FMVスポーツ

野球界の永遠のテーマ ヘッドスライディングと駆け抜けではどちらが速い!? 理論的にご紹介|怪我 リスク 高校野球 社会人野球 少年野球

野球界の永遠のテーマ ヘッドスライディングと駆け抜けではどちらが速い!? 理論的にご紹介|怪我 リスク 高校野球 社会人野球 少年野球

甲子園やプロ野球でよく目にするヘッドスライディング。内野ゴロで間一髪、セーフになれるかという場面や、ホームに帰ってくる場面で見かけることが多いです。一塁へは駆け抜けた方が速い、ヘッドスライディングの方が速いなど、駆け抜けとヘッドスライディングではどちらが速いのか、という議論は野球の中でも永遠のテーマです。

本記事では、ヘッドスライディングと駆け抜け、どちらが速いのかを理論的な観点からご説明いたします。

中学生からプロ野球で採用されている、ホームから一塁までの距離は27.4m。打者がこの距離を走る場合、「①ベースを駆け抜ける」か「②ヘッドスライディング」をするか、どちらがセーフになる確率が高くなるのか見ていきましょう!

高校野球の指導者の間では、「①ベースを駆け抜ける」方が速いと言われているそうです。これに対する物理学者の研究資料を元に以下のように考えられます。

比較するのは「手を伸ばした得」と「走り続ける得」

ヘッドスライディングをして手を伸ばすとき、一塁到達までに重心が移動するべき距離は短くなります。この距離を50cmと推定すると、ヘッドスライディングをした場合は、駆け抜ける人より50cm得することになります。しかし、スライディングをするために飛び込んだ瞬間から加速することはできません。このことから、「手を伸ばして50cm得したこと」と「走り続ける得」を比べる必要があります。

一定の条件をクリアすればヘッドスライディングの方が速い

一塁までの27.4mを走り続けると速度は上昇し続けますが、ヘッドスライディングをする場合は、飛び込んだ後の速度は一定となり、手を伸ばして得した50cm分は逆転されます。ベースに近いところで飛び込むことで、どんどん有利になります(怪我のリスクは一旦無視)。理論上、ベースの手前約10mのときに飛び込むと、駆け抜ける人と同着になります。

これらのことから、10mよりベースに近いところから飛び込めば駆け抜けよりも速くベースに到達できることがわかります。実際は、地面との摩擦があるのでかなりベースの近くで飛ばないと速く到達することはできません。

そこで、身体が地面に落ちるまでの時間を計算しましょう!

身体が地面に落ちるまでの時間

重心の高さを80cmとすると、自由落下して地面に着くまで約0.4秒。ちょうど落ちたときにベースがあれば、効率的なヘッドスライディングになります。これを逆算すると、最終的にはベースの手前4mで飛び込めば良いという結論に。ベースの手前4mでヘッドスライディングをすると、駆け抜けよりも0.06秒早く一塁ベースに到達できます。

理論上は、効率よくヘッドスライディングをすることで駆け抜けよりも速いということがわかりますが、この計算は怪我のリスクを一切無視しています。ヘッドスライディングは、怪我のリスクが高まるため、元プロ野球選手のイチローさんや桑田真澄さんなど反対派は多数。実際にヘッドスライディングをしたことで、肩の脱臼や突き指などの怪我を負ってしまう選手もいます。

セーフになりたい!と強く思うと自然にしてしまうヘッドスライディング。選手の気持ちを考慮すると指導者は「駆け抜けの方が速い!」と一刀両断できないですよね。しかし、ヘッドスライディングは選手が怪我をすることもあるため、強要はしない方が良いのかもしません。

動画では、グラフなども使って紹介をしているのでぜひ参考にしてみてください。それでは動画をご覧ください。

【物理エンジン】一塁へのヘッドスライディングは本当に遅いのか【野球】

Return Top