野球というスポーツは、打球が飛んで来た選手だけが動けば良いという訳ではありません。自分と関係の無い打球でも、エラーや暴投を考えて「カバー」に入ることはとても重要です。
少年野球やリトルの試合を観戦している際、強いチームなのかどうかは、まず筆者は「カバーが出来ているチーム」なのかで判断します。カバーリングという細かいプレーにしっかりと対応出来ているチームは、守備がしっかりしているので強いチームと筆者は考えてます。リスク回避能力がチーム全体で意識が高いと、細かいところまで鍛えられたチームであると思います。
紹介している動画は、ランナー1塁の場面で相手打者がバントをしてピッチャーがキャッチして、1塁へ送球したのですが、その送球が横にそれてしまい暴投となります。しかし、ファーストの後ろには守備職人である「荒木雅博」選手がカバーしており、進塁を防いだ場面になります。もし荒木選手がカバーに入っていなかったら、2、3塁の場面になっていたでしょうし、もしかすると1点取られていたかもしれません。荒木選手がカバーリングによってリスクを回避してチームを助けた場面です。
カバーという作業は「もしかして」という気持ちが大事です。たぶん、荒木選手も同じシチュエーションの時に毎回カバーに入っていたと思いますが、ほとんどはカバーが必要となることは無かったと思います。しかし「もしかして」「万が一」という気持ちで毎回カバーに入り、この試合ではたまたまカバーが必要になった、ということになります。
一つの打球の行方に対して、グラウンドの中にいる9人は全員動く必要がありますし、ベンチの中にいる選手も、もしカバーに入っていない選手がいたら注意してあげることも重要です。常にカバーに入る気持ちでいると集中力も途切れ難いです。
・キャッチャーがピッチャーへの返球の時にショートとセカンドはカバーしてますか?
・内野ゴロの際に、キャッチャーとライトはファーストのカバーに入ってますか?
・外野からホームへの返球の際にピッチャーはキャッチャーのカバーをしてますか?
など、カバーに対するチェック項目はたくさんあります。練習の時からカバーに入る癖付けと意識付けを行い、試合でリスクを回避する選手を目指してください。
それでは荒木選手の神かがったカバーリングプレーをご覧ください。
動画引用元:2008.7.3 中日・荒木のカバー