「済美高校」という名前は、高校野球ファンであれば皆さんご存知でしょう。今回は済美高校が実際にやっているバックホームの練習方法を紹介します。
済美高校と言えば、2004年の春の甲子園において、鵜久森選手や福井投手を擁して、史上最速の創部3年目にして初出場・初優勝した、全国でも有名な愛媛県の強豪校です。そして2017年選手権愛媛大会で見事に優勝し、4年ぶり5回目の夏甲子園の切符を手に入れました。甲子園で暴れてくれることを期待します。
そんな済美高校がやっているバックホーム練習は、通常のバックホーム練習の場合、
(レフト捕球、サード中継の場合)
1:ノッカーがバッターボックス付近から、レフトにヒット性の当たりを打つ
2:サードが中継に入る。この時、サードは横向きになり、キャッチャーとレフトの直線上に入るように動く
3:レフトはサードへ送球し、中継のサードがバックホームする
これが一般的なバックホーム練習の流れで、かつ、これをボール一つで行うのが、通常スタイルではないでしょうか。しかし、済美高校のバックホーム練習は、もっとスピーディで、数をこなす練習を行ってます。済美高校式バックホーム練習に名前を勝手に付けるのであれば、
3箇所バックホーム
とでも言いましょうか。
外野はレフト、センター、ライトに分かれ、内野はベースごとに分かれて、3箇所を同時に行ってます。
確かに、よく考えてみると、バックホーム練習は、
・練習場全体を使う
・ノッカー、キャッチャー、内野、外野、とチーム全員が関わる
という練習になるので、気軽にできる練習ではないですし、ボール一個でやっているのであれば、一人あたり3回〜5回ぐらいしか受けれない練習になります。
その割には、1点を争う大事な場面にも関わらず、数をあまりこなせない練習になります。
済美高校は、選手に回数をこなしてもらうために、この3箇所バックホームを採用し、1点を争う大事な場面に備えている、と想定します。この「数こなし」「多くの経験」というのがポイントだと思います。
正直、動画では、どこからノックしているか分かりませんが、バッターボックス付近から打っているように思えないです。多分、内野と外野の間にノッカーがいるのか、何か工夫をして、ノックの回転数を上げているように思えます。
そして最後が驚きです。
動画の終盤あたりの3:00あたりで、センターはライトへ、3塁の内野手は1塁へ、とローテーションが始まります。ローテーションの目的ははっきりと分かりませんが、サードはサードだけ、レフトはレフトだけ、ではなく、どのポジションになったとしても、バックホームできる状態を作っておくことが必要なのでしょう。試合では、怪我や唐突な欠場も考えられるので、全員がある程度ユーティリティであることが、済美高校の考えなのかもしれません。
この済美高校と全く同じように3箇所でのバックホームをやるのは難しいかもしれないですが、
1点を争う大事な場面に備えているために何度も練習する
ということを目的で考え、選手達にバックホームの経験を多く積ませるために、チームとしての工夫は必要なのかもしれないですね。
やはり全国レベルになるチームは、他と違う練習を取り入れているのですね。
では動画をご覧ください。
動画引用元:済美高校 野球部 バックホーム練習1