今年1月に行われた、MGCファイナルチャレンジでもある大阪国際女子マラソンで、前田穂南選手が19年ぶりに、金メダリスト野口みずきさんが持つ日本記録を更新し、日本中を沸かせました。
この日本記録はたまたま運よく出た記録ではありません。事前インタビューでは「あれ」と表現していましたが、はじめから日本新記録を狙って走り、その結果、本当に新記録を出しています。まさに有言実行。
今回、前田選手が日本新記録を出すことができた理由と、さらに記録を伸ばす可能性について解説します。
月1,000km以上の走り込み
昨年の夏以降、1か月1,000km以上走ったことが何度もあったそうです。1日30km走っても1か月1,000kmには到達しないので、相当な距離を走っていたということになります。それが1回だけではなく、何度もあったとか。
さらにレース直前は変化走を練習に多く組み込んでいたそうです。日本新記録を出した大阪国際女子マラソンは、ハーフを過ぎたあたりからペースを一気に上げていました。このギアチェンジは変化走の成果とみることもできます。
練習で30km、40kmの自己ベストを出していたという話もあります。もともと力がある選手だったうえ、かなり良い練習が積めていたことを考えると、今回の日本新記録は必然だったのかもしれません。
まだまだ記録が伸びる可能性がある
マラソンは集団の方が走りやすく、単独で走って自己ベストを更新するのはなかなかハードです。大阪国際女子マラソンでの前田選手は、ハーフを過ぎたあたりからほとんど単独走になっていました。もしハーフを過ぎてからも集団で走れていたら、さらに記録が伸びていた可能性は十分にあります。
また、5kmを16:30前後で走っていましたが、ハーフを過ぎてからは16:10までペースを上げています。ずっと同じペースで走っていたのを切り替えるということは想像以上にきついことです。それでも最後まで走り切る力が前田選手にはあります。ということは、はじめからもう少し速いペースで最後まで安定して走ることができれば、まだまだタイムが伸びる可能性はあるということです。
国際大会ではさらにレベルが高い選手が集まります。前田選手をさらに引っ張ってくれる選手もいるでしょう。国際大会でのさらなる日本記録更新に期待です!