2024年プロ野球シーズンもいよいよクライマックスを迎え、10月26日(土)から日本シリーズが開幕。今年の頂上決戦は、セ・リーグ代表の横浜DeNAベイスターズとパ・リーグ王者の福岡ソフトバンクホークスが激突します。
ベイスターズは「打ち勝つ野球」を掲げ、送りバントを最小限に抑えた攻撃的な戦術を展開。果たして犠打を減らす戦略は勝利に結びつくのか。データを基に「送りバントの必要性」を検証しながら、両チームの戦い方に迫ります!
2024年プロ野球全体の犠打数
はじめに、プロ野球全体の犠打数について見ていきましょう!
セ・リーグ
- 阪神タイガース:115
- 広島東洋カープ:116
- 横浜DeNAベイスターズ:85
- 読売ジャイアンツ:125
- 東京ヤクルトスワローズ:137
- 中日ドラゴンズ:113
パ・リーグ
- オリックス・バファローズ:92
- 千葉ロッテマリーンズ:93
- 福岡ソフトバンクホークス:105
- 東北楽天ゴールデンイーグルス:126
- 埼玉西武ライオンズ:106
- 北海道日本ハムファイターズ:115
最も犠打が多かったのは、東京ヤクルトスワローズの137。一方、少なかったのは横浜DeNAベイスターズの85でした。
データから見る送りバントが与える得点への影響
次に、送りバントをした後に得点に繋がっているかどうかをデータを元にご紹介します。今回のデータは、1番が出塁し0アウトランナー1塁で2番バッターが犠打を選択した場合とヒッティングを選択した場合の2011年から2020年のデータです。(動画内3:04〜)
このデータを確認すると、犠打とヒッティングで得点の確率はほぼ変わりませんが、全ての年でヒッティングの方が得点に繋がる確率がやや高い結果になっています。
MLBでは犠打は消滅?
メジャーでは犠打が減少傾向にあります。ここ10年で激減し「絶滅危惧種」になりつつあります。これは「フライボール革命」による長打を狙うバッターが増えたことも要因の一つとしてありますが、アウトを増やして走者を進めるといった自己犠牲は、有効な手段ではないという認識が広まっていることも要因の一つです。
MLBでは犠打の数が大幅に減ってきていますが、日本の野球界はそこまで大きな変化を見せていません。相手投手の状態や打順、試合状況などから必ず1点欲しい場面では犠打を選択するチームが多いという状況です。
一方で、送りバントの数が最も少ない横浜DeNAベイスターズ。三浦大輔監督は現役時代に投手だったこともあり、投手からすると犠打よりもヒッティングの方が嫌だったという経験があるのかもしれません。確かに、ヒッティングを選択されると、守備のフォーメーションや配球を慎重にしなければならず、少なからず守備にプレッシャーがかかるのではないかと思います。
犠打が少ない「打ち勝つ野球」が日本シリーズでも通用するのか注目したいです!