平野美宇選手は母が指導する卓球スクールでの猛練習を経て、4歳から全日本選手権出場、小4で一般シングルス勝利など最年少記録を更新して注目されてきました。前回の東京五輪では、団体銀メダル獲得に貢献する輝かしい成果を残しています。
そして、記憶に新しいのは、パリ選考のシングルス代表2枠をかけて闘った最終戦である2024年全日本選手権。3位の伊藤美誠選手との直接対決は無かったものの、平野選手が上位に残り代表権を獲得しました。
念願のシングルス代表権を獲得した平野選手も、試行錯誤を繰り返しながら今の卓球を身につけています。
2017年ハリケーンヒラノから進化した卓球
高速卓球を得意とする平野選手は、2017年強豪中国選手を相手に3連勝してアジア選手権を優勝しました。台上に近づいて打ち返すテンポの速い卓球に、日本だけでなく中国選手も対応できずに勝ち星を重ねていきました。
しかし、対策として速いテンポに対応すべく、台深くにツッツキやレシーブを返すことで平野選手のリズムを崩して闘う選手が増えてくると、なかなか結果を出せなくなりました。
平野選手は、苦しい中でも練習に練習を重ねて、ステップやプレーの幅を広げることができるようになると、試合での切り替えも早く行えるようになりました。今まで自分の卓球スタイルを貫くことを考えていた卓球から、相手に何かさせてから狙うという、展開を予想しながら闘うことが出来る平野選手へと進化を遂げます。
その成果が如実に現れたのが、第3回パリ日本代表選考会全農CUPでの伊藤美誠選手との試合でした。
倉嶋監督から見る平野選手のすごさ
木下グループの総監督で、元日本代表監督の経験がある倉嶋洋介さんは、平野選手についてこのように語っています。
「能力的にはとても高い選手。これだけの打球ポイントの早さで両ハンドを切り返す選手は今でもいない。得意な巻き込みサーブを生かすためにサーブ、フォアハンドの改善、フットワークの3つを徹底的に強化してきた。それが自信につながり、プレーの幅を広げることに繋がっている」
新たな技を身につけて、新ハリケーンヒラノはこれからパリでの闘いに臨みます。世界卓球でも見せたように中国選手を破り、ぜひ日本にメダルを持ち帰ってきて欲しいですね!
それでは動画をご覧ください。