本記事では、2022年のシーズンでホームラン41本、90打点で本塁打王と打点王の二冠王に輝き、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表にも選ばれた埼玉西武ライオンズの山川穂高選手のバッティングについて取り上げていきます。
3回の本塁打王の実績を誇り、侍ジャパンでも長打を期待される日本球界屈指の右のパワーヒッターである山川穂高選手の豪快なバッティングの裏には、バットスイングの軌道に関しての注意点がありました。
ひとつは、バットを自分で返そうとしないこと。もうひとつは、最短距離でバットを出すためにグリップエンドをボールに向ける意識をもつことについて詳しく解説していきます。
バットのヘッドを返すスピードは速すぎないようにする
山川穂高選手は「スイングする中でバットは自然に返っていくため、自分の意思でバットのヘッドを返そうとしてはいけない」と述べています。バットのヘッドを返そうと自分で手首を動かしてしまうと、ヘッドが早く返ってしまい、ドアスイングになってしまったり、引っ掛けた打球が多くなってしまうためです。
バットのヘッドは勝手に返る
そのため、山川穂高選手は「バットのヘッドは勝手に返る」という意識を持っています。
バットのヘッドが早く返ってしまうことを防いだり、「ヘッドが勝手に(自然に)返る」という感覚を養ったりするためには、バットをセンター方向に投げる練習が有効です。
ネットや人がいない場所に向かって、スイングの途中でセンター方向を狙ってバットを投げます(動画4:38〜)。バットのヘッドが返るのが早い選手がこの練習をすると、センター方向ではなく、左バッターはライト方向、右バッターはレフト方向にバットが飛んでいってしまうのです。
グリップエンドをボールに向ける
山川穂高選手は、バットスイングの軌道に関するもうひとつの注意点として、グリップエンドをボールに向ける意識を持つことを挙げています(動画5:24〜)。グリップエンドをボールに向ける意識が、最短距離でバットを出すインサイドアウトのスイングに繋がります。
また、バットのグリップエンドが下を向いたスイング軌道は、バットが体から離れた遠回りなスイング軌道になってしまい、バットの芯で捕らえても引っ掛けた打球しか飛ばなくなってしまいます。
バットをできるだけ身体の近くを通すために、グリップエンドをボールに向ける意識でスイングする。山川穂高選手は高校時代にこの意識で繰り返し素振りを行い、最短距離でバットを出すインサイドアウトのスイングを身につけました。
山川穂高選手の豪快なホームランの秘訣は、反復練習の中で身につけたバットスイングの軌道にありました。山川穂高選手のバットの出し方をぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。