バレーボール男子日本代表のパリオリンピック予選大会は2023年10月7日、第6戦が行われ、世界ランキング4位の日本は世界7位のスロベニアにストレートで勝利し、オリンピック出場権を獲得しました。対戦成績は5勝1敗。2008年の北京大会以来の自力でのオリンピック出場権を獲得し、注目を集めています。
日本男子代表チームは、キャプテンの石川祐希選手をはじめ西田有志選手や高橋藍選手、関田誠大選手など層が厚く、今回の大会でも活躍しました。
本記事では、高橋藍選手が試合で見せたトリックプレー「フェイクセット」についてご紹介します。はじめに、フェイクセットの動画をご覧ください。
フェイクセットとは
スパイクを打つふりをしてからトス(セット)を上げるトリッキーなプレー。石川祐希選手も得意としており、ツーアタックを打つ素振りを見せてからトスを上げます。
フェイクセットのメリット
フェイクセットは、強力なバックアタックを打てる選手が仕掛けることでより効果を生みます。
ツーでバックアタックを打つと相手に思い込ませることで、バックアタックに備えたブロックを相手は展開します。そこでバックアタックをせずに、フェイクセットで他の選手にスパイクを打たせることで、ブロッカーを散らすことができます。
ブロッカーを散らすことでスパイクが決めやすくなるということがメリットと言えるでしょう。
フェイクセットの仕掛け方
バレーボールは3本以内で相手のコートにボールを返さなくてはならないスポーツ。3本目でいかに得点を取れる攻撃を仕掛けられるかがポイントになるため、2本目はトス職人でもあるセッターが原則的に上げることが多いです。しかし、ラリー中、セッターが1本目を取った場合、他の選手がトスを上げる必要が出てきます。この場面でフェイクセットという作戦を取り入れることが効果的でしょう。
相手からの返球をセッターが拾い、アタックラインの中央付近に高くレシーブをします。そこに後衛中央からアウトサイドヒッターが助走をして跳び上がり、バックアタックを打つ素振りを見せてから両サイドのアタッカーにトスを上げます。
相手ブロッカーがフェイクだと気づいた場合、ブロックに付かなければそのままツーでバックアタックを打つこともできるため、攻撃パターンの選択肢を増やすことに繋がるでしょう。
以上がフェイクセットの内容とやり方です。攻撃の選択肢を増やしたいチームはぜひ取り入れてみてください。