平野美宇選手は母が指導する卓球スクールでの猛練習を経て、4歳から全日本選手権出場、小学校4年生で一般シングルス勝利など最年少記録を更新して注目されてきました。2021年に開催された東京での国際大会では、団体銀メダル獲得に貢献する輝かしい成果を残しています。
そして、国際大会シングルス日本代表2枠をかけて闘った選考会の最終戦、2024年全日本選手権。3位の伊藤美誠選手との直接対決は無かったものの、平野選手が上位に残り代表権を獲得しました。
念願のシングルス代表権を獲得した平野選手の強さとは、どんなところにあるのでしょうか?今回は平野選手の強さについて迫ります。
緩急をつけた超攻撃型のプレースタイル
国際卓球連盟からハリケーン平野と名付けられる程、平野選手の卓球は攻撃型かつ速くて強烈なフォアハンドが特徴です。2021年に東京で開催された国際大会では、惜しくもシングルスの出場を逃し、自身の卓球スタイルの改良に取り組んでいたと平野選手は言います。
今までの超攻撃型速攻スタイルの持ち味をさらに活かすために、緩急を使い相手のタイミングを外しながら攻める卓球を覚えました。
一流選手であれば、どんなに速い球だとしても同じリズムであれば慣れて打たれてしまいます。野球でも160kmのストレートだけではプロ選手は平気で打ち返してきます。強みであるスピードを活かすために、タイミングを外すチェンジアップや、変化球があるように、平野選手は、緩急を使い攻める卓球でプレーの幅を広げました。
その効果があり、2023年世界ランク3位の王芸迪選手や、世界ランク1位の孫穎莎選手から白星を挙げる金星を獲得しました。
孫穎莎を迷わすサーブ後のラケットの動き
ボールのスピードが速い卓球は、一瞬の気の迷いがレシーブのリズムを崩します。平野選手は、今までやらなかった、サーブ後のラケットの動きを取り入れています。サーブ後に、ラケットを上下どちらかに動かす事によって、相手にサーブの回転など考えさせ、判断を遅らせるようにしています。
この動きをすることで、平野選手もサーブ後0.1秒程度戻る時間が遅れますが、それよりも甘いレシーブが返ってくる可能性が高くなる方に重きを置いています。
いかがでしょうか?国際大会代表権をかけての熾烈な争いを繰り広げた一年は、私たちでは想像できないほどプレッシャーがあったと思います。
その中でも目標に対して行動し続け、試行錯誤して掴んだパリ国際大会への道です。フランスでも新・ハリケーン平野旋風を巻き起こして欲しいですね!
それでは動画をご覧ください。