第89回選抜高等学校野球大会では、史上初の大阪勢同士の決勝戦となった、履正社vs大阪桐蔭。結果は5年ぶり2度目の優勝に輝いた大阪桐蔭でしたが、8回に同点に追い付き最後まで食らいついた履正社もさすが、という印象でした。
今回は履正社が実際にやっている練習を紹介します。
履正社と言えば、冬場でも紅白戦を何試合も行うぐらい、実戦形式を大事にするチームで、実戦形式のバッティング練習を繰り返し行うことで有名ですが、もう一つやっているバッティング練習があります。それは「スイングスピードの測定」です。
履正社では定期的にスイングスピードの測定を行っている。特に冬前と冬後ではトレーニングによりスイング力も大きく伸びてくる時期だという。必ずしもこの結果と打撃の成績は一致するものではないが、強い打球を飛ばすためにの大きな要素になることは間違いない。単に数値を競うだけではなく、選手個々が今の打撃に足りないものを考えるきっかけになることが望ましい。 *1
と取材内容があるように、履正社では定期的にスイングスピードを測っており、自分自身の現在値を可視化することを大事にしてます。確かに、ただ単にスイングスピードが速いだけだと、確実に打てるとは限らないですが、
・強い打球が打てる
・飛距離も伸びる
・長くボールを引き付けても詰まりにくい
など、スイングスピードが速いと利点が多いことに気付きます。スイングスピードをアップすることは大事ですが、スイングスピードを速くする目標に対して、感覚的に「スイングスピードが上げる」ではなく、出来るだけ定量で具体的な「1ヶ月後にスイングスピードを3kmアップさせる」の方が、良い目標と言えます。現在値を知ることや、明確な目標を持つためにも、スイングスピードを可視化することは大事ですね。
履正社出身のプロ野球選手と言えば、オリックスのT-岡田選手とヤクルトの山田哲人選手が有名ですが、この2選手に共通している長所がスイングスピードですね。履正社の伝統的な意識が、プロになっても生き続けている、ということですね。
動画は、秋ドラフト1位候補の安田尚憲選手のバッティング練習です。すごい打球音の源は、スイングスピードが圧倒的に速いのでしょう。ぜひご覧ください。
動画引用元:履正社 安田尚憲 甲子園練習