなので、比較的覚えやすく負担の少ないボールではないでしょうか。
尚、スライダーの様に手首を外側へ向けれるほど球速が落ち、変化量が大きくなりますが、これではスライダーなので、別な変化球となります。
どういう時にカットボールを使うのか
右投手であれば、やはり左打者に有効と考えて良いです。ただし、左打者の膝元にコントロールできればの話でもあります。左打差の膝元にカットボールを投げれば、ストレートのタイミングで振り出していたらファール、もしくは、ボールの上っ面を叩いてゴロ。
また、中にくい込んで来るので詰まらせることが出来る。という左打者にはとても有効なボールと言えます。三振は難しいかもしれないですが、対左打者でカウントが欲しいとき、ゴロを打たせたいときにカットボールを使うと有効と言えます。
よりカットボールを効果的にするために
平均よりもストレートが速い投手が習得すると、もっとカットボールが活きると思います。なので、同時にストレートの威力を高めること考えた方が良いと思います。また前述してますが、コントロールも重要です。打者の膝元に投げれるようにすれば、より活きるボールになることは間違いないです。ストレートの球速アップと打者の膝元へのコントロール。この2つでよりカットボールは効果を増します。
元プロ野球選手・川上憲伸選手から学ぶカットボール
川上憲伸選手は中日ドラゴンズやアトランタ・ブレーブスで活躍した元プロ野球選手です。
現役時代はエース投手として力を発揮してきました。
2002年8月1日には、東京ドームで開催された対読売ジャイアンツ(巨人)20回戦でノーヒットノーランを達成しました。
カットボールは川上選手の代名詞とも言える変化球で、メジャーリーガー達からは「日本で唯一本物のカットボールを投げる投手」と称されるほどです。川上選手が投げるカットボールは「憲伸カット」とも呼ばれています。
ここからは、そんな川上選手のカットボール「憲伸カット」の秘密を探りつつ、カットボールを習得するカギを見つけていきましょう。
手首はひねらず真っ直ぐ下ろす
カットボールを投げるときは手首をひねらず、ストレートを投げるように真っ直ぐに下ろすイメージで投球します。
手首をひねってしまうと球が落ちてしまい、最後の伸びがなくなってしまうので注意しましょう。
また、手や腕で投げるのではなく、身体全体を使って投げるように心がけてください。手や腕の動きだけで投げてしまうと、どれだけ良い投手でも「カーブっぽいな」と相手に分かってしまいます。
身体で投げることを意識すると、相手から見たときにフォームがわかりにくくなります。
打者から見て捉える瞬間に速くなるようなイメージを作ることがカットボールを習得するカギ。
川上選手曰く、「とにかく真っ直ぐ」投げることがカットボールを投げる上で重要なポイントだそうです。
ストレートとカットボールの違い
ストレートを投げるようにと説明したものの、ストレートとカットボールの違いも忘れてはいけません。川上選手が考えるストレートとカットボールの違いをご紹介します。
ストレートを投げる際には、球を手に持って振り下ろす際は真っ直ぐ上下の動きになります。しかし、カットボールを投げる際にはトップがストレートよりもやや顔に近い位置になります。
振り下ろす動きが、ストレートが上下であったら、カットボールは真っ直ぐではあるものの前後の動きに近く、奥に押し込みながら投げてみてください。
そうすることにより、若干の角度がついて球がスクリュー回転し、渦を巻くような回転の仕方になっていくのです。
シュートを投げるイメージ
川上選手はカットボールを習得するには「シュートを投げるイメージ」で投げるのも一つの方法だとしています。
シュートとは、変化球の一種で、投手の利き腕方向に曲がる球。そのため、シュートは右投手であれば右打者側に曲がる変化球になります。
それに対してカットボールはシュートと逆の変化球。右投手であれば左打者側に曲がる変化球になるので、カットボールを投げるときにシュートをイメージして投げるというのは「矛盾しているのでは」と思う方もいるかもしれません。
しかし、カットボールはスライダーと似ているのでスライダーのように投げたくなってしまう人が多いのです。そのため、スライダーをイメージしてしまうと、手首をひねりがちになってしまう恐れがあります。
「憲伸カット」を習得するには、「手首は絶対にひねらず固定する」が鉄則。手首をひねってしまいがちな人はスライダーをイメージしてしまっているのかもしれませんが、シュートをイメージして投げることを試してみてください。
また、以下の動画の中で川上選手は「失敗がシュート回転するのは成功」という言葉を残しています。
これは、「球を曲げることばかりに注力を注いでスライダー回転になるのはよくない」という意味です。カットボールを投げて失敗したとき、そのボールがシュート回転してしまった。これはボールがスライダー回転するよりかはカットボールの習得に近づいているということになります。
そのため、川上選手によると、カットボールの投球練習をする際には、シュートを投げるイメージで投げるほうが手首をひねらずに投げる癖がつけられ、習得しやすいとのことです。
下記の川上選手の動画を見ると、さらに理解が深まりますので、ぜひご覧ください。