その形や考え方には指導者やキャッチャー経験者それぞれの哲学があると思います。「どれが正しいのか」という議論ではなく、どの形が自分にとって最適なのかを見つけることも大切な『練習』だと私は考えます。
今回は古田敦也氏の盗塁阻止、セカンド送球について詳しく解説している動画を紹介します。捕球から送球までのスピードは、わずか0.62秒。捕球からセカンドまでは、1.86秒。そこには古田さんの哲学がありました。
捕球時の体重を前に移動
古田選手の場合、走者が盗塁でスタートを切ったとき「前に出る」ことを意識されています。走者が走った瞬間から体重を左足に移動させセカンド方向に上半身も寄せます。これで0.1秒から0.2秒のスピードアップが狙えます。そして右足、左足と順にステップを踏み送球します。前に出るという意識を持つだけで、送球までがスムーズに、そしてスピーディになり、結果、盗塁阻止の確率アップします。
捕球箇所(キャッチング)
古田選手は、通常のキャッチングと盗塁したときでは、捕球する場所(キャッチングの位置)変え、握り易い場所で捕球をしています。なかなか簡単にできることではありませんが、そういった細かい点も送球スピードアップの重要なポイントですので、日々の練習からトライされてはいかがでしょうか。
ショートバウンドの投球
投球がショートバウンドになった場合、こちらも「前に出る」ことを意識されています。当然、しっかり止めることが優先という考え方もあると思います。古田選手は、前に出るリスクより、盗塁阻止をした時の『チームに勢いがつく』ことを重視されています。リスクがあってもやるプレーと。そして、リスクではなくチャンスと捉えています。この積極性、自信こそ名捕手の条件なのかもしれません。
守備におけるキャッチャーの役割は配球や守備陣への指示などたくさんありますが、こういった1つ1つのプレーが、試合の流れも左右します。盗塁阻止は、相手のチャンスの芽を摘むビッグプレイ。動画を参考に練習してみてください。
動画引用元:古田敦也阻殺1.86秒