コンプレッションウェアは筋肉や身体の疲労回復を促進すると言われ、持久系の競技でよく用いられてきました。しかし、筋力トレーニングでの使用は身体を過度に締め付け、パンプアップを阻害する要因になることもあるようです。正しいウェアの選び方とパンプアップの仕組みを紹介していきます。
コンプレッションウェアについて
コンプレッションウェアは元来下半身の静脈瘤などの治療と予防目的で開発されたものです。スポーツの分野ではランニングなどの持久的競技で疲労の軽減などの効果が実証されています。コンプレッションウェアの着圧、締め付け具合によっても効果が変わるようです。
着圧が15~20mmHgであれば筋活動を節約し、効果を得ることができますが、25mmHg以上の着圧ではそれ以下の着圧よりも血流量が減少し逆効果になる可能性があるようです。つまり、パフォーマンスアップに最適な着圧があるようです。コンプレッションウェアは商品ページに着圧が明記されているものが多いので、確認して購入すると良いです。
パンプアップの仕組み
よくパンプアップは血流によって起こると言われますが、正確な表現ではありません。数十回も挙げられる軽い重量であれば正しいのですが、トレーニーが一般的に扱う重量の場合はもう少し複雑になります。実はセット中の血流量は減っています。これは筋肉に高い圧力がかかり血流が阻害されるためです。
セットが終わり圧力がなくなるとせき止められていた血流が一気に流れ込み、これによりパンプアップが起こります。ダムでせき止められていた水が一気に流れ込むイメージです。コンプレッションウェアは身体全体を締め付けるので理論的にはパンプアップを阻害する可能性は無くは無いと言えます。個人的には気にしません。
振動減衰効果
コンプレッションウェアの効果の多くは振動減衰効果にあります。人間は主にジャンプ動作や切り返し動作、ランニング時などに筋肉や関節内の軟部組織が大きく振動します。この振動があると最大発揮筋力が低下し同じ運動を行うためにより多くの運動単位が動員されます。より多くの運動単位を動員することで疲労度が増します。
コンプレッションウェアの着用により軟部組織の振動が減少することが確認されているので、ランニングや切り返しの多いスポーツでは有利に働く可能性があるでしょう。
筋肉がつくと露出の激しい服装やコンプレッションウェアのような身体のラインがわかるものを着用する人が多い傾向にあります。私自身もそうでしたが、締め付け感が気になり今ではオーバーサイズの服を着てトレーニングしています。少なくとも理論的にも自分の感覚が間違っていなかったということがわかりました。何事も自分自身の感覚を大切にできると良いですね。