本記事では、2021年の東京オリンピックで侍ジャパンの四番打者を務めたシカゴ・カブス所属の鈴木誠也選手の長打力の秘訣をご紹介します。
鈴木誠也選手は広島東洋カープ時代に5年連続で打率3割・25本塁打以上を記録し、メジャーリーグ1年目となった2022年のシーズンでも14本のホームランを放ちました。
日本を代表する右のスラッガーである鈴木誠也選手は、バッティングフォームの中で「前カベ」を大事にしていると言います。「前カベ」を意識することで、軸足から生み出したパワーをボールに存分に伝えることができています。
そんな「前カベ」を意識したバッティングフォームはどのようにして作られているのでしょうか。
腰を開かずにピッチャー方向に向ける意識
鈴木誠也選手は、足を上げた後に腰を開かずピッチャー方向に向けるイメージでステップしていると言われています。ピッチャー方向に向ける意識を持つことで、腰の開きを防ぐ前の壁をつくり、軸足側に溜めたパワーをロスすることなく伝えることができるのです。
一方で、前の壁がない、身体の開いたスイングになってしまうと、ボールに十分なパワーを伝えることができなくなってしまうので注意しましょう。
右の股関節に力を溜めてセカンド方向に押し出す
また、鈴木誠也選手は「前カベ」と同様、軸足周辺から生み出されるパワーを余らせずに伝えるための「力の向き」を大事にしています。
腰を開かずにピッチャー方向に向けることにくわえて、右の股関節にパワーを溜めて、セカンド方向に押し出すイメージもあわせて持ってスイングしていると語っています。
軸足の膝が曲がらないように注意
また、鈴木選手のバッティングはバットを振った後に軸足の膝が伸びるような形を保っています。(動画0:47)フォロースルー時に軸足の膝が伸びた形になっていることで、前の壁を利用して右足・右尻・右腰で溜めたパワーをバット、そしてボールに伝えることができます。
軸足の膝が曲がった形でのフォロースルーになってしまうと、軸足から溜めたパワーが逃げてしまいます。バッティング練習の時に、一球一球打ち終えた直後の軸足の形を確認すると良いでしょう。
鈴木誠也選手は「前カベ」をつくり、その壁を利用して身体の軸足を中心とした身体の右側で生み出したパワーを伝えるバッティングフォームで長打を量産しています。
鈴木誠也選手が「前カベ」を意識して行なっているバッティング練習の様子は、下記の動画からご覧ください。